車を運転していて怖いのは、 夜の歩行者の飛び出しだ。 子供や年寄りが飛び出すのではない。 ウォーキングに励む中年男女だ。 自分のペースを乱されるのが嫌なのか、 青になるのを待とうとしない。 これなら違反にならないと、 横断歩道の手前を歩く奴もいる…

この間大雨をもたらした雲の軍団が、 ゆっくりと南の方へ流れていく。 手に届くような低い所を、 まるで人を馬鹿にしたように、 ゆっくりゆっくりと流れていく。 あの雲の軍団を、 掃除機で吸い取ることが出来たら、 どんなに気が晴れることだろう。 ま、そ…

うちの近くのお寺では、 朝晩六時が近づくと、 ゴーンゴーンと鐘が鳴る。 いつもそれを聴くたびに、 一休さんを思い出す。 ゴーンゴーンと思い出す。 あわてない、あわてない…

「めっきり涼しくなりましたね」 まさかこの時期に この言葉を聞くとは思わなかった。 昼間はまだ暑く、 日が射せば汗ばむのだけど、 夕方にはいつも雨が降って、 一気に気温を下げてしまう。 すると辺りはすっかり秋のにおいで、 ついつい「秋刀魚で一杯」…

もしかしたら冷夏なのかもしれないが、 一年中で一番暑い季節なのは間違いない。 だけどいくら暑いからといったって、 いくらのどが渇くからといったって、 空の上はアイスクリームではないのだから、 ペロペロなめるのは勘弁してほしい。 いやしくよだれを…

三年後に金環日食が見えて、 二十六年後にまた皆既日食が見えて…。 ぼくは理科が苦手なのでよくわからないが、 これってみんな計算で割り出すんだったな。 大昔の人がそれを知ったら、 きっと大騒ぎしたことだろう。 なぜなら彼らにとっての天変地異は、 王…

三年後に金環日食が見えて、 二十六年後にまた皆既日食が見えて…。 ぼくは理科が苦手なのでよくわからないが、 これってみんな計算で割り出すんだったな。 いにしえの占い師が亀の甲羅を焼き、 命をかけて不完全な結果を求めていたのに、 今はその知識さえあ…

見おろせば遙かな海が見える 南の国にぼくはやってきた 風にのって降りてみようか もっと空を飛んでいようか この街はパイナップル通り 見れば街は人だかり うん、一つ買ってみようかな だけどそれほどお金もないしね 汗が流れてひと泳ぎ やけどの砂で甲羅干…

午後から降り出した雨は、 一変波打つような豪雨となり、 二十メートルより先の世界を、 完全に隠してしまった。 そこから徐行運転が始まった。 おまけに道路は水浸しで、 水はけの悪い幹線は、 流れの急な川へと変貌した。 ドッドッドッドッドッ、 水の中を…

いったいオレは何のために生まれてきたんだろう。 気がついた時には卵の中にいて、 そこから必死に這い出した。 初めて土に身をさらした時は痛かったけど、 それもじきに慣れていった。 食べ物には困らなかったな。 そこにあるもの何でも口の中に入れていっ…

高校三年の夏休み、 ぼくらはドラムのセットを抱え、 田んぼのあぜ道を歩いていた。 空には一片の雲もなく、 午後の日差しが頭をめがけ、 容赦無しに降り注ぐ。 ジージーワシワシ樹木の蝉と、 ギーギーギッチョン草むらの虫が、 だらしい暑さのリズムを刻む…

これでもか、これでもか、 これでもか、これでもか、 これでもかと雨が降る。 辺りは水煙で真っ白だ。 普段は人通りの多い昼日中、 今日は誰も歩いてない。 これでもかっ、これでもかっ、 これでもかっ、これでもかっ、 必死になって雨が降る。 水不足が深刻…

夜に目が覚めると、なぜか眠れなくなるんだ。 別に仕事のことを考えているわけでもなく、 頭に嫌な奴のことを描いているわけでもなく、 気持ちが神経質になっているわけでもない。 眠たくないのではない、気持ちは眠たいのだ。 きっと体や心のどこかに、 睡…

風呂場の窓に貼り付いた 小さな小さなカベチョロが、 一丁前に虫を追う。 仏頂面をひっさげて、 幾何学的な目を剥いて 一丁前に虫を追う。 感情なんて欠片も見えない 小さな小さなカベチョロだけど 歩き方が愛くるしくて その指先がかわいくて ついつい笑み…

元来エアコンが苦手なぼくは、 汗のしたたる温度になろうとも、 肌のベタつく湿度になろうとも、 自然の状態のままに過ごしている。 自然だからといって何もないわけではなく、 たまに夏バテくらいはすることもある。 だけどそれも一日限りで終わることで、 …

