2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧
何年か前、地元の山の、山頂付近に住むお客さんの家に行ったことがある。車で登れる程度のさほど高くない山なのだが、それでも山道はつきもので、登って行くにつれて、カーブは多くなるし、道幅もだんだん狭くなる。最後は1台がやっと通れるくらいまで狭く…
入院していると、いろいろなスタッフが入れ替わり立ち替わりやってくる。医師や複数の看護師、清掃の方、食事を持ってきてくれる方等々だ。 入院して二日目にやって来たリハビリ担当のお兄さん、ぼくを見るなり、 「えっ、しんたさん、元気ですねえ」 と言っ…
車を運転していると、たまに不可解なことに遭遇する。まあ、不可解と言っても、大したことはないのだが。 いつだったか、バイパスを走っている時に、前を走っていた車が、急に何かをよけるようにハンドルを切った。自転車かバイクが走っているのかと思い、こ…
病室は東向きで、ベッドは窓ぎわにあり、朝になるとぼくの顔をめがけて日が差し込んでくる。普段西向きの部屋で生活しているぼくには、それがきつい。 しかし、悪くない一面もある。東向きだから、窓ぎわだから、毎朝この市のシンボルである、皿倉山が拝める…
入院してどんな治療を受けているのかというと、点滴だけだ。後日リハビリをやるらしいが、手術をするわけでもないし、やることはそれくらいしかないんだろうな。 まあ、とにかく暇で暇で。こういう所でテレビは見たくないし、ヘッドホンを忘れたのでスマホに…
今回の入院の件だが、たまたま行ったパン屋の一角に、脳神経外科があったことは、何かの導きだったのだろう。そういえば、最初に痺れた時、無意識に延命十句観音経を唱えていたな。これも霊験だったのかもしれない。 ということは、ほどなく退院できて、何事…
「おかしいな」 と思ったのは、25日の朝方だった。目が覚めてパソコンの前に座り、マウスを握ったのだか、何となくいつもと感覚が違う。カーソルの位置が定まらないのだ。 「寝ぼけているのかな」 と思い、席を立ち顔を洗いに行った。洗面所の前に立つ。 …
小学6年の夏休みに、ダイエーの前で売っていたひよこを買った。さっそく『ピーコ』という安易な名前をつけ、お菓子か何かの木の箱を改造して巣を作り、飼い始めた。 買ったのは一匹だけだったので、寂しいピーコはすぐにぼくに懐いた。とにかく、トイレに行…
数日前の夜中、国道でぼくは信号待ちをしていた。 信号が青に変わり、ブレーキから足を離そうとした時だった。突然ぼくの車の右手から飛出してきて、横断歩道を走り抜けた人がいた。 「危ないな。何やってるんだ」 と怒りモードに入りそうになった。ところが…
ぼくの職場に週一回応援に来る女性と、『触る』話をした。 「あんた、昆虫触れる?」 「昆虫くらい触れますよ」 「バッタは?」 「触れます」 「カナブンは?」 「触れます」 「じゃあ、ゴキブリは?」 「触れます」 「えっ、あんたゴキブリ触れるんね?」 …
先週スーパーに行った時、嫁さんが「これ」と言って、棚に並べてあるメロンを指差した。何だろうと見てみると、そこに体長7センチほどの銀ヤンマが、貼り付くようにしてとまっていた。 トンボは外から入ってきたのだろうが、そのスーパーに入るには、内外二…
ネズミは嫌いな生き物だ。子供の頃、家の中に突然大きなネズミが現れたことがある。びっくりしたのと、初めてネズミを見る怖さで、しばらくそこから動けなかった。以来ずっとそれを引きずってきたのだ。 以前勤めていた会社でのこと。ロッカールームを掃除し…
小さな頃からネコが好きで、道ばたでネコを見つけると捕まえて、頭を撫でたり、首をこちょこちょしたり、抱き上げたり、彼らの迷惑をかえりみず、したい放題の愛情表現をやっていた。 年をとってからは、多少ネコの気持ちもわかってきたので、したい放題はし…
職場でテレビを見ていたら、おいしそうなパスタの店を紹介していた。場所を見ると隣の区になっている。 『近くだし、今度行ってみるかな』 などと思っていると、ちょうどそこを通りかかった職場の女の子が、 「しんたさん、この店、どの辺にあるんですか?」…
今は昔、宇治拾遺物語を読んでいる時に、ぼくは『かはつるみ』という言葉を見つけた。 「どういう意味だろう?」と思ったものの、「読んでいくうちに、わかってくるだろう」ということで注釈は見ず、言葉の意味がわからないまま読み進めていった。 途中まで…
