2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧
ようやく職場のある小倉に着いた。まだ血は流れている。ちょっとふらついているが、人から変に思われないように、平静を装って歩いて行った。 店に着いて、まず事務所に行った。 「すいません。ちょっとこけて怪我したもんで遅れました」 「怪我?どこをね?…
昭和56年のことだった。当時は車ではなく、バスと国鉄を乗り継ぎ、仕事に行っていた。 現在は駅の横にバスターミナルができ、そこから駅のデッキまでは、エスカレーターやエレベーターで行けるようになっているが、当時バス停と駅の間にはチンチン電車の線…
今日は休み。ということで、近場で一番安いGSにガソリンを入れに行った。 場所は、おそらく現時点で全国一有名なコストコである北九州倉庫店。(今日もテレビ局が来て撮影していた) ご覧の通りで、レギュラー1リットル170円でございました。いったい、…
朝焼けが差し込み 今日の運命を決める朝に 灰色がかった空に 薄く日が差す昼に カラスが鳴き叫び こうもりが群がる夜に 君がほしい みんなが美しいと言う花に そっぽを向く時 みんなが素晴らしいと言う 風に向かって歩く時 みんなが この時間がにせものだと…
マンガ『あしたのジョー』の中に、「不可能を可能にする、天性の野生児」という矢吹丈を形容する言葉があるのだが、あの言葉が最近ようやくわかってきた。 ジョーを解くキーワードの一つに、「完全燃焼」という言葉がある結局ジョーは最後的に「真っ白な灰」…
秋は楽しい夏休みを終わらせる 秋はぼくたちの自由を奪い取る 秋はぼくたちから海を遠ざける 秋はぼくたちから山を遠ざける 秋は半そでの生活を終わらせる 秋は長い二学期の大半を占める そして冷たく寒い冬を呼ぶんだ だから秋を好きになれなかった
最近見なくなったものの一つに、田んぼの中の広告塔(正しくは何と言うのだろう?)がある。 JRになってから、郊外の線路の周りは住宅街になってしまったが、国鉄時代は一面田んぼだった。その田んぼの中に広告塔がいくつもあった。ぼくが覚えているのは、ホ…
ぼくは何をやらしても不器用な男である。図画にしろ工作にしろ、まったく駄目だった。字も生まれつきではないかと思えるほど下手で、仕事でDMの宛名書きをしたことがあるのだが、上司がぼくの字を見て呆れてしまい、「しんたはもういいから、売場に戻って…
2007年4月9日にぼくは禁煙して、その後一度もタバコを口にしてない。もし「吸いたいか?」と問われたら、「もう吸いたくない」と答えるだろう。喫煙を思い出すたびに口の中が気持ち悪くなるからだ。 さて、「嫌煙権」という言葉が世の中にお目見えした…
1, どこかでか見たことがある場所なのだが、それがどこかわからない。どこかで経験したことがあるのだが、それをどこで経験したのかわからない。そんな夢を見ることが、時々ある。 目が覚めて、「さて、どこで見て、どこで経験したのだろう」と記憶をたど…
福岡県に芦屋という地名がある。兵庫県の芦屋と違って、ここは市ではなく町である。 歴史や茶の好きな人は「芦屋釜発祥の地」、ギャンブルの好きな人は「芦屋競艇」のある所、と言えばお分かりいただけるだろう。 ここは昔から異質な場所であったと聞いてい…
昼食時、化粧品売場の子といっしょになった。 食事中、その子が突然、 「しんたさん、同窓会とかありますか?」と聞いてきた。 「今はあまりせんけど、ちょっと前まで毎月やっとったよ。それがどうしたと?」 「今度ですねえ、中学の同窓会があるんですよ。…
【夏を嘆く】 そろそろ夏も終わりに近づいているが、夏はいつも何かをやり残している。終わってみると、夏を充分に満喫できていないのに気づくのだ。 【子供の頃】 子供の頃は、いつも満足に海に行けなかったことを嘆いていた。 海に行く時は、いつも日帰り…
ぼくがギターを始めたのは、高校1年の秋だった。ギターを手に入れた日に簡単な入門書を買ってきて、それで調弦の仕方を覚えた。当初入門書に頼ったのはそれだけで、あとは吉田拓郎のスコアブックでコードを覚えたのだった。 もちろんそれだけだったので、ア…
千葉周作のもとに商人が訪れて、 「私は命を狙われております。どうかやって防ぐ方法はないでしょうか」と尋ねた。 すると周作は、こう答えた。 「目を閉じて、刀を大上段に構え、相手の動く気配を感じたら、振り下ろしなさい」 後日、その商人に刀を向ける…
