吹く風

いろんなことに悩む暇があったら、さっさとネタにしてしまおう!

2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

冬眠

ヘビやカエルや熊などが 日常の生活で味わう苦労を 人間であるぼくは知らない。 ただ寒い寒い寒いこの冬を 静かに眠っていられる彼らが うらやましくてならない。 嫌で嫌で嫌でたまらない冬を 本能がパスしてくれるのだから。 その間彼らがいったい何を やっ…

節分の夜は

節分の夜はグラスを片手に 春の訪れを祝おう。たとえ ウエイトの乗った右フックを 左のこめかみに受けたとしても、 研ぎ澄まされたアッパーを 脆いアゴに受けたとしても、 やつの渾身のストレートを みぞおちに受けたとしても それが原因で食事がのどを 通ら…

気合いの三十六連発

気合いの三十六連発を 前頭葉にそっと潜ませ あいつやあいつを欺きながら 冬の街を歩いている 気合いの三十六連発を 前頭葉でひっそり構えて あいつやあいつに照準を 合わせながら歩いて行く 気合いの三十六連発を 前頭葉から一つ撃ち あいつやあいつを穴に…

午後7時半の日常

三時間前、遅い休憩を取って 冷めた昼飯を食っていた。 二時間前、食事を終えて 次の目的地に向かっていた。 一時間前、よそ行きの顔して 奴らと話していた。 そして今、風呂に入って そのことを思い出している。 一時間後、再びよそ行きの顔して スーパーで…

さてようやくここまで来けれど この重そうで軽そうな扉は いったいどうやれば開くんだろうか。 押すんだろうか引くんだろうか。 待っていればいいんだろうか。 呼べばいいんだろうか。 叫べばいいんだろうか。 叩けばいいんだろうか。 叩き続ければいいんだ…

転校

昭和44年1月のある日、 5時間目の体育の時間に 彼女は一人で泣いていた。 走りながら泣いていた。 その涙が何を意味しているのか その日のぼくにはわからなかった。 その日のぼくにはわからなかったが なぜか無性に悲しくなった。 なぜか無性に泣きたくな…

あぶりだし

レモンの汁を絵筆に取って 「好き」という文字を書いてみる いつか文字はあぶり出されて あなたのもとへ駆けていく この気持ちあの気持ち あぶりあぶられ恋になる りんごの汁を絵筆に取って 「嫌い」という言葉を書いてみる いつか言葉はあぶり出されて あな…

自己霊

あっちに行こうとすると こっちに引っ張られる。 こっちに行こうとすると そっちに引っ張られる。 自分の意思ではないのに と、思いながら世の中や 他の人たちを恨んでいる。 だけどね、違うんですよ あっちに行こうとすると 「こっちの方が面倒がない」 こ…

怪しい車

深夜のスーパーに行くと 多くの車が止まっている。 もちろん昼間よりは少ないが 深夜でこれなら大盛況だ。 ところがスーパーの中に お客さんはあまりいない。 どういうわけなんだろう。 道を隔てた向こう側には 大団地が控えているのだが、 その団地の人が車…

同窓会

かつて高校の同窓会に参加した時に 担任の先生が登場したことがある。 頑固な先生だったがそんな先生ほど 生徒の心に残っているのだろう 割れんばかりの拍手をもらっていた。 担任とは色々ないきさつがあり ぼくは無視を決め込んでいたのだが 友人が何度も「…

もう一人の自分

ぼくの中に もう一人の自分がいる。 生まれた頃から文字通り 一心同体でやってきたのだが、 自我の芽生えとともに その存在は薄れていき、 そのうち自分は一人っきり だと思うようになった。 とはいえ忘れているだけで 意識の底ではちゃんと その存在を自覚…

美学

若い頃に馬鹿やって 三十四十で落ち着いて 五十六十でいっぱしの 人生論者になり果てる そんなの全然美しくない。 目立たず大人しく年取って 不良やるのは三十四十 夢語るのは五十六十 年を重ねていくごとに 弾けていくのが美しい。

その花返しておくれよ

その花返しておくれよ その花返しておくれよ このまま放っておいたら 枯れてしまうだろうから その花返しておくれよ はっきり言ってあんたらの 貧弱な頭で描くその未来では うまく花をイメージ出来ない だから返しておくれよ その花返しておくれよ あんたら…

世の中寒げに

世の中寒げに息しておりまして 街の景色を濁しております。 少し白げな大気の中に 人の会話が見え隠れして 巷の噂になっております。 私めはまだ冬眠中でありまして そんな巷の噂なんて 関心のない日々でして 巣を出た折りに何しようかと この巣の中で思って…

