吹く風

いろんなことに悩む暇があったら、さっさとネタにしてしまおう!

2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

休みの日には

休みの日には妻といっしょに 温泉に浸って買い物に行って 食事を済ませて家に帰る 費やす時間は四時間ちょっと 移動距離は十キロ足らず 週一回の楽しみだ

労作

世の中の「この野郎!」を絵筆に伝え 彼の腕は一気にキャンパスの上を這った ひとつの心は無数の色を呼び 無数の色はあまねく魂を呼ぶ 長い時間をかけた作品だと聞く だけど彼にとっては ほんの一瞬の出来事だったのだろう

いつか通る避けられない道

年老いた枯れ木は静かに息を引き取った。 ぼくはその過程を眺めながらも、 一筋の涙さえ流さなかった。 雨の降るやけに温かい一日だった。 その日ぼくは職を探して奔走していた。 ちょうど余った時間を弄んでいた時に、 なぜかその日に何かが起きるような、 …

悩み

「悩みなんて泡のようなものだから、 いつか消えていくものだから、 何も気にすることはないんだよ」 よくそんなことを言われる。 実はその時のぼくは そのことについて悩んでいるのではなく、 「そのことを悩まないようにしよう、 そのことを気にしないよう…

誰一人渡った者がいない

そこには小さな川が流れていた。 誰もが渡ろうとするのだけど、 誰一人渡った者がいない。 様々な人が、 この川の岸までは来るのだけど、 そこから先に進もうとしない。 誰かが一歩を踏み出すのを、 誰もが待っているのだ。 向こう岸のことを、 誰もが知って…

小さな町

工事中の泥道を 汚れないようにと気をつけながら、 小さな町に入っていった。 この町には、 大きな門のある 洒落た家が一軒と、 低い塀に囲まれた 古ぼけたアパートが一棟あるだけで、 他に何があるわけではない。 この先は山へと続くのだが、 この二つの建…

夜の状況

ストーブを前に見て テレビを後ろに聴く 時々犬の鳴き声がする 二月の今日は寒い日だ 眠たくもある イスの脚が見える ウーロン茶の味が蘇る 灰皿が横にある タバコでも吸おうかと思う

春いちばん

あまりに暑くて 目が醒めてしまった 先ほどの雷雨が 今はやんでいる 風も収まったようだ 二月も末 今日はストーブがいらない さて、どうやって眠ろうかと 悩んではいるのだが さて、何をやろうかと 考えてもいる

ぼくの気分は

ぼくの気分はルーレット その時々の点と点 悲しいことでも笑ってしまい 笑えることでも怒ってしまう 昨日好きでも今日は嫌い そんなことの繰り返し 転がる球は心のようで なかなか素直に定まらない そんな点が積み重なれば ひとつの影に見えてくる 影はぼく…

面接

懲りない人は今日も面接に向かう。 しゃべりすぎを注意しながら、 今日もまたしゃべりすぎてしまった。 体面を繕ってはみるが、 いつの間にか乗せられてしまう。 頼りない人が露わになる。 悲しいかな今日も馬鹿をやっている。 馬鹿をやりながら馬鹿を否定し…

空白

空白、空白 何も出てこない 腹の中にも何もない 憂いのない生活は 目の充血をもぬぐい去って 何もかもを白けさせてしまった 時々起こるひらめきでさえ なぜか感動も味わえずに 消え去ってしまう 空白、空白 何もない夜に 空白、空白 慣れっこにになってしま…

ここを超えていくんだ

ここを超えなくては ここを超えなくては 再び過去の過ちを 繰り返してはならない 有言でもいけない 無言でもいけない そこを超えて 歩いていくのだ ページをめくろう ページをめくろう 同じページをさがしても 答は出てこない 前に出よう 前に出よう 答は自…

箱庭みたいな国で

箱庭みたいな小さな国で、 滑稽な茶番劇が繰り返される。 思い込みの激しいフィギュアたちが、 大きな顔をして主人公を気取っている。 本当はエキストラにすぎないのだけど、 誰もそのことに気づこうとはしない。 彼らはぬるま湯の中でふんぞり返り、 主とし…

彼を呼ぶんだ

異常とも思える日々が、 人々の心をたやすく変えてしまう。 だからぼくらは信じなければならない。 何があっても守らなければならない。 呼ぶんだ、 彼を呼ぶんだ。 忘れてきたものを取り戻すんだ。 彼はここにいる、 だから呼ぶんだ。 必死に叫ぶんだ。 決…

友よ

今をうつ向いている愛すべき友よ。 もう一度やってみようじゃないか。 次また失敗だっていいじゃないか。 そんなことは無視していくんだよ。 すべては錯覚の中にあるんだから、 実は失敗なんて存在しないんだよ。 だから成功だけを信じてもう一度、 もう一度…

