2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧
川が逆に流れている 自然が逆に流れている ぼくの古い記憶だと 右が山で左が海だから 川は当然右から左に 流れるはずなんだけど そこからそこまでは なぜか逆に流れている 左から右に流れている それを肌で感じた魚たちは 川の中で戸惑っている それを眺めて…
今までやったことのないことを 何かひとつやってみよう。 やり続けてみよう。 そうすれば確実に 何かひとつが変わるから。
今日は仕事で郊外に行った。 そこではもう稲刈りをやっていた。 「もう」とは言ったものの 実は稲刈りをいつやるのかを 農業になじみのないぼくは知らない。 稲刈りはコンバインに乗ったおやじさんが たった一人でやっていたのだが、 その運転のうまいこと、…
1, 髭を剃らないことを 休日の証しにしている。 だから休みの日に 髭を剃ることがあると 出勤するような気がして どうも落ち着かない。 2, 休みの日はなぜか 寝不足におちいるのだ。 明日休みだから昼間まで 眠っていればいいやと 夜中にいろんなことを …
ぼくは車で斎場の前を通っている。 今日は葬式があるらしく、筋向かいの 駐車場にはマイクロバスが何台か 止まっている。もうしばらくすると ナフタリンや膏薬のにおいのする 黒い一個師団がこの斎場から 出てくることだろう。 そしていつものごとく、通行し…
いつだったかボクらは不器用そうな 風采の上がらないヤツらに花をあげた。 どうしていいかわからないのか ヤツらはそれを口に入れた。そして 笑顔で「ともだち」と言って握手を求めた。 以来ボクらとヤツらとの歴史が始まった。 ボクらとヤツらとの「ともだ…
彼がむこうを向いているから やつらは彼をもてあそぶ 彼は芯がある人だから いつもそれなりにやっている 彼女がむこうを向いているから やつらは彼女をもてあそぶ 彼女は感謝する人だから いつも一目置かれている やつらが彼らをもてあそぶと 運命がやつらを…
1, 秋晴れ 台車に積まれた 園児たちが 街の中を 歩いている 秋晴れ 風から放たれた 鳥たちが 街の中を 飛んでいる 2, 秋晴れ 自然な人間は 平方メートルを 動き回る 秋晴れ 自然な鳥は 立方メートルを 動き回る 秋晴れ あらゆる生物が 運命の中を 動き回…
緊張感のないお腹に祝福を 基準値より高い血圧に祝福を 忌まわしい血糖値に祝福を 線の細い小便に祝福を 出の悪いうんちに祝福を 潜在する痛風に祝福を すぐに凝ってしまう肩に祝福を 痛みの蓄積する腰に祝福を ドロドロの血に祝福を いつも不安な内蔵に祝福…
さかなの小骨がのどに刺さると それがいちいち気になって 人との会話もいやになる さかなの小骨がのどに刺さると それがいちいち気になって 仕事をする気も起こらない さかなの小骨がのどに刺さると それがいちいち気になって 夢を語るのもおっくうだ さかな…
この街を走るいろんな道は どこもかしこも忙しい 毎日毎日忙しい 休む間もなく忙しい
我が家の窓に昨夜から 小ぶりの秋蝉が止まっている。 彼は一晩中鳴くこともなく ずっとずっと同じ場所で 一晩中動くこともなく ずっとずっと同じ姿勢で こちらの生活を見ている。 じっとじっと見ている。 じっとじっと見ている。
たとえ今日の自分の作品を 今日の他人がケチをつけたとしても 今日の自分はそれを壊す必要はない。 今日の自分は好きなように作るだけでいいんだ。 今日の他人が受け入れなくてもいいんだ。 明日の他人が受け入れるかもしれないんだから。 とにかくやってみ…
一つのことが始まる時とか やるべきことに追われている時に なぜかぼくは指を引っ張っている。 それで緊張がほぐれるわけでもないのに その指が気合いの元でもないのに 意味なく指を引っ張っている。 一つのことが終わった時とか やることがない時に なぜか…
とりあえず昨日を笑ってみよう とりあえず昨日を感謝してみよう とりあえず昨日を忘れてみよう とりあえず昨日には関わるまい とりあえず今日を笑っていこう とりあえず今日を感謝していこう とりあえず今日を忘れていこう とりあえず今日を集中していこう …
