たまに人生を語る
ずいぶん前から、自分の心の中に、もう一つ殻をかぶった自分があるような気がしてならない。それが時々、アスファルトを突き破って出てくる雑草のように、その殻を突き破って表に出てこようとしているのだ。うまく突き破ったら、どれだけ気持ちがいいだろう…
「大丈夫」と書いたカードを、部屋のあちらこちらに貼っている。 気落ちした時に見るためだ。 そういうつもりで貼ったのだが、不思議と気落ちする前にこのカードが目に入る。 おかげで気落ちする暇がない。 これは偶然なのだろうか、それとも何者かの計らい…
これまでぼくの人生にとって必要なことは、すべてこの調子で解決してきた。 会社を辞めた時も自ずとそうなって行ったし、就職が決まった時も自ずとそうなって行った。 そういえば、運転免許を取った時もそうだった。 あの時は、会社から「仕事上必要なので免…
一昨日のこと。 夕方から、車に乗って買い物に行ったのだが、まったくエアコンがダメになっている。 時々ハンドルがカクンカクンなって、どうも具合がおかしい。 先日、車屋さんから、「修理を伴う車検を受けるくらいなら、とりあえず新車を買うまで、車検と…
講習が終わった日、家に帰ってから、ぼくは緊張について考えていた。 前に書いたが、柔道や野球の試合だとかカラオケとかでは、緊張で失敗したことがあった。 だが、それは人生において重要なものであったか? いや、違う。 別に負けても何ということはなか…
かつてぼくは、すべての場面で緊張していた。 学生時代、授業中に先生から「はい、しんた君、次読んで」などと言われるともうだめで、腹は痛くなるし、心臓が口から飛び出てくるような感じがして、うまく読むことが出来ない。 柔道の試合では、緊張のあまり…
十数年前、まだ前の前の会社で働いていた頃だ。 その頃は毎週火曜日が休みで、その前日月曜日はいつも飲みに行っていた。 行きつけのスナックで、歌をうたったり、人の相談に乗ったり、激論を戦わせたりと、けっこう充実した時間を送っていた。 ある時、その…
ぼくと同じように、毎日神社にお参りに来る人がいる。 きっと願掛けしているのだと思う。 邪魔しては悪いので、その人が来る前にお参りをすませるようにしているが、たまに時間がいっしょになることがある。 その時は、ぼくが早く着いていれば相手が、相手が…
ぼくはよく「節目」という言葉を使うのだが、その「節目」が「節目」であったためしがない。 というか、そういう時には、必ず何か新しいことが始まると、ぼくは思っているのだが、何も起きたことがないのだ。 例えば21世紀が始まる時に、ぼくはその「節目…
昨日は風が強かった。 台風並みに吹いたらしい。 それに黄砂が混じっていたのか、車のフロントガラスがけっこう汚れていた。 そういえば、最近外を歩いていると、口の中がザラザラすることがあるが、きっとそれは黄砂のせいだろう。 しかし、今年は昨年ほど…
このところ毎日歩いているが、不思議に思っていることがある。 それは日曜日とその他の日との雰囲気の差である。 平日は慌ただしく感じるが、日曜日はのんびりとした感じがするのだ。 確かに平日と比べると日曜日は車の流れが違うし、人の歩き方も違っている…
お目当ての本屋に向かっている時だった。 途中にある女性物の店の前で、一瞬場が変わったような感じがした。 「え?」と思って、店の中を覗いてみた。 すると、店の中からぼくを見ている店の女の子がいるではないか。 「こういう店に知り合いはいないはずだ…
(1) 姓名判断に『後家数』と呼ばれる画数がある。 その画数を持った女性の多くの人が、離婚したり、離婚はしないまでも別居したていたり、行かず後家だったり、悪い時には死別したり、という経験をしている。 あえてその画数をここには書かないが、その画…
この間ビートルズの話をしたが、ではぼくはビートルズの中でどの曲が一番好きかと問われれば、ちょっと答に窮してしまう。 どの曲も想い出に残っているものだし、どの曲も音楽的に影響を与えられたからだ。 メロディライン的に言えば、『フール・オン・ザ・…
最近自分の運命というのが気になって、ずっと四柱推命にある命式というものとにらめっこしている。 どういう巡りの時が良くて、どういう巡りの時が悪いかというのを、自分なりに検証しているのだ。 ところが、なかなかその答えが出てこない。 まあ、6月18…
