吹く風

いろんなことに悩む暇があったら、さっさとネタにしてしまおう!

2018-01-01から1年間の記事一覧

透明人間

六十代で人生を諦めている友がいる。 もう終活でもやっているのだろうか、 世の中とは真逆の方向を歩いている。 世俗のことは他人任せになっていて、 何かに取り組む姿勢が見えてこない。 否生きる姿勢が見えてこないのです。 常に下を向き薄笑み浮べトボト…

勘違いしてはならない

勘違いしてはならない 我々生物は神の体内に 寄生するミクロの菌だ 故に神は意識しないし 愛を向けることもない 時に神が無慈悲な目を 我々生物に向けるのも 意識の外にあるからだ 勘違いしてはならない

ぼくとあの人

ぼくとあの人はある時期 相思相愛だったんだけど おたがいに意識しすぎて 構えすぎて、考えすぎて 縁のない人になりました ぼくとあの人はある時期 相思相愛だったんだけど それを知らずにきたので 片想いという認識を基に 今の人生は作られました ぼくとあ…

象が踏んでも壊れない

かつて『象が踏んでも壊れない』という筆入れがあった。 テレビのコマーシャルでは、実際に象が踏んでいる映像が使われていた。 しかしそれは象が踏んでいるというよりも、足を乗せているだけにしか見えなかった。 高校一年の時だった。 CMから数年経って…

ある日の夢

ある山の頂に布団を敷いて ぼくらは睡眠をとっていた 粉雪が降り続いてはいるが 薄日が射してなぜか暖かい ふと布団の外を見てみると その一面を花が覆っている 冬のある日そんな夢を見た

床屋と人生相談と

床屋に行くと、いつもラジオがかかっている。 普段はパーソナリティのトーク番組をやっているのだが、今日は少し遅い時間に行ったためすでにトーク番組は終わりかけていて、ぼくが髪を切り始めてから間もなくして、次の人生相談が始まった。 ぼくはこの手の…

神経質

昨日の朝、職場に行くと「XXさんから電話が入ってました。折り返しお願いします」というメモが貼ってあった。 そこでさっそく電話をかけようとしたのだが、部署に一台しかない電話は、隣の部署のY子ちゃんが使っていた。 仕方なく電話は後回しにして、他…

進化

角質化した肌がポロポロと 剥がれて落ちていくように この人生も知らないうちに 剥がれ落ちているのだろう。 例えば体力がなくなったり 物忘れがひどくなったりだ。 人はそれを老化で片付ける。 だけど剥がれた肌の跡には 瑞々しい肌が生まれてくる。 決して…

腹から歌を生みましょう

腹から声を出しましょう 腹から歌を生みましょう 歌とは従来そんなもので 口先だけで唄ってみても 伝わらないものなのです もしも歌だけであの人を 振り向かせてみたいなら 腹から声を出しましょう 腹から歌を生みましょう

生きている

神の前で宗教を必要とする ヒトが体を曲げ祈っている。 その横で宗教を不要とする ネコが体を曲げ毛繕いする。 おたがい懸命に生きている。 ヒトは安らぎを得るために 必死に神や仏を求めている。 ネコは安らぎを得るために 必死に肉や魚を求めている。 おた…

朝の不安

朝に不安を感じた時には 不安の素をひとつひとつ 心の熱で溶かしていって 一滴残らず飲み込んだら 残尿感が残らないように お手洗いで流しましょう 力いっぱい流しましょう 流して終了させましょう

来世の夢

前世の場面を夢に見ることがある。 現世の夢よりも少し煤けた背景で 言葉遣いや服装がどこか古くさく そこに懐かしい感情が加わるので それが前世のことだとわかるのだ。 夢に出てくる場面はいつも同じで 特殊な大事件や事象などではなく ありふれた生活風景…

修学旅行

峠を越えていくバスの中 ぼくらは歌を唄っている 何という歌か知らないが バスガイドのあとを追い 懸命に声を合わせている 窓の外は青空に包まれた 晩秋の風景が続いている なのにぼくらは窓の外を 見ることなしに前を向き 必死に声を合わせながら 知らない…

昨日ランド

昨日ランドに迷い込んだら なかなか今日に行けなくて そこに一泊しているからか なかなか今日が明けなくて ほのかに光る月の明かりは 昨日の夢ばかり照らすんだ 昨日ランドに迷い込んだら なかなか今日が目覚めない

夢判断

あの日運命が昼休みの時間を 五分だけ延ばしてくれてたら いくつになってもぼくたちは 世間をまったく気にしないで 微笑ましいキスができる仲に きっとなっていたに違いない。 その悔恨がつのってつのって 彼女とキスをする夢になった。 実に微笑ましい夢だ…

