吹く風

いろんなことに悩む暇があったら、さっさとネタにしてしまおう!

動物録

鳥は臆病者なのか?

川辺を歩いていると、何羽かの鴨が向こう岸近くで泳いでいた。カメラに収めておこうと思い、スマホを取り出して彼らに向けた。その瞬間、すべての鴨が飛び去ってしまった。 ぼくから鴨までの距離は10メートルくらい。川面と道の段差は2メールくらいあるし…

したたかなインコ

小学校二年生の頃、ぼくの家にはデブという名のメスのインコがいた。親戚からもらった鳥だった。 当初はつがいで飼っていた。二羽は仲がよさそうに見えたのだが、実はそこには愛情なんかなく、体が大きく意地の悪いデブが相方を支配していた。そのうち、デブ…

ストレス

 ぼくが中学生の頃、親戚の家にクリという犬がいた。横須賀の久里浜生まれということで、その名をつけられたのだった。お米屋さんやガス屋さんを噛みつくわ、そのくせ不審者が来ても吠えないわ、まったく役に立たないアホな犬だった。ただ子作りだけは励ん…

ツバメのひとり言

今年の日本人は、口が白いなあ。

猫道

とある団地の敷地内にある 駐車場に繋がる道の両脇に 所々蓋の取れた側溝がある。 住民達はその側溝のことを 猫道という名で呼んでいる。 何でもその団地内に複数の 猫の家族が棲みついていて そんな猫たちがその側溝を 通り道として抜け道として 常日頃利用…

猫の本能

1、 不意を突かれた時に猫は 前に向かって脇目も振らずに ダッシュする。ダッシュする。 それを見てぼくは、猫は 後ろに進めない動物だと思った。 よく車道に猫が転がっているのは その結果であって、きっとそれは 猫の本能のなせる業なのだろう。 2、 家…

猫ストレス

実家の駐車場に数匹の 野良猫が棲みついている。 野良とは言いながらも 栄養は行き届いているようで どの猫もわりと肥えている。 昼間彼らは物陰に隠れて 人と交わることで起きる ストレスから身を守っている。 ところが隠れ方が下手なのか いつも子供たちか…

ふわふわと

何のリズムに合わせているのか ふわふわと歩くネコがいます 時折そこに立ち止まっては ふわふわと浮かぶトンボを じいっとじっと見ています 白い雲が流れています 心地よい風が吹いています きっときっとこのネコの 汗もしっかりぬぐっています

耳がきつい

やつは時々 おれの耳の後ろに 指を持ってくる。 気配を感じておれの耳は ピクピクピク。動く動く。 やつはそれを見て おれの耳の後ろに またしかけてくる。 気配を感じておれの耳は ピクピクピク。動く動く。 やつはしばらくして おれの耳の後ろに またまた…

首根っこ

首根っこをつかまれると 私は何も出来なくなる。 だから彼の姿を見つけたら 私は一目散に逃げている。 そう彼は私の首根っこを つかむのが上手なんだ。 息を殺して黙っていても 彼は私に気づいてしまう。 車の影に隠れていても 彼は私を見つけてしまう。 そ…

チッチとミーコ

日が暮れてしばらくすると あいつが黒い箱からゆっくり ゆっくり降りてくる。そして おれを見つけると、決まって 『チッチ』と舌打ちしやがる。 舌打ちをした後あいつは決まって 『ミーコ』と言っている。どうやら おれに付けた名前のようだ。 だけど、おれ…

イメージ

うちの駐車場に数匹のネコがいる。 ペット禁止のマンションなので もちろん彼らはノラである。 誰も餌を与えてないはずなのに 彼らは一様に人懐っこい。 そこに住んでいる常連さんはもちろん 営業でやって来る一見さんを見ても 逃げようとはしない。 きっと…

取引先のノラ猫

取引先の駐車場に 数匹のノラ猫がいる。 フサフサとした 気持ちよさそうな 毛並みをしているのだが、 そこはノラなので かなりすすけている。 その汚れ方からすると、 体に棲みついている のみやダニの数は半端ではなく、 かなり痒い、痒い痒い人生を 彼らは…

お猫のブルース

お猫にとって人間というのは 迷惑極まりない存在なのである。 だから空腹時以外の飼いお猫は 人間に近寄ってこないし いついかなる時も野良お猫は 人間には近寄ってこない。 いったん人間に捕まると面倒だ。 のどをなでるし、鼻を押すし 肉球を触るし、腹を…

