2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧
学生の頃から 読んできた本がある。 通学や通勤時には 手持ち無沙汰の友となり 車で通勤するようになってからは 渋滞時の友となっていた。 何ということのない本で とくに大したことが 書いているわけではない。 ただ他の本と違うところは その本を読んでい…
人より早くそのことを気づいた人が いまだそのことを気づいてない人に そのことを気づかせてやるのが友人で そのことで一生感謝される 人より早くそのことを気づいた人が いまだそのことを気づいてない人に そのことをひけらかすのがエリートで そのことで陰…
眠らない妖怪と 眠れない妖怪がコラボして 今日という日を作った。 眠らない妖怪が次々と 仕事を探してきては 眠れない妖怪がそれを せっせとフォローする。 その繰り返しに時間を費やし あっけなく朝となった。 気がつけば眠らない妖怪と 眠れない妖怪は去…
すでに初夏に入っていて すぐに梅雨がやって来る そんな季節の中にいます。 この時期、時々街で見かける 分厚いジャンパーを着込んで ボーッと上気した顔をしながら 歩いている痩せぎすのおじいさん。 見ていて暑いです。辛いです。 想像して重いです。臭い…
生き神さまになるのに 特別な力なんていらないよ。 うまく人間関係が構築出来て 図太く世間を渡れる人間には その資格が充分にあるんだからね。 すべてのことは自分で構築した 高弟身分の人たちがやってくれる。 奇跡は高弟の手が起こしてくれる。 幸せは高…
山には天狗がいるから 決して一人で行かない方がいい。 バキッと木の裂ける音がするのは 天狗がさらおうとしているのだ。 川には河童がいるから 決して一人で行かない方がいい。 その流れに見とれてしまうのは 河童が引き込もうとしているのだ。 森には狐狗…
日が暮れてしばらくすると あいつが黒い箱からゆっくり ゆっくり降りてくる。そして おれを見つけると、決まって 『チッチ』と舌打ちしやがる。 舌打ちをした後あいつは決まって 『ミーコ』と言っている。どうやら おれに付けた名前のようだ。 だけど、おれ…
ぼくは知っている、 この人をうまく動かすと 何もかもがうまくいくことを。 だけどこの人を動かすには ある呪文が必要になってくる。 この人は朝晩就寝時問わず 常にひねくれている人だから そのひねくれを取り除く 強い強い呪文が必要になってくる。 おそら…
何かことが終わる時は 小説の最終章のような 自分勝手な括りはなくて ドラマの最終回のような 仰々しい予告もなくて 実にあっさりと自然に 終わっていくものだ。 ぼくが病院を好まないのは 勝手な括りを示してみたり 最終回の予告をしてみたり 迷惑至極な存…
一人の人間として大人として いろんな出来事と格闘しながら いろんな人と出会いながら ぼくはこの世で生活している。 これまでぼくはそう思っていた。 だけどそれは勘違いだった。 実はまだぼくは胎児で、今は まだ母親のお腹の中にいるのだ。 勘違いに到っ…
いいかげんな性格なくせに 真理を追求したりしているから あなたに無理を感じてしまう。 あなたの今のその姿は あなたが昔追求していた 小さな小さなギャグに過ぎない。 授業中に笑いを取ろうと 突然大声上げたり歌ったり そんな類いに過ぎないんだ。 本当に…
女はゆっくり自転車こいで 信号渡ってケーキ屋に入る 十数分のち店内音楽を従えて 箱を片手にした女が出てくる 女はそれを自転車に乗せ 信号渡って今来た道を ゆっくりゆっくり戻っていく 日差しの強さを目立たせる 少し冷たい風が吹いている 風は自転車女に…
どこまで青で描きましょうか どこから赤を使いましょうか 緑が植物なんてありふれてます 茶は曖昧に使いましょう わかってます。わかってますよ ちゃんとメインはあなたのあの 大好きである黄身色を使いますよ ああ、そういえば 黄緑という色がありましたね …
キュンとなった坂を上る ペダル漕ぐときついので 自転車押して歩いて上る うすい雲が張った空から 紫外線情報が降りそそぎ かるく顔が赤らんでいる 体はその条件に反応して ジワッと汗が滲んでいる とはいえ少し冷たい風が 朝方から吹いているので タラタラ…
今に心が弾んでいるから 船ランランと進んで行く もう一つ水色を加えながら 船ランランと進んで行く 卑怯な男にガツンと言って 船ランランと進んで行く 少女マンガのヒロインたち 船ランランと進んで行く 白塗り霊柩車が走っている 船ランランと進んで行く …
