吹く風

いろんなことに悩む暇があったら、さっさとネタにしてしまおう!

2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

釣り師

先週の休日の話。昼間、友人から電話がかかってきて、「今から釣りに行くけど、来んか?」と言う。 ぼくは釣りはしない人間だ。糸に針を付けたり針に餌を付けたりと、準備が面倒そうだし、何よりも魚を触った後の生臭さが嫌いなのだ。 とはいえ、釣りを見る…

恥ずかしい痛み

何年か前に困ったことになったことがある。別にいやらしい意味ではないのでそのまま書くが、実はキンタマが痛くなったのだ。何もせずに痛いのではない。ちょっと触れたりした時に痛むのだ。その前に打ったりした覚えはないし、腫れている様子でもない。しか…

鬼太郎という子

小学生の頃、隣の町内に『鬼太郎』というあだ名の子が住んでいた。目が異様に大きく、少し出目ぎみの男だった。その印象から『鬼太郎』というあだ名が付いたのだと思う。いつもグジグジして何を言っているのかわからず、そのために友だちもいなかったようだ…

ともだち

何を言っても知らんぷりして したい放題のネコを見て人は こう思っているのであります。 『無知で身勝手な生き物』と。 畜生扱いのネコだけど、実は 人間の言葉もその人の性格も 社会の動きもこの国の未来も 恐らくは宇宙の仕組みだって 何もかもわかってい…

数々の勲章

長い間開けてなかった、古い書類入れがある。先日何気なく開いてみたら、引き出しの一つに、その存在さえ忘れていた写真が入っていた。量にすると100枚程度で、生まれて9ヶ月目のものから30代後半までのものが無造作に入れてある。 5歳頃の実家付近や…

温泉男

そう思うから、そうなったのか。 そうなるから、そう思ったのか。 そのへんはよくわからないが 最近、いいことも悪いことも含め 思っていることが現実になる。 いいことはともかく 悪いことが現実になると困るから 悪いことを考えまいとしているのだが 悪い…

奇門遁甲

奇門遁甲という、方位占いをやったことがある。 二十歳前後だった。ちょうど仕事を探していた頃、何度も何度も面接で落とされるので、ぼくは「これはきっと方位が悪いせいだ」と思うに至った。 そこで色々調べていたら、奇門遁甲という占いに行き着いた。な…

半纏

昼間、半袖を着て歩き回っているのを考えると嘘のようだが、ぼくは夜間、すでに半纏を羽織っている。天気予報で「この時期は気温の変化が激しいので、衣服の調整が必要」と言っていたのを聞いて、さっそく行李から引っ張り出して着ているのだ。 例年だと11…

永遠の一冊

あるショッピングサイトに会員登録をしていたのだが、そこに「永遠の一冊」を書く欄があった。 「永遠の一冊」、つまり、自分にとっての一冊の本のことだろうが、それを言われるとちょっと困る。 ずっと前に、このブログに書いたのだが、10年位前だったろ…

会社顛末記(後編)

4, ぼくの飲み友だちに、Kさんという人がいた。その人は初代の時に、どの社員よりいい評価を受けていた。トップは何かにつけ「Kちゃん、Kちゃん」で、彼が何か問題を起こしても、すべて不問にしていた。 ところが、二代目に変わってから、Kさんの評価…

会社顛末記(前編)

1, ぼくが最初に就職したのは、創業したばかりの量販店で、まだ営業も開始してなかった。 同期の人間はみな「新しい会社を自分たちの手で作るんだ」という意気込みがあり、仕事に対する情熱を持っていた。 朝早く出ようが、帰りが午前を超えようが、そうい…

幸せの行方

「はー」とため息をつくと、「幸せが逃げるよ」とよく言われる。 一理あるが、さて、その幸せはどこに逃げるんだろうか?そしてその幸せを取り戻す方法はあるんだろうか? 幸せとはその人の心の持ちようだという。 「貧乏であっても幸せと思っている人は幸せ…

大将

「大将ーっ!」 周りを見回しても誰もいない。そこにいるのは、ぼくだけだ。しかたなく「はい」と返事をしている。 いつの頃からだろう、「大将」と呼ばれるようになったのは。 ぼくの持っている自分のイメージは、決して「大将」ではない。だから「大将」と…

ハゼ負け

小学生の頃、よく「ハゼ負け」をしたと言っては、白い薬を肌に塗りまくっている子を何人か見かけた。不思議なことに、ハゼ負けするのはいつも同じ子なのだ。 「そんなにしょっちゅうハゼ負けするくらいなら、ハゼの木に近づかなければいいのに」 と、ぼくは…

苦い話

【サラリン錠】 幼い頃、ぼくは便秘症だった。これは決して体質的なものではなくて、ウンチをするのが面倒臭くて、便秘の習慣がついたものだと思う。 便秘になると、ぼくはいつも『サラリン錠』という便秘薬を服用していた。この薬を飲んでいた理由は、糖衣…