ああ、寒い

街がどこかに流れて行く 街がどこかに流れて行く お前の夢の場所はここじゃない お前の行き着く先はここじゃない そうつぶやきながら 街がどこかに流れて行く 街がこんなにちんけだから 街がこんなにちんけだから 癒やしてくれる猫さえも いなくなったじゃな…

猫の・・・

以前猫の交尾を見たことがある。 近くの本屋まで歩いている時のこと ある民家の庭に何かを感じた。 その感じのするほうに目をやると そこで猫がやってやられてやっていた。 最初猫は気づかなかったようで 必死にやってやられてやっていたが こちらの気配を感…

こんにちはー

「こんにちはー」 威勢よく親戚の家の玄関を開けると 真っ先に出てくるのはいつも猫だ。 小さな子供のいる家に行くと 真っ先に出てくるのがその子供 というのと同じだ。 結局、年を取っても猫の知能程度は 人間の幼児と同じくらいなのだろう。 しかし猫が出…

コーヒーのカンカン

駐車場の白い線の上に コーヒーの缶が置いてある。 誰が置いたのかは知らないが ご丁寧に真っ直ぐに立てている。 思うに、缶を投げ捨てないあなたは 缶を投げ捨てない程のいい人なんだ。 そんなにいい人なんだから そこを歩く猫がつまずかないためにも もう…

縁側の猫

カラコロという音がすると 縁側で寝ている猫が 首をもたげて「ニャー」と鳴く。 「何でこの猫は 下駄の音に反応するんだ?」 「それは幼い頃に 下駄で尻尾を踏まれたからだよ」 「なるほど。それでこの猫の 尻尾の先は曲がっているんだ」 「あー、触っちゃダ…

コンビニのネコ

何ゆえに舌を鳴らして起こすですか。 何ゆえに鼻先に指を持ってくるですか。 何ゆえに汚い手で頭を触るですか。 何ゆえに指先で首をくすぐるですか。 何ゆえに勝手に肉球を押さえるですか。 せっかくいい気持ちで寝ているのに 食べ物くれんのなら やめてくれ…

猫にふられる理由

猫は本能で生きている動物だから 自分の行動に理屈をつけることをしない。 行動に理屈をつけることをしないから のんびりと人生を考えることもない。 人生を考えることがないということは 裏返せばそんな暇はないということになる。 つまり猫はその時その時…

自信を持って

ふと気づくと悩んでいる。 いったい何を悩んでいるのかというと それがまたどうでもいいことで すでに終わっていることだとか 今つぶやいた独り言だとか まだ来ぬ先のことだとか。 つまりは無駄に悩んでいるわけだ。 こんなことばかりやっているから 猫から…

笑う猫

二十年ほど前のことだが 嫁さんと通りを歩いていると 丘の上にある禅寺から 何か不思議な気配を感じた。 見上げてみると その丘の中腹に一匹の猫がいて こちらをジッと見つめている。 目を合わすと猫はニコッと笑った。 体全体がふくよかで えらく品のある雉…

猫に好かれない日

自他共に認める猫好きではある。 だが、猫を飼うほどの甲斐性を ぼくは持ち合わせてはいない。 猫の方もそれを察しているのか ぼくの猫可愛がりに対して 曖昧にグルグル言うだけで 心からの愛情表現をしてこない。 ノラなんかは特に敏感で、きっと 「こいつ…

ベンチネコ

あっ、また二本足が来た。 今度は白い髪のおっさんだ。 奴らはオレの姿を見ると なぜか襲いかかってくるんだ。 若い女は「キャー、キャー」と 甲高い声をあげて襲ってくるし バアさんは「チッチッチ」と 舌を鳴らして襲ってくる。 ガキまでもがオレを見ると …

ライバル

ぼくが中学生の頃 親戚にクリという犬がいた。 横須賀の久里浜生まれということで その名をつけられたのだった。 お米屋さんやガス屋さんを噛みつくわ そのくせ不審者が来ても吠えないわ まったく役に立たないアホな犬だった。 ただ子作りだけは励んでいたよ…

コロとタマ

小学校二年生の頃 近くにコロという犬がいて よくぼくの家に遊びに来ていた。 とりあえず家の前に座って 愛想よく尻尾を振っていたが 彼の魂胆は見え見えで 確実に餌をねだりに来ていたのだ。 そこで給食のパンの残りを あげていたのだが 彼はそれを食べ終わ…

猫が鳴いている

猫が鳴いている 猫が鳴いている 今日の区切りを告げた寂しさか 届かぬ恋のいらだちか 実らぬ夢のむなしさか 彼らの一日は夜始まる 彼らの一日は夜始まる