2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧
中学のある日、昼寝をしている時に 「トントン、トントン」という 玄関のドアを叩く音が聞えた。 すぐさま起き上がろうとしたのだが 何でだろう、体がまったく動かない。 おかしいなと思い目を開けてみると 見知らぬモンペ姿の老婆が立っていた。 『誰?』と…
家の近くの小さな丘に 小さな赤い鳥居が立っている。 いつ頃出来たものかは知らないが そんなに古いものとは思えない。 ただぼくが物心ついた時には 既に立っていたので、少なくとも 半世紀は経っているということだ。 そこに何があるのかというと 鳥居があ…
世の中には実に多くの猫がいるんだから そのスペースを空けておかねばならない。 いくら人間のほうが多いからといっても 寝返りを打てないほどにスペースを 使い切っているわけじゃないんだから 車が入り込めない駐車場の隅っこや 人が利用しない公園のベン…
ここからおよそ一キロ先にある 踏切りを渡ってトコトコ行くと 小高い丘にたどり着く。そこは おそらく大昔の都だった場所で 多くの為政者がその小高い丘で このクニの政治を司っていた。 いやいや政治を司ると言っても 後世に信長たちがやったような 天下に…
耳の奥からウンウンと 聞えてくる低いこの音は 疲れからくる音なのだろうか 生きる証しの音なのだろうか 日中鳴っているのだろうか 夜中だから聞えているのだろうか 生まれた頃から聞えているのか 加齢で聞えるようになったのか 男であるから聞えるのだろう…
森を外から眺めてみると 所々桜の花が咲いている。 眺めているうちに段々と 白に近い淡紅色の花々が 初老の頭に見えるてくる。 白髪はただの老化だけど 桜の花は年度の始まりだ。 もしかしたら頭の白髪を 淡紅色に染めてしまえば 年度末から新しい年度に 人…
『まほろ駅前番外地』 先に映画を見ていて面白かったので、迷うことなく視聴決定したのだが、映画よりもずっと面白い。 ここまで放映した回は、すでに5回は見ている。 とにかくツナギ(多田)と革ジャン(行天)のコンビというのが、ぼくの青春心をくすぐっ…
十句経がすごいなと思うことは 例えば「あれをしなければならない。 嫌だ、嫌だ」と思っていたとする。 いろいろ考えるとややこしくなるので 十句経にそのことを任してしまうのだ。 任す。何も考えずただひたすら十句経を 口の中で転がしていく。転がしてい…
気がつけば、なんと私が一番の 悪者になっているではないですか。 いわゆる欠席裁判というやつですね。 いや彼ら、私の前ではぬけぬけと 「こちらが悪者になっておきましたので」 などと言うのですが、企業なんですよ。 利益にならないことをするはずがない…
遅くなったけど、昨日ようやく彼岸の墓参りに行った。 コストコオープンで渋滞を覚悟していたけど、さほど渋滞もしてなく、ちゃんと早い時間に帰ることが出来た。 『まほろ駅前番外地』、今週も面白かった。 来週最終回か。続編やってくれんかなぁ。
「ああ、仕事が見つからん」 七年前、勤めていた会社を辞めてから ぼくはけっこう長い時間個人で いろいろなことをやっていたのだが それがにっちもさっちもいかなくなり しかたなく就職を探している頃のことだ。 すでに五十才を超えていたために そうそう仕…
この人生に巣くう虫たちが 今日もペチョペチョ絡んでくる
この家の至る所に風が当たる。 その風はいい風なのだろうか それとも悪い風なのだろうか それが今の段階ではわからない。 ただここまで経験したことを いろいろ思い起こしてみると 「これはいい風なんだろうか?」 などと疑いを持って受けた風は 決まって悪…
実家との付き合い方とか 我が家のお金の使い方とか ご近所さんとの付き合い方とか 会社の人との付き合い方とか 現実問題の取り組み方とか 老後の人生への取り組み方とか 夢を実現させるための心構えとか 楽観思考のしかたとか ローカルバスの乗り方とか 負け…
今年初めての風邪を引きましてね。 鼻水が流れて止まらないのです。 原因は母親の風邪で、つまり うつされたというわけです。いや、 やることはちゃんとやったんです。 うがい、手洗い、葛根湯 この冬いろんな人の風邪菌から 身を守ってきた風邪の予防法を …
