2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧
今日は無い日ということで よろしいでしょうか? だって実は有る日なんだけど 実際使われて無いんですから。 義母は今年八十八歳なんだけど 実は今日二月二十九日の生まれで 実際の年齢は二十二歳だ。 それでは都合が悪いということで 誕生日を三月にずらし…
かつて、唯一の道路が 線路にさえぎられているせいで 人の往来がそこで止まっている まるで窒息しそうな町があった。 最近その線路の向こう側に 大きなスーパーが建ち そこを中心として 新しい町が出来た。 古い町と新しい町の間には けっこう大きな橋がかか…
三十数年後には エレベーターに乗って 宇宙に行くことが出来るらしい。 その頃ぼくは九十歳前後だが これは是が非でも体験したい。 そして日記に書き留めたい。 とりあえずそれまでは この世にいることにしよう。 ということでこれから 生活習慣を変えるぞ。…
チャリチャリ、チャリチャリ ラーメン屋の鍵が開く。 ガラガラ、ガラガラ ラーメン屋の戸が開く。 モワモワ、モワモワ 豚骨のにおいが広がる。 ゾロゾロ、ゾロゾロ お客が並び始める カチカチ、カチカチ ああもうすぐ昼になる。 そろそろ、そろそろ ラーメン…
ぼくが居眠りしている時の話。 久しく顔を見てない人と出会った。 一見慌てているようにも見えたが しきりにこちらに手を振っているので 少しは気持ちに余裕があるようだ。 「こんにちは、お元気ですか?」 そうぼくが口に出そうとした時 その人は忽然と消え…
この言葉を伝えたくて ぼくは虫けらになって あなたの家へ出かけたのです。 だけど所詮は地を這う虫けら あなたの家は遠すぎたのです。 そのせいでぼくは力尽き 日干しになってしまったのです。 ぼくはこの言葉をあなたに 伝えたかっただけでなのです。 それ…
列車は休むことなく入ってきて 毎日毎日時間通りに発車する。 行き先は著名な温泉地だから 旅館の心配をすることもない。 あとはこちらの都合さえつけば 思い出がひとつ作れるのだ。 いつもぼくらはそのために 寒さや暑さに耐えながら 三連休や四連休を作ろ…
1, 今年がとてもとても寒いのは 体を絞ったせいもあるのだろう。 そう考えると寒さも辛くはない。 どちらかというと喜ばしい。 2, 脳の中がえらく暇だ。 いらんことを考えるくらいに 終わったことを繰り返すくらいに 暇を持て余している。 3, 世の中大…
あの日は雨が降っていた。 字足らずのスーツを着て 字余りのコートを羽織って ぼくはこの町を出たんだ。 この町の何もかもが古く思え 見知らぬ新しい町を求めて ぼくはあの日旅立ったんだ。 数年してぼくはわかった。 町に新しいも古いもないってね。 決して…
さようなら、さようなら 今日でぼくたちは卒業だ。 ここまで付き合いのなかった人や 同じ進路を歩まない人とは とりあえずこれでお別れだ。 この先会うこともないだろう。 特にクラスの違う女子たちとは 二度と会わないに違いない。 もし人生のどこかで彼女…
1973年。ぼくは高校一年だった。 この年の冬は寒かった憶えがある。 凍結した坂道で思いっきり横転し、 冷たい道の上に叩きつけられたことも 粉雪混じりバス停で痛みすら感じながら じっとバスを待っていたことも、 好きな女の子にふられた夜 吹きざらしの街…
いくら厚い雲が 覆っていても いくら黒い雲に 滅入っていても 雲の上のお天気は いつでもいつでも 晴れているのです。 誰が何と言おうとも どんな理屈があろうとも いつでもいつでも 晴れているのです。 だから明日降る雪を 気にすることはないのです。 だっ…
五十年前の地図を見ると そのあたりは社会科で習った 田んぼや畑の記号でいっぱいだ。 現在国道が走っているところは 道すらも存在しない。 現在ファミレスのあるあの場所は なんと果樹園になっている。 さて、その当時も小学校は 現在の場所に存在している…
いつもグチっているおっさんが 今日は休みだったので いつものグチを聞かずにすんだ いつもグチっているおっさんは ぼくの姿を見かけると 含み笑顔で寄ってくる いつもグチっているおっさんは ぼくにグチを聞かせると きっと心が晴れるのだろう いつもグチっ…