ゲリラだ何だと言われた梅雨も 一夜明ければ蝉時雨 ミンミンワシワシ蝉時雨 朝から晩まで鳴いている 必死になって鳴いている。 自民・民主は角突き合わせて わしらが第一党と叫んでいる 朝から晩まで汚れた歯を見せ ミンミンワシワシ蝉時雨 必死になって叫ん…

夏のある日、 携帯電話の向こうにいる友人と 思い出話にふけっていると、 自転車に乗った二人の女子高生が 笑いながら目の前を過ぎて行った。 夏がよく似合う年頃なんだろう、 制服の白が太陽の光を浴びて えらくまぶしく見えている。 あの子たちにもきっと…

晴れた日が続いてるんだから、 完璧な夏空になってるんだから、 入道雲が出てるんだから、 夕立だって降るんだから、 ワシワシも鳴いてるんだから、 スイギッチョンと言ってるんだから、 朝から晩までクソ暑いんだから、 日差しが痛く感じるんだから、 涼と…

『この人とはいっしょにやりたくないな』 仕事などをやっている時、 ふとそんなことを思うことがある。 そういうふとした思いというのは けっこう将来に繋がっていることが多く、 もしそのままの状態を続けたりすると、 いつか嫌な思いが先に立つようになる…

ここまでの人生、 ぼくは惜しみもなく 支出ばかりに重点を置いてきた。 おかげで収支のバランスは崩れたままだ。 しかも支出は増え続けていく一方で、 この先のめどさえ立っていない。 だけどぼくは諦めているわけではない。 どちらか一方に重点が置かれたま…

ゲリラ豪雨が降る時には 決まって「わあわあ、きゃあきゃあ」と 騒ぎ声や笑い声が聞こえてくる。 きっとあれは天上界からで、 ＣＳ放送を盗み見している カミナリ様の子どもたちが、 ドリフの大爆笑だとか ひょうきん族だとかを見て、 騒いだり笑ったりして…

その日暇であったなら、 たとえば昔の恋人なんかが 長崎あたりに住んでいるので、 そこまでちょこっと車を飛ばして、 稲佐山の一番空に近いところから、 感情込めて、大声上げて 「バカヤロー」と叫んでやるんだ。 それで何かが変わるわけでもないが、 嫌な…

草むらで鳴く虫の音は 残暑のだるい昼下がりの 風物詩だとばかり思っていたが、 どうもそうではなかったようだ。 梅雨の明けぬこの時期も しきりにぎぃぎぃ鳴いている。 おそらく秋の半ばまで ぎぃぎぃ続けていくのだろう。 何でぼくはぎぃぎぃが 残暑の風物…

ダンス、ダンス、ハゲダンス ダンス、ダンス、ハゲダンス ミッツ、ミカヅキ、ハゲダンス ヨッツ、ヨコチョノ、ハゲダンス 立派なもんだな先生たちは ちゃんと基本ができていて ステップひとつ狂わない イツツ、イッパイ、ハゲダンス ムッツ、ムコウニ、ハゲ…

‥‥、‥‥、 麻生、鳩山、支持率、解散、総選挙 麻生、鳩山、支持率、解散、総選挙 正日、正雲、ミサイル、ミサイル、後継者 正日、正雲、ミサイル、ミサイル、後継者 麻生、鳩山、支持率、解散、総選挙 麻生、鳩山、東国原…？、解散、総選挙 正日、正雲、ミサ…

明日の健康診断のために、 二、三週間前から、 朝のジュースを抜き、 昼のうどんを抜き、 夜のビールを抜いている。 ジュース抜きは血糖値対策で、 うどん抜きはメタボ対策で、 ビール抜きは尿酸値対策だ。 そうそう視力も低下気味だから、 視力回復のマッサ…

何気なくやっていることが、 次に起こることの伏線になっていることがある。 以前車を運転している時に、 ふと「そういえばこの場合、 ミッション車だったらこうするんだったな」と 考えながら運転していた。 すると程なく車が故障して、 修理に出す羽目にな…

－おまえは何をしおるか わしは献金をしておるぞ －なんでそんなことをしておるか 神がそうせいと言うとるからじゃ －言っているのは人ではないか 人を介して神が言っておるぞ －えらく貧乏しておるではないか 無駄な金を遣わぬだけじゃ －そんなに神が大切…

「イモ！」 怒った顔をして女が叫ぶ。 この女はさっきから、 芋焼酎ばかり頼んでいる。 他に飲み物がないのかと思わせるほど、 一途に「イモ！」を飲んでいる。 話を聞くとこの女、 鹿児島の短大を出ているそうで、 それで「イモ！」かと合点した。 そろそろ…

…昔はねえ、 動物たちがここに集まって、 オシッコをかけたり、 ウンチを置いたりしていったもんですよ。 それで私らは生きてこられた。 ところが人間たちが幅を利かすようになってから、 どんどん栄養が足りなくなっていったんです。 それでも犬や猫が時々…