吹く風

いろんなことに悩む暇があったら、さっさとネタにしてしまおう!

2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

天然温泉

一月に入ってから、毎週火曜日と水曜日に休みをとっている。 火曜日は嫁ブーも休みで、朝はゆっくり寝ることが出来る。 しかし、一日中家にいるわけではない。 買い物に行ったり、お互いの実家に行ったり、神頼みに行ったりしているのだが、それに加えて最近…

あの汽車は

いや、違うんだよ。 そうじゃないんだよ。 あの汽車は南に向かって行くんだよ。 決して西になんかに向かっては行かないんだよ。 あの汽車は独立の町を目指してるんだよ。 決して殺戮の町を目指したりはしないんだよ。 あの汽車は速いところが好きだから、 決…

ぶらぶらぶらぶら

ぶらぶらぶらぶら ぶらぶらぶらぶら 目の前を歩いていく人人人 落ち着ける場所なのに せわしなく体を揺すって 落ち着きに来ているのに なぜか往ったり来たりして ぶらぶらぶらぶら 手ぶらで歩く ぶらぶらぶらぶら 臆面もなく歩く

朝ぼくはいつものようにお茶を入れる 小鳥たちはいつものように歌をうたう またぼくは新しい一日を迎える けたたましく響く水蒸気の音 かき消されていた昨日までが蘇る それがぼくの一日の始まり 一時の瞑想は外の音を静め 快い歌を部屋の中に灯すと カーテ…

放浪ブルース

ああ昨日より冷たい風が吹いて 今日は野宿なんぞ出来そうにない 懐かしい想い出なんて今日はとても歌えない 口はこごえて、声は凍りついた 火を起こそうと今夜はマッチも湿気て まるで冬山のキャンプさながら せめては風をしのごうと 大きな木陰に身を隠す …

五十の現実

決して悲観しているわけではないが、 十数年ぶりに会った君は 生活臭さでもにじみ出ているのか、 年よりも老けて見えたものだ。 これはぼくの想像が君の姿を 若く見せていたせいでももあるのだが、 そこには君はこうであって欲しいという ぼくの期待もあった…

いもむし

葉っぱの上に横たわり 日々のしぐさに精を出す 時に住み家は風に揺れ 日々の行方を見失う 昼はゴロゴロ転がって しきりに口を動かして 夜はそこから落ちないように 必死に葉っぱにしがみつく ゴロゴロゴロゴロ転がっては 消えていく日々を眺めている 雨に濡…

ゲームは終わった

ここまでだよ線路の行き着いたところは ―今までは行ってみたかった でも何だこのいらだたしさは ―もう自由を失ったように思えて ぼくは線路を間違えていたらしい ―そして君も ここには散ったばかりの桜が ―そして私は見せ物じゃないよって そうだよ、ここま…

昨日の風は

昨日の風は今日の風 昨日を飛ばして今日を彩る 昨日の風に酔いながらも 今日の風に身をゆだねる 今日の風は明日の風 今日を飛ばして明日を彩る 今日の風に身をゆだねながらも 明日の風に心を遊ばす 明日の風は昨日の風 明日を飛ばして昨日を彩る 明日の風に…

人生全開

17歳の頃、 ぼくの人生は全開していた。 何をやっても面白く、 悩むことでさえ楽しんでいた。 毎日毎日が嬉しいことだらけだったのだ。 ところがひょんなことから 将来を考えるようになってしまった。 そこから人生は沈黙し始めた。 とはいえ、 いつも心に…

暗く寂しい部屋

暗く寂しい部屋 電球(あかり)が息切れをはじめ すすけたストーブが笑う 窓ひとつ隔てた空から トタンのからむ音がする 「ああ いつまでも冬ですよぉ」 ―針がいつ静止(とま)ったのかわからない 昨日からの濡れた風と 立ち止まる冴えた風が そっと後ろ指を…

16度目の春

永遠へと続く絹の道の上を 幸せの黄色いリボンは舞っていた 16度目の春はそんな時やってきた 夢にまで見た君の笑顔を乗せて ぼくは初めて大きな目を開いた それが君への愛というぼくの旅立ち 大きな風が小径を駆け抜けていった でもそれもぼくには苦にはな…

ドラマの中の恋は終わって

ドラマの中の恋は終わって、 ドロドロとした渦の中に、 ぼくは巻き込まれる。 出来ればここから抜け出そうと、 たまには必死で闘ってみる。 だけど、出来ないものだから、 またあの恋にすがってみる。 ああ、あの恋も飽きた。 もっともっと甲斐のある恋がし…

夜がまた来る

夜になりさえすれば 何もかも忘れるよ 真っ暗なお部屋で お酒を飲んで ウィっとね 夜がまた来る 朝までやろうよ

手紙

突然お手紙あげてすみません お友だちからあなたのこと聞きました 私としては何と言っていいのか あまりに突然のことだったので あなたのこと知らないと言ったら嘘になります 高校時代のあなたは変わっていたけど やっぱり人間って正直なんですね 私うすうす…