街角のあの人が 「あんたはいい人だ」 と言ってきたので 街角のぼくは 「ありがとう」 とお礼を言った 街角のあの人は にっこりと笑った 釣られてぼくも にっこりと笑った だけど普段のぼくは 街角のあの人に にっこり笑うような いい人ではない 愛想もよく…
今日あなたの夢を見た時 ぼくの中にひとつの感情が芽生えた。 忘れていた懐かしい感情が芽生えた。 もしかしたらあの恋はぼくの中で 眠っていたのかもしれない。 その時のままあなたがぼくの中に 眠っていたのかもしれない。 あなたのことを諦めたのは 恋が…
ぼくの友だちはダジャレが好きなので いつも人からひんしゅくを買っている。 普段は取っつきにくい顔をして 人付き合いもいいほうじゃない。 ところがあまり仲のよくない人にも 躊躇せずにダジャレを口にする。 その人はあ然とした顔をする。 だけどぼくの友…
少し暖かくなったのだろうか 今日はけっこう汗が出る。 仕事中も運動中も入浴中も 頭からポロポロと汗が出る。 「この機に体内にある老廃物を すべて外に吐き出してしまえ」 というぼくの中の神様からの 尊い尊い啓示かもしれない。 ああそうだ、老廃物すべ…
段ボール箱を開けている時 ぼくは元気な血を出した。 箱のふたの端っこが 中指の爪の下の皮膚を サッとかすったんだ。 その瞬間皮膚は熱を持ち プクッと元気な血を吐いた。 ぼくは思わず指をくわえた。 ちゃんと血液の味がする。 元気な鉄分の味がする。 切…
冬場は太股が寒いんだから ズボンの下に何かはかないと やりきれない、やりきれない 冬場は太股が寒いんだから ズボンの下に何をはこうかと 迷っているんだ、迷っているんだ 冬場は太股が寒いんだから 何かはこうとは思うんだけど 男が許さない、男が許さな…
浴槽から見て左から三列目の タイルの隙間は何なのだろう。 他は均等に並んでいるのだが なぜかそこだけ隙間が広い。 何か意味でもあるのだろうか。 家が老朽化しているのだろうか。 もしかして棟梁の手抜きだろうか。 今まで少しも気にしなかったので 今も…
ここで力一杯ジャンプをすると 丘の向こうのエントツが見える。 灰色がかったエントツが見える。 そのエントツは高いのか低いのか 今は冬が町全体に被っているので こんな簡単なことがわからないでいる。 ここで力一杯ジャンプをすると 丘の向こうのエントツ…
彼女は血液型占いの信奉者で 血液型で人を判断していた。 彼氏の血液型はA型らしく なるほど彼女の言う通り 彼氏はA型の思考をして A型の行動を取っていた。 彼女は彼に好意を抱いてから A型人間を意のままに操る術を 研究し、確立し、実行した。 彼氏は…
何が欲しいのかが言えないから 誰も何も与えようとしない。 いつまで待っても駄目だろう。 もし何が欲しいと言えたなら 誰かが何かを与えてくれる。 時間がかかってもそれはきっと。 ある時そこに気づいたきみは 遅ればせながらそのことを 実行してきたのだ…
花が不気味なものに思える時 やたらと水を飲みたくなる時 後ろに違った気配を感じる時 鏡に映る自分を見たくない時 そこに行くと息苦しくなる時 急に場が変わった気がする時 突然バシッという音がする時 あいつの顔に黒い影を見た時 白い物が目の前を横切っ…
昨日その人に会ったのなら その人は会うべく人であって 何ら無駄のない出来事だ。 もしその人と会ったことで 不快になったとしても そういうことは置いといて その人を神さまだと思ってみな。 そこからいろんなことが よくなっていくから。 今日この人に会っ…
・・・・信仰云々は別として そこに書かれているのが 本当のことであるなら それを信じるしかないでしょう。 必要ないのならそれを捨てても かまわないことですけどね。 少なくとも聖徳太子以降これが 日本人の知恵になったのであり それで日本人が形成されたの…
高校時代、ぼくは狭い狭い 三畳の部屋に引きこもって 必死にギターの練習をしていた。 宿題なんてしたこともない。 もちろん予習復習もしない。 すでに部活の熱も冷めていて しょっ中サボるようになっていた。 とにかくギター、ギター、ギター。 ギターがう…
新興住宅地にコンビニDが出来た。 その真ん前にコンビニSが出来た。 近くのバス停前にコンビニFが出来たので コンビニDとコンビニSが潰れた。 スーパーの横にコンビニSが出来た。 そのせいでスーパーが潰れた。 その跡地にコンビニLが出来た。 熾烈な…