吹く風

いろんなことに悩む暇があったら、さっさとネタにしてしまおう!

2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧

天上の空はいろいろ

天上の空はいろいろに色づいて 時間を経ていろいろに色づいて いろいろの色は明日に繋がって 見下す街をいろいろに繋がって いろいろの色は無限に広がって 気流に乗りいろいろに彷徨って いろいろの失敗にめぐりあって いろいろの不安にめぐりあって だけど…

約束の今日

慌てて飛び乗ったその電車は 夏休みだけの臨時列車だった その臨時列車だと駄目なんだ 定期列車でないと駄目なんだ 臨時列車は山奥に向かうんだ そこで彼女は待ってないんだ 彼女は海辺で待っているんだ 臨時便はノンストップだから 途中で降りることが出来…

現状の風

現状の風 速く強く 夢を追う 暇もなく 捕まえる 術もなく 現状の風 速く強く 現状の風 痛く辛く 入り込む 隙間なく 身を弾き 胸を突く 現状の風 痛く辛く 現状の風 軽く重く 着飾った 女が誘う 騙された 男が嘆く 現状の風 軽く重く 現状の風 遠く高く その…

成長

禿とか白髪の人を見ては その人が老化していると 決めつける人がいる。が 禿や白髪は成長であって 決して老化とは言わない 老化というのはカラダの 成長を老化と決めつける 固執した心のことをいう

夜を夜に返してあげよう

夜を夜に返してあげよう 文明を象徴する明るさが 未来の文明を作っていく 子供の夢を邪魔している 夜を夜に返してあげよう 夜を夜に返してあげよう 恐怖を与えない明るさが 昔からの妖怪を滅ぼして 新たな妖怪を生んでいる 夜を夜に返してあげよう 夜を夜に…

六本足哀歌

どのくらい時が過ぎたのだろう 気がつけばぼくはこの家の中を 六本足で歩きながら生きていた。 戸棚の裏に巣をかまえて暮らし お腹が減った時にだけゴソゴソ 食べ物のある場所に歩いて行く そういう生活を繰り返している。 戸棚裏の巣の中は優しい家族に 囲…

根性という壁

そこに行くためには根性という 高い壁を越えなければならない。 その壁越えはえらくやっかいで 根性という言葉を好む人種には 不可能なことだと言われている。 なぜならその人達はその言葉を 崇高なものと思っているからで そこに人生をかさねたいからで 『…

節目節目

今迄生きてみて今回の人生が 面白い人生とは到底思えない。 前回の人生がどうだったのか まったくおぼえていないので 比較をすることはできないが 面白くない人生には違いない。 理由は簡単でその節目節目に 面白いことがなかったからだ。 人生ここまでの節…

老いた野良猫

老いた野良猫尻尾を振って 南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏 不安な心でいるのだろうか 願を掛けているのだろうか ご先祖さまの供養だろうか それともあの世のため息か 老いた野良猫後光が差して 南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏 お盆過ぎても彼岸過ぎても お寺さんでもお…

三人の天使

マサトくんは貝がら天使だ。 貝がらのように口を閉じて 時折白んだ舌を見せている 身の振舞いも貝がら天使だ。 貝のようにからに籠もって 仲間で動くことを拒むんだ。 ヒロトくんはラクダ天使だ。 ラクダのように口を動かし ラクダのように緩慢に動く。 ヒロ…

昭和52年

幼虫から成虫への成長の途中に 虫達はがんじがらめのサナギの 時間を経験するものだが、実は 人間にもサナギの時期があって ぼくのそれは昭和52年だった。 受験失敗で幕を開け祖父の死去 就職活動するもうまくいかない。 だんだん外に出るのが怖くなり 部…

77年秋

彼女の魅力にだまされるなよ 彼女の色気にだまされるなよ 彼女の細い腕にも長い脚にも 媚びるように見上げる目にも 心をくすぐるやや低い声にも うれいに満ちた息づかいにも 彼女の全てにだまされるなよ 彼女はいつも悪意を放射する いけしゃあしゃあと放射…

宇宙さん

この宇宙の外には別の宇宙があって 手を繋いだり騙したり会話をしたり 無視したり仲間でいたり傷つけたり 新たな宇宙を生んだり育てたりして 宇宙のコミュニケーション体である 大宇宙を形成している。さらにその 大宇宙の外には別の大宇宙があって 大コミュ…

