吹く風

いろんなことに悩む暇があったら、さっさとネタにしてしまおう!

2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

純正の睡眠

人生のある時点からぼくは 寝つきがわるくなりまして 長い年月睡眠不足のままに 生きてきたのでありました。 もしかしたらそれが祟って 何の自覚も持たないままに 奇人変人と呼ばれる行動を 取っていたかもしれません。 そこで他人さまにご迷惑を かけてはな…

ニャオ系の声

崖の上から吹き下ろす風が 地面を激しく叩きつけては 勢いよく跳ね返ってきます。 風は崖の下に転がっている 子ねこが鳴いているような ニャオ系の声を絶え間なく ぼくの耳元に運んできます。 あまりに長い時間続くので ぼくはこの高い崖の上から 離れられな…

もう一つの家族

ぼくら家族が住むこの家には 酷く好戦的で無慈悲で野蛮な もう一つの家族が住んでいる。 ぼくらの姿を見つけるや否や きゃーきゃーと奇声を上げて はきもの片手に襲ってきたり 猛毒の液体を噴霧してきたり 時に凍死させようと試みたり こちらの息の根を止め…

そう遠くない未来

そう遠くない 過去を乗り越えたら そう遠くない 未来を語り合おう そう遠くない 時間の中だから そう遠くない 夢を語れるだろう そう遠くない いまが来たなら そう遠くない 過去の話をしよう そう遠くない いまは昔の延長だから そう遠くない 記憶をたどれる…

あの星

あの星地球に似ているんだけど どちらのほうが大きいんだろう どちらのほうが明るいんだろう どちらのほうが暖かいんだろう どんな色の空が見えるんだろう どんな星が夜をおおうんだろう どんな風が吹いているんだろう どんな花が咲いているんだろう どんな…

日影の窓

明るい日がさす建物にある 日影の窓をのぞいてごらん。 縦縞スーツに身をかためた ハゲや白髪が見えるだろう。 ヤツらはそこの住人なんだ。 いかにも真面目そうだろう? だけどハゲとか白髪とかは 真面目な人ではないんだよ。 互いの主張を日々繰り返し 味方…

タイミング

ダダダダダと雨が降りだしました。 ゴロロロロと雷が鳴りだしました。 ピカカカカと稲妻が走っています。 これから嫁さんを迎えに行こうと エンジンをかけたぼくにどうして 神仏はこの試練を与えるのだろう。 あまりにもあまりにもあまりにも タイミングがよ…

終らない恋

あの位置から見ていたからぼくは 君を好きになったに違いないのだ。 もし別の位置から君を見ていたら そうはならなかったかもしれない。 なぜならぼくは未だに君のことを 何も知らないでいるからだ。夢も 趣味も嗜好も考え方もその性格も 幸せの度合いも不幸…

尖った明日

尖った明日がやって来るからぼくらは 身をまもる準備をしなければならない 例えそれが優しい明日だったとしても 来れば必ず衝撃の痛みを伴うんだから それは針千本飲むよりも痛いんだから 油断することなく、気を抜くことなく 充分準備をしておかなければな…

生意気

・・・・・・・・・・・・・・けど、どこで 聞き覚えたのかは知らないが 草野球をやっている小学生が ぼくたちに向って生意気にも 「ヘイヘイヘーイ」だなんて 言うんだよね。当時のぼくは 一応大人の歳だったんだけど まだまだ若かったんだろうね これにカチンときてしま…

自己紹介

「神とか仏とかいうこの生命を つかさどる『何ものか』は、 生きとし生けるものに差別なく 堅実な人生を授けている。 ところがその『何ものか』の 気まぐれなのか手違いなのか 時に宝くじ一等とか超万馬券とか どう考えてもどう解釈しても 堅実な人生とはか…

この会はすでに終っている

この会場には知った顔がある。 あいつがいる。あいつもいる。 誰もが笑顔で振る舞っている。 好きだったあの子の顔もある。 だけどぼくには目を向けない。 なぜかぼくには目を向けない。 今日参加したのは他でもない。 ぼくが好きだった彼女はあの頃 ぼくの…

心がけ

「これを落としそうな気がする」 そう思った時は決まってそれを どこかに落としている。だから 「これを落としそうな気がする」時は 「これを必ずポケットに入れる」と 自分に言い聞かせるよう心がけている。 ところが「これを落としそうな気がする」時 ぼく…

風を追え

風を追え 風を追え その強情な 風を追え 追いつかなくても 追いつけなくても 必死に必死に ただただ必死に 自分を信じて 絶対信じて その強情極まる 風を追え

雑おとこ

世の中実に多くの男がいるのです 性格がいいと言われる男がいます イケメンと呼ばれる男がいます 男らしいと言われる男がいます 渋いと言われる男がいます 男が惚れる男がいます 家柄のいい男がいます バリバリ仕事が出来る男がいます 大出世している男がい…

おっさん

小学生の頃に遊んでくれていた おっさんたちは、おそらく 今のぼくより若かったに違いない。 だけどえらく老けて見えていたものだ。 そのせいなのかどうかはわからないが 随分としっかりしていたものだった。 だからぼくは今の自分を おっさんだと認めていな…

コーヒー

コーヒーは焦げた水だ 味もかおりもその色も かなり深く焦げている おかげで体が熱くなる おまけに息も熱くなる それに釣られ汗が出る 汗の臭いも焦げている コーヒーは焦げた水だ かなり深く焦げている

時代の引きこもり

なあに、 何も変わりはないんだよ 昭和だって平成だって 多少表現が違っているだけで 基本は同じ日本の国なんだから 心配はない。大丈夫なんだよ そんなに青ざめた顔をせずに そこにある昭和から ここにある平成まで さあ、飛び込んでおいで

ローカルルール

広場の隅からその家までは 公式だと本塁から三塁位の 距離しかないにちがいない。 だけどぼくたちのボールは なかなかその家に届かない。 だから学校から帰ると毎日 右利きのヤツは力まかせに 左利きのヤツは窮屈そうに 重たいバットを振りまわし 左方向のそ…