無粋(下)

また競艇のほうは、家の近くだということで、アルバイトをしたことがある。 そこでは、やくざ者とケンカしたり、設備を誤って壊したりと、ろくな思い出がない。 そこを辞める時に、「二度とこんなところに来るか!」と思ったものである。 ということで、それ…

無粋(上)

【飲む】 飲むほうは得意である。 あ、いや、得意であった。 最近は飲む回数も減ったのだ。 以前は、週に何回か飲みに行っていた。 が、最近は年に数回しか参加していない。 たまに参加する飲みごとも、前は「朝までやるぞー!」と勇ましく吠えながら、酔い…

拓郎さんのコンサート(2)

いよいよ当日。福岡市内で、例の拓郎ファンである取引先のT君と落ち合った。 「今日は特別席を用意してくれとるらしいよ」 「そうなんですか」 「特別席と言うくらいやけ、かなりいい席なんやろね」 「ぼく知ってますよ。接待で行ったことあるんですけど、…

拓郎さんのコンサート(1)

三十年以上前、その頃ぼくは、よく吉田拓郎さんのコンサートに行っていた。つま恋や篠島といった野外コンサートには、残念ながら行けなかったが、福岡に来たときは、時間があれば行くようにしていた。 その拓郎さんのコンサート、一度だけぼくはタダで入った…

先入観

昨夜のこと。 仕事帰り、嫁さんと二人でぼくの実家に行った。駐車場に車を駐めている時、黒い人影が見えた。影は二つだった。 車を駐め実家に向かって歩いていると、左手にある自転車置き場から声が聞こえた。見てみると、そこに中学生らしき男が二人立って…

秋の夜長問答

1, 聞き手:10代と20代で一番変わったことは何ですか? しんた:人の目を気にしなくなったことですね。10代の頃は、何か自分が特別な人のような気がしていたんですね。ところが、20代に社会に出てみて、そうではないことがわかった。何でわかった…

落とし物3(2004年9月24日付)

【今週の日曜日のこと】 某大手都市銀行のカードを拾った。 いつものように電話をかけ、落とし主の名前とカード番号を言った。 「はい、わかりました。では、明後日火曜日に、北九州支社のほうから連絡させます。失礼ですがお名前は?」 「しろげしんたとい…

落とし物2(2004年9月23日付)

【先週のこと】 運転免許証を拾った。 警察に届けるのが筋なのだろうが、先に落とし主に電話をかけてみた。 幸い落とし主は、電話番号を電話帳に載せていたのですぐにわかった。 ところが不在だった。 ということは、交番に行かなければならない。 交番は手…

落とし物1(2004年9月22日付)

【5月のこと】 福岡銀行のキャッシュカードを拾った。 すぐに最寄りの福銀に電話をかけた。 「わざわざ電話していただいてありがとうございます」 と、まずは丁寧なお礼の言葉。 「そちらのお店にATMがあるでしょ。そこの横に穴があると思うんですが」 …

洞穴

1, 昭和34年に、ぼくは今住んでいる場所に引っ越してきた。2歳の頃だから、当然その当時の記憶はない。聞いた話によると、ぼくが住みだす少し前までは、ここは池だったらしい。さらに戦時中は、海の入り江だったということだ。 さて、今は団地が出来て跡…

暇な一日

1, 何気なく鼻の下を触っていたら、一本の鼻毛が指に触れた。「後で切ろう」と思い、鼻の中に押し入れおいた。ところがすぐに下に降りて来た。 何度かこの作業を繰り返してみたが、埒が明かない。その都度、鼻毛は反発するようにお目見えする。そこでつい…

人生のほら吹き

『人生のほら吹き』 山高帽子をかぶって 楽しそうに振る舞うんだ おれは人生のほら吹き そう、ほら吹きだから ポケットに手を突っ込んで 寂しそうに振る舞うんだ おれは人生のほら吹き そう、ほら吹きだから 雨が降っても寂しくはないよ いつも心の中はウソ…

ウチの女

1, ぼくは他人に妻のことを話す時、「ウチの嫁さんが─」と言っている。 妻の呼び名、これは人それぞれで違うようだ。「かあちゃん」と言っている人もいるし、「家内」と言っている人もいる。また、「かみさん」などと言う人もいる。 高校時代、政治経済の…

宿命

芸能人のように派手な結婚式(披露宴)をする男もいれば、ぼくのように結婚式を挙げてない男もいる。こういうものは、そうしたくてそうなるものではなく、生まれ持った宿命がそうさせているのだと、ぼくは思っている。 そういうぼくも、若い頃までは派手な結…

我が良き友よ

1, 「ああ友とよき酒を 時を憂いて飲みあかしたい 今も昔もこの酒つげば心地よし」(詞 吉田拓郎『我が良き友よ』より) 確か高校の卒業アルバムに、この歌詞が載っていた記憶がある。ぼくは、数ある拓郎の歌詞の中でも、ここの部分が一番好きである。また…