星占い

蠍座のぼくは魚座の人と とても相性がいいんだと 星占いで読んだんだけど、 魚座生まれという女子を 好きと思ったことがない。 今でも魚座のきみのこと 好きとも何とも思わない。 蠍座のぼくは蟹座の人と とても相性がいいんだと 星占いで読んだんだけど、 …

カナ子のウソ

カナ子のウソが飛んでいるから 大きな羽を広げ飛んでいるから はるかかなたに飛んでいるから ぼくたちは手を出せないでいる カナ子のウソはカナ子の中では 本当にあったつらい物語だから 事実を超えた悲しい物語だから ぼくたちは手を出せないでいる カナ子…

草色の思い出

七つの風は草色の思い出 草の生茂った原っぱの中 スネに切り傷負いながら 必死に蜻蛉を追っていた 十一の風は泥色の思い出 場末のぬかるんだ空地で ポタポタ汗をかきながら 白いボールを追っていた 十三の風は雲色の思い出 陽の当らない校庭の隅で バレーボ…

ノルウェーの森

クルマのエンジンをかけると スピーカーからビートルズの ラバー・ソウルが流れてきた。 ビートルズのアルバムの中で 一番好きなのはと聞かれたら ぼくはこのアルバムだと言う。 特に深い思い出はないのだが ただなんとなく心地いいのだ。 軽快なベースの一…

メガネとカバン

昨年カバンが欲しくなった時期がある。 それまでカバンには余り興味がなくて 以前買った安物を使っていたのだけど なぜか無性にいいものが欲しくなって いくつかカバンを手に入れたのだった。 今年の対象になったのはメガネだった。 これまでメガネとの縁が…

寅の話

ここまでの人生を振り返ってみると、 74年と86年と98年が特に良い。 気力が充実して運の巡りも良かった。 実はこれらの年は全て寅年なんです。 陰陽五行では寅は木の性なんだとか。 占命術ではぼくの用神は木だという。 やはり何らかの影響があるのだ…

1973年秋

教室の中のきみしか知らない どんな家庭で育ってきたのか どういう幼少時代だったのか どういう家に住んでいるのか どういう食べ物が好みなのか 教室の中のきみしか知らない どういう服を好んで着るのか どんな友達と遊んでいるのか どういう会話をしている…

田んぼと電柱

線路沿いの小道で昨日の子供達が 手を振りながら汽車を追っていく。 運転手のおじさんはそれに答えて 汽笛を鳴らし煙を噴かしてくれる。 田んぼと電柱の他に何もなかった 田舎町の小さな思い出であります。

今日の風は

今日の風は何一つ不備がなく 列を乱さずに吹いております。 感情を荒立てない程の風速と 気分を害さない程の温もりで 今日の情緒を与えております。 いつも不備だらけの風なので 今日はみな安心しております。

ドツボ

そこに行ったら駄目だよと あれほど言っておいたのに 君は言うことを聞かないで 突っ走てしまうもんだから 顔まで浸かってしまうんだ。 その瞬間己の名前も性別も 地位も思想も歴史も希望も 生きていることも何もかも 真っ白になったことだろう。 もはや手の…

元GSの爺さん

立飲み屋で知り合ったおっさんが 元GSに会わせてやると言うので ぼくらはいそいそとついて行った。 そこは飲み屋から数分の所にある 醤油臭の染みこむ昭和長屋だった。 中にいたのは半禿長髪の爺さんで、 サイケな出で立ちで言葉の端々に 「おれは業界人だ…

夕方の痛み

夕方になると工場のある海側から 風に乗って変な臭いがやってくる。 五時を早く過ぎているから、もう 工場は稼働してないはずなんだが、 なぜか鍋の取っ手が焦げるような 不自然な臭いが辺りを埋め尽くす。 そして臭いは曇天風景と符合して ぼくの心の奥で鈍…

ショルダーバッグ

仕事は休みの延長だとぼくは 思っています。だからいつも 心はラフな状態になっている。 もちろん服装は分けているが バッグは同じものを利用する。 ところがあれもこれも必要と 手当り次第に詰め込むために 仕事の日はバッグが重くなる。 中でもタブレット…

招き猫

夜になると駐車場に子猫が来る という噂が立って、近所の人が エサを与えにくるようになった。 猫が愛狂しい仕草で応えるので 見物客がどんどん増えていった。 それがトラブルのもととなった。 客が車の出入りをさえぎったり 猫がエサを食べきれずに残す為 …

肉屋のセール

今日は肉屋さんのセールです。 狭い駐車場は必死な買物客で 朝早くからいっぱいなのです。 ごったがえしておりますです。 運転自慢のお年寄り様たちが 縦横無尽に車を操っています。 たいへんお上手なもんだから たいへん苦労をしております。