1, 最近あまり書かなくなったが、ぼくは相変わらず神仏を拝んでいる。毎朝神棚に向かって柏手を打ち、毎晩仏壇に手を合わせ、昔ながらの真摯な日本人を演じている。 だが、狙いは御利益だ。そこは現代の日本人だから、見返りがないと動かないというわけだ。…
ある人との会話の記憶をたどる時 さりげないひと言の中にその人が 人生を左右する程の大きな意味を 込めていたのに気づくことがある。 もしその時に意味を捉えていたら 違う道を歩んでいたかも知れない。
1,狐のしわざ 最近、日本の古典を読んでいるのだが、昔の日本人は何か恐ろしいことや不可解なことが起こると、「あれは狐がやってるんだから、大したことはない」と自分に言い聞かせて、心を乱さないようにしていたらしい。 きっと昔の日本人は、「狐のし…
かつて『サザエさん』は、日曜日の終わりを告げるアニメではなく、一日の始まりを告げるマンガだった。 昭和20年代から昭和40年代にかけ朝日新聞を取っていた人にとって、『サザエさん』とはそういう存在であるのだ。 物心ついた頃、ぼくはすでに朝日新…
『不幸の手紙』という名のハガキが届いたのは、ぼくが中学1年の時だった。 詳しい文面は忘れたが、「〇日以内にX人の人にこれと同じことを書いて送って下さい。そうしないと、あなたに不幸が訪れます」といった内容だった。 「変なハガキが来とるよ」 と、…
1, P君がある人に今回の長崎行きのことを相談した時の会話。 「今回の台風は、通り過ぎた後も、吹き返しが凄いらしいよ」 「吹き返しって何ですか?」 「えっ、あんた台風のこと知っとると?」 「いえ、勉強してないっす」 2, この間、ぼくが仕事をして…
新型コロナウイルスのせいでやれてないことがある。 まず、太宰府行き。毎年2月の梅の頃に太宰府天満宮に行くのが恒例になっているのだが、それがやれてない。今年の2月といえば新型コロナウイルスで世の中が騒ぎ出した頃だ。特にあの頃は中国からウイルス…
【1】虫の声 今回の台風、風の音に気を取られていたせいで気づかなかったのだが、暴風波浪注意報が出てから解除になる頃まで、虫の声が一切聞こえなかったな。もしかしたら虫たちもこの風を特別なものと感じて、避難していたのかもしれない。 しかし草むら…
現在夜中の2時半です。いよいよこちら(北九州市)も暴風域に入ったようです。とにかく風の音が凄い。よくある「ビュー」という音じゃないのです。「ゴー」というジェット機が飛んでいるような風の音がベースにあって、それに呼応した樹木や電柱や電線や建…
【12】 平成10年結婚。ぼくは実家を出て今のマンションに移る。 そこに移ってから2年間ほど、頭痛に悩まされる。前の家で色々な気配に悩まされていたぼくは、てっきりその気配の主を新しい家に連れてきたのかと思っていた。しかしそれは違っていた。あ…
「いったい長崎に何しに行くんね?」 「飛び込みです。長崎で飛び込める所、知りませんか?」 「知らんけど、その日なら海沿い走ってたら、波のほうから飛び込んできてくれるよ」 「そうなんですか」 「スリルあるよ」 「いいですねえ」 「でも、そうなった…
昨日は休みで朝からずっと家の中にいたのだが、一日中エアコンがいらなかった。窓を開けておくと、優しく心地よい風が入ってきたのだ。しかし今日から数日間、この優しく心地よい風が、一変して怖い風になるらしい。台風10号だ。テレビでは今まで体験した…
衣料品の購入は、いつも近くのユニクロか無印良品ですましている。価格はそこそこ安いし、特にブランドにこだわる性格ではないから、ぼくにはそういう店が打ってつけなのだ。 だいたい季節の変わり目に購入しているので、そろそろその時期にさしかかるわけだ…
この夏、『夏マスク』と銘打ったマスクを20種類近く買った。一応全種類試してみたのだが、一番しっくりいったのはユニクロの新型マスクで、今はそれをメインに使っている。他のマスクと比べるとヒンヤリ感は少ないものの、どのマスクよりも通気がよく、息…
【4】まぶたの腫れ 最近の話。二週間ほど前、朝起きると左のまぶたが腫れていた。痛みもなく充血もしてなかったので、目は大丈夫だと思い、まぶたを氷で冷やすことにした。しばらくして腫れは少し引いた。一応気になったので、疲れ目用の目薬をさしておいた…