最近、占いの本を読むことが多くなった。 将来どうなるかとか、常々音楽関係に進みたいなどと言っているが、実際それは天職なのだろうか、などといったことを調べるためだ。 50歳を前にして、今さら何を言っているんだと思われるかもしれないが、今が人生…
『雲雷鼓掣電 降雹ジュ大雨 念彼観音力 応時得消散』 言った手前、観音経のことを書こうじゃないか、ということになった。 が、最初からこの有様である。 上の経文を見てもらったらわかるように、パソコンには漢字の限界があるのだ。 この「ジュ」という字が…
今やっている仕事というのが、いわゆる肉体労働で、いつも重たい物をトラックに積んだり降ろしたりしている。 そのせいで、かなり筋肉がついている。 いい感じに脂肪も絞れているようだ。 まあ、給料が減ったり、そこの人たちの話についていけずに居場所がな…
『一歩を踏み出そう』 出来なかったことを考えるから、 今がとてもやりきれない。 いつかやり直しがきくんだと、 曖昧な日々を過ごしてきた。 そこからのことを考えないから、 日々はいつもの繰り返し。 まだまだ若いという勘違いは、 そこから一歩を出てい…
例えば、今夢中になっているものが気にかかる。 運命がそれをさせているのではないだろうかとか、そこに何かヒントが隠されているのではないだろうかとか…。 先月から、再び浦沢直樹の数々の作品を読むようになった。 最初の頃はまったくそんなことはなかっ…
昨年の10月に占い師から今後の展開を聞いたことといい、 この春の転勤のことといい、その際これまで長年やってきた仕事から離れなければならないことといい、数えの50歳になったことといい、またそういうことに対する行動といい、その精神状態といい、今…
嘉門達夫の歌にもあったが、小学生頃、遠足の前の日に「先生、バナナはおやつですか?」と聞く奴が必ずいた。 「おやつは○円まで」と決められていたが、少しでも多くおやつを持って行きたい。 そのために、バナナがおやつだとなると都合が悪くなる。 そこで…
今日火曜日は恒例の休みだった。 姪の大学受験が控えているため、前々から太宰府天満宮行きを計画していたのだが、明日からいよいよ受験月に入る。 ということで、今日のうちに合格祈願をしておこうということになり、嫁ブーと二人で太宰府天満宮に行くこと…
4月の転勤の話、本社からの応援を断った件、部長との話し合いなど、仕事の面ですっきりしない毎日が続いている。 他にも、突然先行き不安定になった会社とか、会社内でぼく一人浮いているような雰囲気とかが、前の会社を辞めた時の状況にそっくりなのだ。 …
(1)旅に出てきます 『旅に出てきます』 旅に出てきます 今吹いている風が 想い出を何もかも 持って行ったので 駅員もいない 小さなホームで 「ぼく独り」行きの 汽車を待ってます 見る景色(かげ)もなく トンネルばかりの 冷たい闇の中を 汽車は走ります…
『冬』 世の中が 寒さの中で動いている。 騒音、騒音 ここにはもう人間の会話はなく ひと時の暖かみもない。 右から左、 左から右、 通り過ぎるものはみな 文明の枠でしか呼吸をしてない。 さて、 そこに飛び込むことが尊いのか、 そこから逃れることが尊い…
先日ラジオで言っていたが、近頃の学生の中にはすでに人生に失望感を抱いているものがいるのだという。 高校や大学を落ちたら、もうその他の道を考えられないのだそうだ。 その背景には、もちろん現代社会の風潮があるらしいのだが、それよりも、「受験だけ…
いつだったか、世間は狭いという話を書いたことがある。 あの時、肝心なことをぼくは書き忘れていた。 高校時代にK君という友人がいた。 普通の友だちだったのだが、ある時からぼくは彼を違った目で見るようになった。 ある時というのは、母の独身時代の話…
昨日書いた友人の話である。 本を返してもらった後に、いろいろと昔話をしていたのだが、突然その友人がこう言った。 「この会社に、親戚の人が働きよるっちゃね」 「この会社に?」 「うん。おれのいとこになるんよ」 「ふーん」 「この間、そこのお母さん…
午前中、配達に行った。 その帰りのことだった。 ラジオから、ハッピーエンドの『風をあつめて』という歌が流れてきた。 そののんびりとした曲調に浸っていると、突然19歳の頃の心の風景がよみがえった。 つまり、心がタイムスリップしたというわけだ。 ぼ…