ツクツクボウシの声が耳につき 暑さが何となく惰性に変わり 虫の音色に疲れが見え ゴミ収集車のオルゴールが寂しく感じ スーパーのハワイアンが空しくなり 日差しと風が別物に感じ 晴れた日の青空が白く見え 雨上がり虹がツブツブに見え 広場に集まる友だち…
日記と銘打ってブログをやっていた頃は 毎日更新しなければならないと思い込み 寝る間も惜しんで書いていたものだ。 ま、今でもほぼ毎日更新しているわけだが あの頃のような、どうしても書かなければ という必死感や悲壮感がまったくない。 かなりのんびり…
最近は見なくなったが、ぼくが小学生の頃、通学路にある家の壁に、大村昆の「オロナミンC」や水原宏の「キンチョール」由美かおるの「アース」などの薬品系や、また「カクイわた」「おたふくわた」などの綿系の看板がかかっていた。ぼくは知らなかったが、…
墓参りに行ったとき、寺の庭をトコトコと歩いている動物を見つけた。 その大きさを見て、最初は猫かと思った。ところが、振り向いたヤツの顔は、猫のように丸くはなく、口先が尖っている。かといって犬でもない。 母はそれを見て、「イタチ」だと言った。し…
墓参りに行く途中に 由緒ある神社がある。 神武天皇が東征する前に しばらく政務を執った場所で 当時の祭祀の跡が 今でもそこには残っている。 心がついそこに向いたので ぼくは急遽路線を変更して その神社に車を進めた。 祭祀跡は鳥居の横にある。 十畳間…
近くの町に、有名な元アスリートが住んでいる。 年配の方なら憶えておられるだろうが、1968年のメキシコオリンピックマラソン競技で、銀メダルを獲得した君原健二さんだ。 実は、ぼくはこの君原選手と競争したことがある。と言っても、こちらが一方的に…
嫁さんの会社に、姓名判断専門の占いおじさんが出没しているらしい。何でも、最近商売を始めたばかりらしく、会う人ごとに名前を見てやっているというのだ。 先日嫁さんが名前を書かされた。「小さい頃だいぶ苦労されてますねえ。親兄弟との縁が薄かったでし…
【主婦業は大変である】 あるパートさんから、「しんたさん、昨日の夕飯何だった?」と聞かれることがある。 そう聞かれる日に限って、前の日の夕飯を覚えてない。思い出そうとしても、何日か前の夕飯のイメージばかりが頭の中をよぎって、なかなか前日のメ…
1, ボブ・ディランに、『イッツ・オールライト・マ』という歌がある。ディランが、フォークからロックに音楽スタイルを変えた頃の歌だが、ぼくはこの曲を長い間好きになれなかった。 その原因は曲や歌詞にあるのではなく、レコードについている歌詞ブックの…
1, 今日は「八幡大空襲の日」です。今年も皿倉山の「八文字焼」をやると思います。 2, 八幡大空襲、この話は小学生の頃からさんざん聴かされた。八幡駅前の防空壕の出入口を爆撃で塞がれ、防空壕の中にいた多くの人が死んでいったといいます。 当時は実際…
・・・事故か? 上り車線の真ん中で 二台の軽が頭を突き合わせている。 あらら、二台ともボンネットが 開いているじゃないか。きっと 直進車と右折車がぶつかったんだろうな。 いったい誰が運転しているのだろう。 二台の車の運転席には、同じ色の 作業着を着た…
1,設定年齢 高校を卒業してから ぼくの設定年齢はずっと17歳だ。 ゆえに思想は若く 地に足のつかない人生を送っている。 無鉄砲に突っ走ったり ストレートに自分を表現したり 実に生意気なことを言ったり 大人的な処世を嫌ったり 年下がおっさんに見えた…
波に乗る風 涼やかに ああ映し出す 月影 夢のような 時は過ぎ 短すぎる 夏の夜 君は一人 浜に立ち 波寄際に うるわしく ああ風の音 波の音 短すぎる 夏の夜 そして君は ぼくを呼ぶ 貝殻片手に ぼくを呼ぶ そっとこの手を 握りしめ 肩に頬を すり寄せて 夢の…
【1】 仕事の時、ぼくの車はいつも店の裏手に置いている。その場所は街灯が当たらないので、夜はいつも暗い。まあ、別に暗いからといって、どうということはないのだが、昨日はちょっと違った。 店を出て、ちょうど裏手にさしかかった時に、一通のメールが…
午前中、男性のお年寄りが扇風機を買いに来た。 「これですか、チラシに入ってたのは」 「はい」 「じゃあ、これ下さい」 そう言って、お年寄りはその扇風機を買って帰った。 午後のことだった。再びそのお年寄りが現れた。 「すいません、先ほど扇風機を買…