2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧
生きていることの意味なんか考えている。 おそらくそんなことを考えるのは人間だけで、 他の生物はそんなことを考えることはないだろう。 なぜなら他の生物は人間のように暇じゃなく、 生きることに精一杯だからだ。 たとえばさっきからぼくの周りをしつこく…
たとえば深夜、 街が寝静まっている時に、 一匹の猫の子が鳴いたとしましょう。 これが妙に響くんです。 昼間、喧噪の中で重大な事件があったとしても、 人にはその声の方が、 一日の印象として残るものなんです。 仕事でも同じことでしてね。 会議が行き詰…
夜中になると、 いつも家の前の公園から、 二、三人の子どもたちの遊ぶ 甲高い声がする。 最初は子どもだなんて思わずに、 女子中学生がたむろして、 騒いでいるのかと思っていた。 ところがそれはどうも違う。 「あははは-、きゃっきゃっ」 中学生にしては…
一番目の夏が来て人は、 来年からネクタイをしなければならないというルールを作った。 二番目の夏が来て人は、 ネクタイをすることになった。 三番目の夏が来て人は、 ネクタイをすると体感温度が上がることがわかった。 四番目の夏が来て人は、 体感温度と…
飽くことのない人の夢が 真夏の日々の汗に消えていく 取り乱さずに言葉を吐けば 見えぬ疲れが息を詰まらす 幸せかい、こんな人混みが 楽しいかい、こんな人混みが 休む間もなく満員電車で 生暖かい風、身にくらって 夜はまだかと時を恨んで 帰るまではと体裁…
…究極の親子愛は、 死によって完結するものなのか… ああ、何度考えればすむんだろう。 所詮ドラマじゃないか。 心が繋がったんだからいいじゃないか。 手をつないだんだからいいじゃないか。 心の中で生きてるんだからいいじゃないか。 ああいう形のハッピー…
「いや、簡単なことですよ。 人に頼らないで、相手を待たないで、 まず自分からアタックしてみることです。 それで振られたっていいじゃないですか。 所詮彼とはそれだけの縁だったということですよ。 そういう場合、きっと次があるんですよ。 もしかしてあ…
甚兵衛羽織って寝転ぶと、 とろろんとろんと夜が更けて、 テレビの前で寝ています。 気がつきゃうちだけ照明が、 煌々ついておりまして、 テレビもそのままついていて、 おまけに音が大きくて、 近所迷惑になるじゃないかと、 思わず電源引っこ抜く。 その後…
昔の恋人にあったりすると、 うれしいんだけど複雑だ。 なぜか素直に喜べないのは、 古き恋への恥じらいか。 古き自分の後悔か。 充分すぎるくらい冷静に 振る舞おうとする自分の姿が 滑稽すぎてたまらない。 なぜに体裁つけているのか。 どんな自分で接した…
うどんを食べている時ふと 「うま足りない」という言葉が 頭の中をよぎった。 別にその店のうどんが まずいという意味ではない。 あと一歩でうまくなるという意味で、 何かひと味足りないのだ。 ぼくはグルメとかいう 味に神経質な人間ではないから、 どのひ…
「夜寒朝寒というのは、 確か秋の季語だったよな」 うろ覚えの知識に惑わされて、 ついつい油断してしまった。 この間夜寒朝寒の被害に遭った。 風邪を引いてしまったのだ。 夜寒朝寒は秋の季語なんだから、 六月の朝晩の寒さなんて 気にしなくてもいいんだ…
グリーンピースが大っ嫌いだ。 チキンライス、カレーライス、オムライス、 緑の豆が浮かんでいるだけで、 もう食べる気が失せてしまう。 ピースご飯なんかもってのほかで、 においだけでも吐き気がする。 何でそんなに嫌いなのかと 聞かれても説明しづらいが…
1、 真夜中にパソコンをやるといかんなぁ。 やっているうちに目がシバシバしてきて だんだん画面が見づらくなってくる。 そんなことやめてさっさと寝てしまえば、 こんなグチを吐かなくてもすむのだが、 これも長年の習慣というか、 やらないと気持ちが落ち…
観光地のお土産屋さんなどでよく タヌキのアクセサリーを見かけるが、 何が楽しいのか、その股間には 決まって紐付き金玉が付いている。 それを見ていつも思い出すのが、 1970年頃に流行した、 紐付き金玉をそのまま大きくしたような、 アメリカンクラッ…