タバコ臭い女

タバコ臭い女が話を濁すので ぼくは女にガムをあげた 軽く会釈をしながら女が笑う 「ねえ、いったい何があったの?」 女とすれ違うすべての男は その美しさにふり返る 憂いに満ちた女の影は 夢をも誘う だけど女が話し出すと ぼくは苦笑いしてしまう やっぱ…

トレーナーのほころび

トレーナーのほころびが すごく気になって 街を歩くのもうつむきかげんに 扉を開くのも遠慮がちに 足は重々しげに 希望をも失ったように さまよい歩く トレーナーのほころびが すごくすごく気になって

投げられて勝つ

投げられたほうが勝つのだから、 こんなに楽な競技はない。 対戦するのは相手選手ではなく、 投げられた時の芸術性を採点する審判団だ。 日本選手もこれからは、 芸術的な投げられ方をマスターしなければならぬ。 さてこの理屈からすると金メダルを取るのは…

卒業Ⅱ

ついさっき雨はやんでしまったばかりなんだから もうこれ以上ぼくを苦しめないでほしい いつも同じように君はぼくを窺っている でももうぼくの目には君の顔なんて映らない 君と話し合えた時、もっと打ち明けるんだった 同じ言葉を二度も使わないぼくなんだか…

生きてるかい?

ぼくは今、白い葡萄酒を飲み干し すべての人に与えた苦痛を考えている たぶん二度と会えない人もいるはずだ 生きてるかい? あまり話をしたこともなかったけど 10年目の醜態は君の想い出 いつも君はぼくの焦点だった ショートカットの似合う子だったけど …

取材

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不自然な秩序

冬の夜を半袖で歩くのが夢だった。 寒さを意識せずに歩くのが夢だった。 まさかこんなに早く、 その夢が実現するとは思わなかった。 小寒に入ったばかりというのに、 小正月にもなってないというのに、 今日の気温は3月下旬並みなのだ。 そういえばこの冬、…

湿気たダンヒル

湿気たダンヒルを口にすると 君がぼくの手から火を奪う。 そして指でワッカを作っては ふうと彼方へ吹きつける。 だけど一度だけでは消えなくて 二度三度と続けるうちに 君のかわいい指がアチッと言って 思わずぼくの耳たぶをつかむ。 とがめようのない君の…

いつまでも歌っていよう

野に出ては君と二人で いつまでも歌っていよう 古い草が足にからんでも いつまでも夢は駆け回る 大声を張り上げてみれば いつまでも歌っていられる 力が尽きてしまっても まだまだ口は動かして 夜になっても朝が来ても いつまでも歌っていよう 心が張り裂け…

さようなら

外に出ると吹き飛ばされそうな一日 何もかもがすべて失われるような風 私は今歩いている、突風を背に受けながら 紙くずが空に舞い上がる さようなら もう帰ってこないのだろう 道の上には何一つ落ちてないから 私は今歩いている、突風を背に受けながら 思い…

いっしょに歩こう

夜も濃くなる街 寂しさだけの遠吠え 雨もやんだばかり もう傘をたたんで 通りすぎていく車 照らしていくネオン いっしょに歩こう たった二人だけで 雲の透き間の星 かすかに影を映し 夢のようなランデブー 公園のベンチは濡れ 何もかも忘れ すべてはひとつ …

正月模様

昔は七日まで「おめでとう」でした。 今じゃ三日で「こんにちは」です。 別に体制が変わったわけではないのです。 人の気持ちが変わったわけでもありません。 誰もがゆっくりしたいのです。 酒でも飲んでいたいのです。 実は欲に目のくらんだ商売人たちが、 …

折れたタバコ

パチンコのように道はこんがらがっている 彼らは折れたタバコを口にくわえては 上目遣いに空を見ている 彼らの目には何も映ってはいない 何が正しいのかと聞けば答えることも出来ず いくつもの考えを巡らしているふりをしながら 明日のレースのことを考えて…

今朝見た夢のひとこま

今朝見た夢のひとこまが 今日一日の心のありかただった。 君は何を見て今を生きているんだ。 今日見た君はいらだたしさに 目を不自然に揺らしていた。 その時、君はどこにいたんだろう。 確かにぼくの夢の中にだけではない。 君の存在する場所は違うところに…

春の夜

夜が来て 星がともる 夢から覚めた 月も色づく なぜか人は 急ぎ足で 行きすぎる 道ばたには 小さな花が 眠たげに 目を閉じる 夜を忘れた鳥が 家を探し 飛んで行く 目の前が急に 明るくなって 夜もまるで うそのような公園に 君と二人 これからずっと 暮らし…