白い煙を吐いている この人の肺は真っ黒だ 白い言葉で飾っている この人の腹は真っ黒だ 白い衣装をまとっている この人の過去は真っ黒だ 白い帽子をかぶっている この人の今は真っ黒だ 白い靴を履いている この人の未来は真っ黒だ 白い夢を語っている この人…
男は 絶対に浮気はしません という嘘をつく 女は 絶対に嘘をつきません という嘘をつく 喫煙家は もうタバコは吸いません という嘘をつく 二日酔い野郎は 二度と酒は飲みません という嘘をつく 子供は 絶対に勉強します という嘘をつく 年寄りは わたしが若…
日差しは影を追っている 影は男を追っている 男は女を追っている 女は子供を追っている 子供は子犬を追っている 子犬は小鳥を追っている 小鳥はトンボを追っている トンボは水を追っている 水は雲を追っている 雲は風を追っている 風は大気を追っている 大気…
別に静寂が好きなわけではないが いろんな音がない方が集中できる。 ただしそれは外部の音であって 心の中では常に音楽がかかっている。 例えば、学生時代にとあるデパートで 仕分けのアルバイトをしていた時、 頭の中でいつもディープ・パープルの ハイウェ…
一年生二年生中年生 あいつが危ない おれも危ない 後ろは断崖絶壁だ だけどあえてここにいる なぜかここが落ち着くんだ えらくここが気に入ってるんだ ここに特別なものが あるわけではない 別に好きな人が いるわけでもない だけどあいつは退かない そして…
若い頃働いていた会社に 『神経』とあだ名された人がいた。 感情の起伏の激しい人で 他人を信じず、思い込みが強く いろんな面で細かい人だったので このニックネームが付いたのだった。 そんな性格が災いして、彼はいつも 周りとトラブルを起こしていた。 …
何年前になるだろうか。 ブルー・ノートが博多にあった頃 ジャニス・イアンのライブを 見に行ったことがある。 学生時代から彼女のファンで 彼女を見られるだけで充分だったのに あのジャニス・イアンがすぐそこにいて しかも彼女と同じ空気を共有しているの…
小さな丸い錠剤を 毎朝一錠飲み込んで 腹の中に収めている。 毎朝毎朝飽きもせず ヘソの下に貯めている。 おかげで人生うまくいき 健康運や家庭運 仕事運も金運も おまけにほのかな恋愛運も 滞りなく運んでいる。 滞りなく運んでいる。 小さな丸い錠剤を 鼻…
翼を広げてかっこよく 時には裸足でおもしろく この世を渡って行きたいな。 たまには弾けてみてもいい。 地に伏せ暮らしたっていい。 それが自分らしくなくっても 変な奴の称号をもらっても まったく全然構わんのですよ。 とにかく自分の殻を破って 破って、…
夏が去る秋が来る ギーギーと虫が鳴く リンリンと虫が鳴く どうしようかと人が鳴く 諸事情の虫が鳴く 秋が去る冬が来る ピューピューと風が鳴く シンシンと雪が鳴く 猫はジッと家の中 犬も子供も家の中 冬が去る春が来る ガヤガヤと人が鳴く ケキョケキョと…
女ってやつは愛くるしくて 女ってやつは顔を塗って 女ってやつは脚を染めて 女ってやつはツメも変えて 女ってやつは男をたぶらかす 女ってやつはおしゃべり好きで 女ってやつは噂が好きで 女ってやつは見栄っ張りで 女ってやつは執念深くて 女ってやつは割り…
おやおやおや、今日の月は 満月から何日か経っている月ですね。 ということは何日か前の日が 旧暦の7月15日だったわけで 本来のお盆だったのでありますね。 それならもう一度お盆休みを取って 本来のご先祖供養をやらないと。 新暦なんかでお盆をやっても…
1, 裕福でありましょう 心も体も魂も 生き方も考え方も人生も 裕福でありましょう 充分裕福でありましょう 過去も未来も現在も 現実も夢も幸せも 裕福でありましょう 実効裕福でありましょう お金だって何だって 裕福でありましょう 完全裕福でありましょ…
黄色い階段に止まってる 真っ黒カラスが口を開け ポケッと空を眺めてる 秋の青空眺めてる 悲しみ堪えて見てるのか 楽しい夢を映してるのか ポケッと空を眺めてる 秋の青空眺めてる ぼくがパシッと手を叩くと ヤツは一瞬たじろぐが そこから離れることはない …
丘に登れば ぎったんばっこん 近くに見える灰の街 遠くに見える赤い橋 夕闇迫れば 風呂屋の煙突煙を吐く 夕焼け覆う厚い雲 雲塗り潰す黒い煙 雨が降れば 砂利道に響く 下駄音一つ夜の傘 靴音混じる黒い傘 夜更けに犬が 遠吠えすれば 風に揺れてる黄電球 かす…