吹く風

いろんなことに悩む暇があったら、さっさとネタにしてしまおう!

頑張るタマコ!21歳(国語編)

先日、お客さんが少なかったので、暇つぶしにタマコに国語のテストをさせた。
メモ紙に、
『梨』『蛍』『西瓜』『南瓜』『蜜柑』
と書き、
「この漢字に読み仮名をつけてみ」
とタマコに言った。
さっそくタマコはボールペンを持ってきて、問題を解きだした。
「これは『なし』、これは『ほたる』…」
「おっ、タマコ出来るやないか」
「あたりまえじゃないですか、このくらい」
「じゃあ、次のは何か?」
「これは『にし』だから…、ああ『にしづめ』じゃないですか。で、次のは『みなみづめ』でしょ」
「『うり』やろが。それにそんな読み方はせん」
「えっ、違うんですか?」
「違う。次のは何と言うんか?」
「みっこん」
「『みっこん』ちゃ何か?」
「みっこんです」

これを見ていたラーさんが、
「三つとも食べるもんよ」
とヒントを与えた。
「ああ、食べるもんですか。じゃあ簡単じゃないですか」
と、『にしづめ』を消して『つけもの』と書き、『みなみづめ』を消して『なすび』と書いた。
「おい、何でこれが『つけもの』で、これが『なすび』になるんか?」
とぼくが言うと、タマコは
「だって、わたし、なすびが好きなんです」
と言う。
「好きやけと言って、勝手に字を変えるな。じゃあ、『みっこん』は何なんか?」
「ああ、『みっこん』は間違いです。これは『みつまめ』です」
いよいよアホである。

続いてラーさんが、
『閑かさや ○○にしみ入る 蝉の声』
『古池や ○○○飛び込む 水の音』
『雀の子 そこのけそこのけ ○○○が通る』
と書き、
「○の中、埋めてみてん」
と言った。
「蝉だから、これは『夏』ですよ」
確かに、蝉は夏の季語ではあるが…。
「えーっと、これは…、水の音だから『サカナ』、いや『イルカ』です」
タマコの中では、イルカは池の中に住んでいるらしい。
「そこのけそこのけ…、雀だから、これは『ネズミ』です」
わけがわからない。

あと、
「おまえ、『くだもの』を漢字で書ききるか?」とぼくが言うと、
ちゃんと『果物』と書いた。
「おお、書けるやないか」
「当たり前じゃないですか。馬鹿にしないで下さい」
「じゃあ、『やおや』は?」と言うと、
『八尾屋』と書いた後、
「あっ、違った」と言い、
『八屋八』と書き換えた。
「やっぱりタマコやのう」

ということで、国語は、
 1,『蛍』=『ほたる』で、○
 2,『梨』=『なし』で、○
 3,『西瓜』=『つけもの』で、×
 4,『南瓜』=『なすび』で、×
 5,『蜜柑』=『みつまめ』で、×
 6,『(なつ)にしみいる』で、×
 7,『(イルカ)飛び込む』で、×
 8,『(ネズミ)が通る』で、×
 9,『くだもの=果物』で、○
10,『やおや=八屋八』で、×
10問中3問正解で、3点という結果になった。
100点満点だと30点になるから、ぼくの行った高校では、欠点をぎりぎり免れる点数(当時)だ。

タマコは今21歳。幼稚園の先生を目指している。
・・・道は険しい。