もしタイムマシンが出来たら ぜひ利用したいと思うのだが それに関してずっと昔から 不安に思っていることがある。 それはタイムマシンを使ったら 過去にしろ未来にしろ、もちろん 今いる場所に移動するはずだが 移動した時代、もしその場所が 車道になって…
今日はずっと途切れることなく ズルズルとした雨が降っていた。 気分はずっと途切れることなく 窓の外の灰色風景を映していた。 灰色気分の一日は本を読んでも 夢見ても心が晴れることはなく おまけにちょこっと寒気がして 心は灰色気分で晴れないままに 風…
そこからそこまで線を引いて いくつもいくつも線を引いて そればかりをやみくもに 覚えていた時期があった。 ただ試験のためという 目先のことだけを考えての 単純で退屈な作業だった。 線を引いた箇所はそれ以降 何の役にも立っていない。 ところがそうやっ…
以前は明日しなければならないことを 今日やることにしていた。 明日を焦らずにすむからだ。 今は明日しなければならないことは 明日やることにしている。 その余裕が今のぼくにはあるのだ。 だからといって今ぼくの人生が いい流れに乗っているわけではない…
こちらの世界で眠っている時に あちらの世界で起きている人を 無理に眠らせてはならない。 その時あちらの世界の人は こちらの世界に様々な情報を 与えてくれているからだ。 もし眠らせてしまうと 世の中がうまく回らなくなる。 こちらの世界で起きている時…
土曜の昼間はかなり暖かかった。 きっと夏日だったにちがいない。 けれども風の音が冷たく感じた。 日曜の昼間もわりと暖かだった。 車の中でぼくは汗をかいていた。 けれども空の色が冷たく感じた。 三月の上旬はいつもこうなんだ。 半袖で過ごせる日もある…
霊験に霊験を重ねていくと 霊験は霊験でなくなっていき 当たり前のことになってしまう。 ここからが分岐点になる。 当たり前のことなんだと思い 霊験を捨ててしまう人がいる。 一方でその当たり前のことをも 霊験だと信じて感謝する人がいる。 そのどちらも…
以前ある人から、カルピスが マーガリンを出していると聞き ぜひそれを味わってみたかった。 ところが、なかなか見つからない。 通販を利用しようかとも思ったが いちおうそれはやめておいた。 昨日のこと、行きつけのスーパーに 買い物に行ったら、なんとそ…
ダラダラと歩道を歩いていると 顔見知りのじいさんが向こう側にいた。 声をかけられると話が長くなる。 幸い相手は気づいてないみたいだから ぼくは手に持った携帯電話に目やり さも急いでいるふりをしながら サッサとその時間を通り過ぎた。 再びダラダラ歩…
ほら、ここにちゃんと店名が 書いてあるじゃないですか。 この地図は最新のものなんでしょ? ところが行ってみると、そこは 駐車場になっているんですよ。 そのへんを探してみたけど やっぱり何もない。それで 今日も定食を食べそこねたんです。 ああ、いつ…
木の幹に何かが 貼りついているように見えるのだが あれは鳥だろうか何だろうか 木の色に同化してはいるが それよりはほのかに黒く感じる あれは鳥だろうか何だろうか おそらく首だろうとは思うけど かすかに白くなっている あれは鳥だろうか何だろうか 本人…
今日は啓蟄じゃないですか。 だからやたらめったら顔面に 風穴あけた奴らが この公園に群がるんですね。 間口の狭い車内には 見慣れぬ蜂が入ってきましたし 駅前の空き地では 三日芝居をやってましたし もうそろそろそうなんですよ。 いい季節なんですよ。
問題は新聞のチラシにあるのではなく 問題はエントランスの噂話にあるのではなく 問題は電車内の世間話にあるのではなく 問題はネット販売にあるのではなく 問題は情報の薄っぺらさにあるのだ。 問題は企業にあるのではなく 問題はハローワークにあるのでは…
ずっと休みが続いている。 行くところもないので 外には出ずに家の中にいるのだが、 家に籠もってばかりいると 暖房費がかかってしまう。 だから昼間は暖房を入れないで ダウンジャケットなどの ありったけの防寒着を下半身に グルグル巻き付けている。 昨日…
ここからこの道を歩いて行けば ずいぶん近道になるのだけど ぼくはあえてこの道を歩かない。 別に車が多く通る道ではないし 舗装してない砂利道でもないし とくに霊が集まる道でもない。 だけど直感とでもいうのだろうか どうもこの道は気が進まない 気が晴…