雨の降る夜はたった一人で 蚊取り線香の光を見つめて 蛙といっしょに歌をうたうと 見知らぬ人が傘をさして通り過ぎる 街は濡れ、人は濡れ 辺りは変わり、色も濃く 遠くの船の音に魅かれて 異国の町に立っているような いま、雲の隙間を星が 瞬きより速く過ぎ…
中一の頃のぼくの称号は問題児だった。 そのきっかけとなったのはぼくが 他人のけんかに巻き込まれたことにあった。 担任はなぜかことのいきさつも調べずに、 勝手にぼくを首謀者と見なした。 あまりの馬鹿馬鹿しさにぼくは呆れて、 何も弁解しないでいると…
梅雨六月の思い出の ひとつに夜下駄の音がある。 雨が上がった夜更けの街を 二つばかりの音影が カラコロカラコロ過ぎて行く。 何をしゃべっているのだろう、 夜下駄の響く合間から、 忍び笑いが漏れてくる。 ぼくはたばこを吹かしながら、 窓から聞こえる夜…
1+1は絶対に2だと言う人がいる。 必ずしも2にはならないと言う人がいる。 どちらも必死で、 なかなか自説を曲げようとはしない。 そんなことに興味のないぼくは、 いつもそのやりとりを見て笑っている。 それが癇に障るのか、 「じゃあ、あんたはどう考…
休日になるといつも眠気が襲ってくる。 何をやっていても、 ついつい居眠りしてしまうんだ。 きっと休みで気が張ってないから、 どうしてもそうなってしまうんだろう。 いや、待てよ、 それはちょっと違うかもしれない。 だって気が張っているはずの仕事中で…
ああそうです、 出会った時はジンジンきたんです。 ジンジンきて痛いくらいだったんです。 以来あなたのことばかり想っていたんです。 それがぼくの青春だったんです。 とはいうものの、 だからどうだということはなかったんです。 だからどうだというものが…
夕方五時のサイレンが鳴ると、 無表情な砂色の工場から 工員たちが出てくる、出てくる。 同じ作業着を身にまとった 寡黙な工員たちが、 からからに乾いた道を さながら高校球児のように 土煙を上げて行進する。 すべての工員の行進が終わると、 ガラガラと門…
むかしからコミックを買う時に 同じような失敗をしている。 たとえば中学のころに揃えた 『あしたのジョー』は7巻が二冊ある。 『柔道部物語』は8巻が二冊、 『バガボンド』は26巻が二冊、 『二十世紀少年』は18巻が二冊、 極めつけは『1・2の三四郎…
現実ばかり見ていると、 理想が追えなくなってくる。 理想ばかり追っていると、 現実が見えなくなってくる。 せめては中庸のところに、 心を留めておきたいと思うのだが、 バランスを崩してつっ走り、 いつも失笑を買っている。 こういうぼくをO型人間だと…
この防災システムは災害が防げない。 このシステムは人間の理屈と災害が 一致してこそ働くシステムだけど、 一致しているというのは 実は人間の甘さに過ぎない。 災害が一線を越えてしまうと もうなすすべがないのだ。 防災システムが堅固であればあるほど、…
今年の春はあまり雨が降らず 暖かい日が多かったので、 わりと長い時間半袖を着て、 のんびりと過ごしてきた。 これから梅雨を経て夏を迎えるわけだが、 もちろんこれからの季節も半袖を着て、 のんびりと過ごすことだろう。 だけど、 のんびりと過ごせるの…
いつも通っている床屋は、 人手が足りない店なので、 いつも時間がかかってしまう。 二、三時間待たされるのはざらで、 せっかくの休みが台無しだ。 嫌なら床屋を替えればいい。 だけど、 長年利用している店だから、 人情的にそれが出来ないし、 長年利用し…
たとえば今日の仕事を打ち切る時、 「今日はここまで」と終わるより、 「明日はここから」と終わったほうが、 いい結果が出るのではないだろうか。 今日の流れが冷めないうちに、 明日の始まりをイメージ出来るし、 寝ている間に潜在意識が、 段取りを組んで…
この店の扉の隙間で、 町のいわゆる評論家と、 町のいわゆる思想家と、 町のいわゆる哲学者が、 天下国家を語っている。 実に進歩的な人たちで、 日本の悪いところを羅列しては、 おのれの文化度を自慢する。 そんな町の文化人たちも、 貰える物にはどん欲ら…
1, あなたは会うたびに肥えていく。 最初に出会った頃が一番痩せてて、 久しぶりにあった時に少し太ってて、 その後少しずつ大きくなって、 今が一番デブになっている。 腹とか腕とか部分的ではなく、 体全体に肉がついていっているんだ。 長い時間をかけ…