美空ひばりも江利チエミも 三波春夫も村田英雄も 志村喬も三船敏郎も 石原裕次郎も赤木圭一郎も 小津安二郎も黒澤明も 坂口安吾も遠藤周作も 三島由紀夫も寺山修司も 手塚治虫も長谷川町子も 赤塚不二夫も石森章太郎も 藤子・Ｆ・不二雄も 松下幸之助も本田…

どこかの寺の住職が 腕組みしながらスタスタと 年末の中を歩いている。 黒い僧衣と白い足袋 チラチラ覗くふくらはぎ なんまいだぶつあみだぶつ それではこの世は寒かろう 三千世界は地獄だろう 知ってか知らずか住職が さも忙しげに歩いている。 なんまいだ…

世の中がヒーヒー言いながら 今年を店じまいしてしまいました。 いろいろな人の思いに振り回されて それで息切れした一年でしたから きつかったでしょうね。可哀想に 最後は脂汗なんか流してましたよ。 ま、私個人としてはいいことが たくさんたくさんあった…

鼻の奥がチクチクと痛く 小さな風にも反応してしまう。 それがだんだん気になって ぼくには大病になっている。 実は大した痛みではない。 いや、まったく痛くない。 なのにチクチクと痛むのは 魔物が悪さをしているからだ。 魔物はお留守の時に忍び込み 棲み…

小さな小さな汚れのついた 小さな小さな自動車の 小さな窓のすきまから 小さな小さな日が差して 小さな睡魔が襲うのです 小さな睡魔が意地悪く 小さな波のように小刻みに 小さな誘惑を繰り返すので 小さな呪文を唱えながら 小さな睡魔を散らすのです 小さな…

今年のミカンは傷みが早い。 正月用にと四、五日前に箱入りを スーパーで買ったばかりなのに もう何個かがブヨブヨになっていて 白いカビが生えている。それだけ 今年のミカンは甘いのだろうが、 このままいけばこれらのミカン 正月までは持たないだろう。 …

そろそろ眠たい夜も過ぎ そろそろ眠たい朝が来る。 夜は雪が降るかもしれないと 気になり何度も目を覚ましたが なぜか寒い寒い夜に月は冴え 信号だらけの街を照らしている。 もし太陽の光と同じように 月の光にも温もりがあれば 地球の夜は年中温暖ではない…

さて次の予言は何だろう。 いつものありふれた年末が いつもの気ぜわしさ呼んでいる。 いつもより少し寒い気はするが 特別な冬というわけではなく 毎年毎年やって来るいつもの冬だ。 さて次の予言は何だろう。 あと何度いい思いをするのか あと何度嫌な思い…

時折雨音が軽くなることがあるのだけど きっと雨が雪に変わっているのだろう。 今日の風は冷たいからそうに違いない。 それにしてもここ数日は本当に寒いから いつ雪が降ってもおかしくはないのだ。 ところで、そんな寒い寒いさなかでも たまに気持ち暖かな…

ぼくの家は駅と港から さほど離れていない 場所に位置しているために 昔は汽車や船の汽笛の声が いつも聞えていたのです。 夜になると騒々しい周囲の 工場の音が消えるので 汽車や船の汽笛の声は 包み隠さず幼いぼくの 耳に届いていたのです。 そしていつし…

『この人とは友だちになれるだろうな』 そんな感覚で私は一票入れるのであります。 もちろん具体的な政策や高尚な思想は 大切であるとは思うのでありますが、 要はその人の持つ人間性じゃないですか。 先日ある方と話をしておりまして 「某候補は東大を出だ…

周りにこんな人がいて 時にそんな人が出てきて それが僕という主人公と 微妙に複雑に絡み合って こんなふうになって あんなことになって 僕はいつも自分で描く ドラマの中の主人公で 仕事場で演じてみたり 飲み屋で演じてみたり いい人をやってみたり 悪い人…

ずっとずっと昔から 何度も何度も言っているから わかっているとは思いますが ２１日からは雨が降るのです。 おそらく大気は大いに乱れ 荒れた天気になるでしょう。 それゆえ外に出ることだけは 避けた方が無難でしょう。 だから何というわけではない。 雨が…

遠くにタワーが見えている。 誰も一度は見ているのだけど 誰も一度も行ったことがない。 遠くにタワーが見えている。 実はすぐそこにあるんだけど 高さのせいか遠くに見える。 遠くにタワーが見えている。 そして誰もがそのタワーを 自分なりのシンボルにし…

中学校の裏手には 小高い丘が続いていた。 人の入らないその丘は 草がぼうぼうと生えていて 蛇やムカデが棲んでいた。 空は滅多に晴れたことなく 丘から下りてくる風が 小さな校庭に落ちていた。 ぼくらはその風を拾い集め 空に向けて蹴り飛ばした。 風は力…