ぼくの中のきみ

想い出度が25 思い込み度が15 偶像度が20 期待度が20 存在度が10 恋愛度が10 現実度が00000…

声を聞くのだ

たとえば夜、 突然の雨が襲った時、 私はその中に声を聞くのだ。 あるいは近くに、 あるいは遠くに、 あるいは安易に、 あるいは苦悩して、 その中に声を聞くのだ。 雨の一粒に声を聞くのだ。 そして一粒を数えるすべを失った時、 その中に声を聞くのだ。 無…

泣いても泣いても

泣いても泣いても 冷たい風は吹きつける 泣いても泣いても 冷たい風は吹きつける それは季節のせいなのか 風が冷たいせいなのか 泣くから雨も冷たいのか 時間は考える余裕を与えてくれない 泣いても泣いても 冷たい風は吹きつける 泣いても泣いても 冷たい風…

夢の中を飛んでいくよ

もうどうなってしまったのか ぼくにはわからない 君の前で気取ってみたくもないし かといってお道化者にもなりたくない とくに話すこともないんだけど とくにこうして欲しいとも思わないんだけど 心だけは繋いでおきたい 夢だけは抱いていきたい 何か不都合…

自我

あの頃、ぼくたちを引き裂いたものは、 ひとつに状況があった。 それはもう防ぎようのない、 大きな大きな壁となっていたんだ。 あれからずいぶんの時間が経ったね。 あれ以来ぼくたちは話もしたことがなかった。 目を合わせようともしなかった。 ね、それが…

十句経

観世音 南無仏と夢の中 与仏有因に起こされて 与仏有縁に流されて 仏法僧縁に帰着する 常楽我浄の呼び声は 朝念観世の、 暮念観世の、 音、音、音 念念、願いは心に芽生え 念念、願いは心を離れない

春一番歌った空に

暖かな日差しの中に 風を乗せてさあ歌おう そんな時だってあったんだよと 悔いにも似せた思いも乗せて 吹きすぎる風はいつもそう 喜びや悲しみを運ぶ そんな風にまた新しい風は 新しい思い出を運ぶ 春一番歌った空に君はいない だけどもしもそこに君がいたら…

今日からぼくは

そこに行くと梅の匂いがするよ そしてぼくはもう忘れないよ お日様を背中に歩いていると 誰かがぼくを押しているようだ ほらこの坂でも早く 歩くことが出来るからね 今日からぼくは? うん、難しい問題だね もう眠ってしまいたいくらいだ まだ昼だというのに…

春一番

顔を洗って、風が肌を潤すとき 誰かがささやく、変わったねあなたも うん、もう春だもの 春一番、ほらもう冬を忘れてる 風の光に白い山が笑うとき 誰かがささやく、長くなったね髪も うん、もう春だもの 春一番、ほらもう冬を忘れてる 温かい風に川の水も温…

立春

今日は立春だった。 まだまだ寒い日が続いているが、毎年この日を迎えると、心の重装備が少し軽減されたような気がする。 もう梅が咲いたという話も聞くし、これからは見るもの聞くもの、すべてが春に向かっていく。 さて、暦には立春だけではなく、立夏、立…

春が来たんじゃない。 ぼくらが春になったんだ。 木の芽が出るように、 虫たちが這い出すように、 ぼくらが春になったんだ。

節分

多くの人が、干支は正月に変わると思っている。 ぼくの周りはみなそう思っているようだ。 しかしこれは正しくない。 実は、干支は立春に変わるのだ。 なぜそう言い切れるのかというと、暦がそうなっているからだ。 つまり、干支にそういう決まりがあるという…

節分

この一年、 ぼくの心の中を吉凶が代わる代わる訪れて、 日々の生活に少なからず影響していた。 節分の今日、 ようやくその吉凶が終わる。 出来うれば吉凶の終わる今日一日は、 「鬼は外」と唱えることはやめにして、 「福は内」とのみ唱えよう。 鬼を連呼す…

世の中通り

世の中通りの往来が激しくて、 ぼくは道から外れることが出来ない。 わざとゆっくり歩く人がいたり、 なぜか慌てて走る人がいたり…。 そういう人たちに 両脇を固められているせいで、 ぼくはここから抜け出せない。 誰もが何ものにも執らわれることなく、 普…

卒業Ⅲ

面倒臭さも手伝って ぼくは卒業という舞台に それまでやってきたことの何もかもが もうどうでもいいような気がして そこからのことを考える 気力もなくてね ただ馬鹿のように笑っていたよ それにしては白髪も増えたな 古い汗のしみこんでいる 体育館の床の上…