おれたちの時代は

おれたちの時代は いつも風が吹いていた 自由の風と夢の風と きな臭い風と愛の風と その時々に風を追い その時々の風に乗り 数多くの人たちが 空の中に舞い上がり 空の彼方に消えていく おれたちの時代は いつも風が吹いていた

今日の占い

毎朝8時5分に家を出る私にとって 毎朝7時58分から始まる今日の占いは 気忙しくて、鬱陶しくて、気が重い。 これで最下位にでもなろうものなら それが一日の重しとなって 最悪な一日になり果てる。 だから耳を塞いで、歌などうたって 聞かないようにして…

人生詩漬け

笑うも詩 泣くも詩 怒るも詩 怖れも詩 好きも詩 嫌いも詩 おれも詩 おまえも詩 男も詩 女も詩 夢も詩 現実も詩 健康も詩 病気も詩 怪我も詩 死ぬも詩 我慢も詩 諦めも詩 生活も詩 性格も詩 感情も詩 行動も詩 人生詩漬け の毎日だ

楽しみ

幼い頃は毎日 遊びの中にあったから それが生活のすべてだったから きっと楽しかったんだ 学生の頃は毎日 好きな人に会えるという 思いでいたから きっと楽しかったんだ 社会に出た頃は毎日 夜の街にいいことが 落ちているような気がして きっと楽しかったん…

あなたがかつて付き合っていた人は ぼくの仲のいい友だちだったし すごくいいやつだった。だから 彼からあなたを奪おうなんて 気持ちがまったく起きなかった。 あなたがお嫁に行ったあの人は あなたが選んだ最良の人だし すごくよさそうな人だ。だから あの…

1月11日午前9時15分

とりあえず今日は休みで 午後から買い物に行く予定だ。 今は何をしているのかというと 風呂に入っている。浴室には いつものように本を数冊 持ち込んでいるのだが今日は それらを手に取ることもなく ずっと考えごとをしている。 風呂から上がってから 買い物…

JAN

「JAPAN」と書いて ジャパンと読む人たちと ヤパンと読む人たちがいる。 世界には「JA」と書いて 「ジャ」と読む民族と 「ヤ」と読む民族が いるということだ。 ということは同じ意味合いのある 東日本の「じゃん」と 西日本の「やん」を 正しいロー…

ひとつの鍵

やつらが見張っているので ここから抜け出すことが出来ない。 そう信じて生きてきたぼくは 長いこと行動を制限されていた。 ところがこの頃になってそれが 間違いだったことを知らされた。 ここを抜け出すためには ひとつの鍵が必要だったのだ。 それを手に…

小川と組んで

悪友の小川と組んで もう十数年が経つ。 彼といっしょに色々な場面で 馬鹿をやってきたおかげで 彼の人となりついては充分 わかっているつもりでいる。 とはいうものの、まだまだ わからないことも多々ある。 この間の正月休みに、彼の いったい何がわからな…

今日の糧

そこからここまで切り取って 今日の糧にするんです。 捨てるところなんてありません。 無駄なところなんてありません。 何もかもを食べるんです。 みんなみんな食べるんです。 毎日毎日生きてるんだから 毎日毎日おいしいんだから。 バッサリ一日を切り取っ…

夢の中では

ギターの弦をニッパーで 一本一本切っていく。 最初は一弦、次に二弦、 それから三弦を切っていく。 いったん六弦にいき、 下に戻って四弦を切る。 そして最後はというと 残しておいた五弦を切る ―のではない。いつもそれは そのままにしておくんだ。 それに…

考えなくていい

考えている。考えている。 神経費やして考えている。 だけど何も浮かばない。 だけど何も落ちてこない。 どうしていつもこうなんだ。 どうして・・、いやいや待てよ。 何も浮かばないわけではない。 何も浮かばないということが 浮かんでいるではないか。 何も…

今年の誓い

初詣に行ったあとから ちょっとのどがむず痒くなり、つい いかん風邪かも知れんと思ってしまった。 すると体が風邪みたいな状況に陥り ぼくはあわてて葛根湯を飲んだ。 そして何度も何度も「何ともなくなった」 と思っていたら本当に何ともなくなった。 レコ…

夢顔

あいつは夢顔をしている。 目にその相が出ている。 遠くばかりを見つめている。 いつもため息をついている。 突飛なことを口走るんだ。 生活感を感じないんだ。 何もかもがうつつなんだ。 フワフワとしたやつなんだ。 あいつは夢顔をしている。 目にその相が…

平成24年の元日

どうやら曇っているようだ。 と白い意識の中で思いながら いつもの時間に目が覚める。 いつものように疲れた腰を かばいながら起き上がる。 軽く頭を振ってみる。 夜中の痛みが消えている。 昨日の酒は残ってない。 昼から実家に行く。 その途中神社に寄る。…