もしこれを逃したら 次は先頭になるからと ぼくは最後の黄色を 突き進む。突き進む。 ぼくは力のない先頭が 嫌で嫌でたまらないので ぼくは最後の黄色を 突っ走る。突っ走る。 もしこれを逃したら 後続ともめてしまうからと ぼくは最後の黄色を 突き進む。突…

少し前の映画を見ていると たまに現在映画やドラマで 大活躍している俳優女優の 若い頃の姿を目にすることがある。 もちろん現在のような 重要な役じゃなくチョイ役だ。 そのせいなのか、若さのせいか どいつもこいつも垢抜けない。 おかげで最初は気がつか…

あなたの収入を減らしますと 雇い主から言われたのです。 ただでさえ厳しい状況なのに これ以上減らされてはたまらない。 それならいっそこの会社を 辞める手続きを取ってしまおうか、 そして次の場面に進もうか、 と本気で思った次第でありまして。 わたく…

小学二年の頃だったろうか 突然外からカラコロカラコロ カラコロコロンという 不思議な音が聞こえてきた。 その音を耳にしたとたん ぼくの中に潜在する人が 何かいいことを期待したのか ぼくを外へと連れ出した。 そしてその音を追いかけた。 姿はまったく見…

女子お産の時の その痛みは 女と男の体の構造の 本来の類似性から察すると 男子キンタ○を打った時の あの痛みが延々と続く それと同じことではないのかと 私めキン○マを打った時の あの痛みを思い出しながら 考えているしだいであります。 男子キ○タマを打っ…

Ｓ４９の年はまちがいなく ぼくが輝いていた年で 何をやっても何が起きても いつも素直な笑顔でいられた。 「毎日が楽しい」が口癖で その口癖の通りの楽しい生活を ぼくは送っていた。 Ｓ５０の年は夢もなく 笑顔もなくなってきた年で それから以降ずっとぼ…

今この地域には大雨が降っていて 稲光が走っては雷音がひびき 竜巻注意報まで出ているのです。 時間はというとまだ午後八時前、 あの毎日毎時威勢よくやかましい 選挙カーはどうしたんでしょうね。 この大雨の音や雷の音以外、外からは 何も聞こえてこないじ…

通りすがりの「お願いします」が 休むことなく行ったり来たりして 今日の選挙活動はえらくせわしい。 この選挙区の中心は内海をグルリと 囲んでいる国道やＪＲ線の周辺で、 多くの企業がそこに存在し 多くの人がそこで生活している。 それため選挙カーは内海…

今朝見た夢は 百円玉の夢だった。 裏だか表だかに描いている 桜の花がピンクに染まり それを親指で押さえると 不思議と望みが叶い 幸せな気分になる夢だった。 目覚めてからもその気分は残り 今日は一日何かいいことが 起こりそうな気がして ポケットに百円…

「ああ今日はこのにおいか」 朝、目が覚めて窓を開けると 日替わりでいろいろなにおいが 部屋の中に染みこんでくる。 『このにおい』といったって 別に特別なにおいではない。 何度も嗅いだことのある ありふれた朝のにおいだ。 ただ、いろいろなにおいを ひ…

十二の月のその頃は 三畳一間の部屋の隅、 六十年代に型作られた オレンジ色のストーブがいる。 ストーブは黒い煤を吐き 目を瞬かせれば雨が降る。 雨は激しく音を立て いつしか静かな雪になる。 ガラスの瓶の中に浮かぶ ろうそくの灯りに影は揺れ 影は小さ…

若い頃、ある上司がよく使っていた言葉に 「こういうことも出来ない人は 辞めてもらってけっこうです」 というのがある。この言葉を真に受けて 「では辞めます」と答えた人が何人かいた。 上司は慌てて引き止めに入ったものだった。 士気を鼓舞するためにと…

昔まったく好きではなかった歌が 今ぼくの中で青春時代の 象徴になっている。 あの頃はその歌を聞くことも その歌い手を見ることも 完全に拒んでいたはずなのに いったいいつ、どんなきっかけで こうなってしまったのだろう。 ここまで流れ着いた経緯を ぼく…

今日ある人と、 議論するようなことがあって ちょっと感情的になってしまい 後味があまりよろしくない。 今も相手のことを思い出すたびに 怒りに似た感情がこみ上げてくる。 このままでいればおそらくは次回 その人と会った時に気まずさで 目を合わさないこ…

あの人は今でも魅力ある女性だ。 かわいくて明るくて健康で さらに理知的で、機転も利いて 昔から何も変わっていない。 ぼくにとっての理想の女性なのだ。 ただ昔に比べるとかなり痩せていて 肌の張りがほとんどなくなっている。 そのへんはぼくもそうなのだ…