ケロケロ人生

ケロケロ人生重ねていけば いつかは手が出る足が出る それまでしばらく我慢して ここで静かに泳いでなさい 手が出て足が出たあとには 陸での暮らしもできるから 今は生き急がずに焦らずに ここで静かに泳いでなさい 陸の暮らしを重ねていけば 本当の恋に出会…

空が雨雲を脱いでいる

空が雨雲を脱いでいる ぶ厚い雲を脱いでいる 湿った体を乾かす様に 青い素肌を陽にさらす 空は乾いた青い素肌を 赤い化粧で染めていく こよい宴に出かけんと 赤く素肌を染めていく 空はその身を染めた後 黒いドレスを身に纏う 小さな光を散りばめた 黒いドレ…

いい財布

いい財布が欲しいのてす いい財布が欲しいのです 札束たくさん入れてても カードを一杯挿してても それでも全くかさばらず 薄くて軽くてやわらかく 盗られにくく落ちにくく スマホサイズと一致して 風水にかなった色をして 勝手にお金が増えていく そんな財…

あの手帳

あの手帳は小ぶりで書きやすく けっこう重宝していたんだけど 「やはりあの手帳捨てたんかな」 どこをどう探しても見当らない 探しても探しても見つからない あと二冊程残っていた。そんな 印象が頭に残っているんだけど 「やはりあの手帳捨てたんかな」 ど…

最期

日が暮れて部屋の灯りがつくと 彼らはマンションの六階にある 我が家の窓を目がけ飛んでくる。 そして網戸に必死にしがみつき 力いっぱい声を張り上げている。 どうやらわずかに残った人生を ここで過そうという魂胆らしい。 だけど老いさき短いセミたちよ …

騙されないぞ

家の前のバス停からバスが停まる 「キー」という音がする。続けて 「プー」というドアーが開く音と 「お待たせしました」という声だ。 ぼくはその声に軽く目を覚ました。 「始発かな。もう五時になるのか」 と、なにげなく時計を見てみると まだ二時を何分か…

三つ子の魂

ぼくの枕の位置から南東の 2キロ離れた場所にかつて 国鉄貨物駅があったのです。 普段はまわりの工場の音に かき消されていたのだけど 夜更けになると汽車たちの 車輪の音やら汽笛の音やら 程よく聞こえてきたものだ。 幼い頃、子守唄の代わりに その音を聞…

カラカラと

カラカラ暑い夜である カラカラ熱い汗が出る 時折夜風は吹くけれど 汗拭き拭う風じゃなく 水分補給も致しません カラカラ暑い夜である カラカラ熱い道である 涼しげな夏用の靴下も なぜか臭くなるだけで ここでは無用の長物だ カラカラ暑い夜である カラカラ…

蠍座直感

せっかく書き上げた日記なのに なぜかすべてが消えてしまった 夜中も朝方もいじってないのに 何もかもがいなくなったんだよ もしかしてこれが朝方の占いで あなたが自信ありげに語ってた 上昇気流というものでしょうか 内容はおぼえているはずだから また一…

ご時世

毎朝六時に鳴るお寺の鐘が たまに聞こえないことがあると 住職は愛人宅にいるのかなと 一応疑ってみるご時世です 近所に住んでるお年寄りの姿を 二、三日見かけなかったら 死んだのではないのかと 自然に思うご時世です 昔からある街の本屋が 何日か休んでい…

この夏の不快さの原因

夕暮れになるとこの街に 焼肉の臭いがやってくる。 そして肉の飛び散る脂も においと共にやってくる。 熱風に乗ってやってくる。 肌にしつこくベタベタと 更にしつこくベトベトと 上半身にまとわりついて 下半身にまとわりついて 下着の中まで染みついて。 …

夏は団扇だ

ぼくがトイレに籠もろうとすると 嫁さんが「トイレの中は暑いから 団扇を持って入ったほうがいいよ」と言う。 そしてどうしてこれだけ文明の発達した 今の世の中にトイレのエアコンがないのか と言って一人で怒っている。 そんなことはないだろうと思って 調…