求める理想が高すぎるから なかなか人生が絡まない。 求める希望が多すぎるから なかなか人生が微笑まない。 求める夢が複雑だから なかなか人生が定まらない。 求める人が遠すぎるから なかなか人生がなじまない。 いつからそうなったのか 覚えてないが、気…
とぼとぼと牧師が行く。 すり足の和尚が行く。 鳥歩きの神主が行く。 背の低いラーメン屋が行く。 禿げ上がった寿司屋が行く。 オール電化の電器屋が行く。 ヘビーメタルの男が行く。 股旅演歌の女が行く。 内股のサバ少年が行く。 外股のカニ少女が行く。 …
長く抜け殻状態にあった男が 生きていく勘を取り戻し ようやく人生を復活させた。 すでに時代は先に進んでいて ブランクのある彼はその流れに ついて行けるとは思えなかった。 だけど彼は「大丈夫、何とかなる」 そう思って一歩を踏み出した。 以降どんな風…
そのハンドルを ゆっくり右に切って下さい そして大きく切って下さい ゆっくり、ゆっくり 右に、右に、右に そして大きく、大きく 右に、右に、右に まだ右に、まだまだ右に かまいません、かまいません 回転したっていい どんどん、どんどん ハンドルを切っ…
街の外れに古ぼけた家がある。 その家は醤油色に染まり 醤油工場のような煙突があり 醤油のにおいで出来ている。 その家を指で押さえると 壁の所々から出来たての 醤油の絞り汁が湯気を吐きながら 出てくるような気がする。 風采の上がらぬおやじさんは 地元…
神さまが風を送ってくれたら ぼくらはありがたくそれを受け入れる。 神さまがどんな風を送ろうと関係なく それが神さまの風だとわかっているなら ぼくらはありがたくそれを受け入れる。 だけど実際にはそれはわからない。 神さまの風であるかもしれないし 神…
ぼくは人の顔を覚えるのが苦手だ。 初対面の人の顔はまず無理で 五、六度会ったことのある人でも 街ですれ違ったらわからない。 昔からの知り合いの顔すら 満足に覚えていないこともあって 街で知らない人を友人と勘違いし 悪態をつくというという 大失態を…
気がついたらね、 みんな仲良くお尻を振って ちょっと変わったダンスを 踊っている。楽しんでいる。 あれはいったい何なのでしょう。 社交でもなく、ラテンでもなく はたまた日舞などでもない。 とにかくみんなお尻を振って ちょっと変わったダンスを 踊って…
寝る前に体操だとか呼吸法だとか いろいろな条件を付けているので 最近は寝るのが遅くなっている。 その条件さえなくしてしまえば 睡眠事情は劇的に良くなるだろうが 今のぼくはそれが出来ないでいる。 今この体型を維持するためには どうしてもその条件が必…
寝る前に体操だとか呼吸法だとか いろいろな条件を付けているので 最近は寝るのが遅くなっている。 その条件さえなくしてしまえば 睡眠事情は劇的に良くなるだろうが 今のぼくはそれが出来ないでいる。 今この体型を維持するためには どうしてもその条件が必…
ポタポタと風が吹く風が吹く ついさっきまでハート型の月が 浮かんでいたんじゃなかったか ポタポタとポタポタと風が吹く ポタポタと風が吹く風が吹く そういえば今のこの時間は すでに連休じゃないんだな ポタポタとポタポタと風が吹く ポタポタと風が吹く…
サイレンが聞こえる。 サイレンが聞こえる。 あんなあんな遠くに。 こんなこんな近くに。 病人が出たのか。 事故があったのか。 事件があったのか。 色恋のもつれなのか。 サイレンが聞こえる。 サイレンが聞こえる。 力任せ成り行き任せの サイレンが聞こえ…
ぼくはこの時代から飛ばされていた。 気がつけばテレビなどどこにもなくて ここで知りうる唯一の文明である重たい ラジオから聞き慣れない歌が流れてくる。 メロディや演奏はかなり古くさく それにかみ合わないリズムが被さる。 おそらくは日本だとは思うの…
腹が減れば、すきっ腹の歌をうたう 雨が降れば、悲しい雨の歌をうたう。 夜が来れば、寂しい夜の歌をうたう。 寒くなれば、暗い海の歌をうたう。 一人になれば、孤独な街の歌をうたう。 今が辛ければ、世の中への恨みをうたう。 こうしてきたから、こういう…
思いは鏡に映るのだから ぼくが思っていることは あなたに映っているはずだ。 「このまま何も起こらずに 今生を終えるのは嫌なんだ。 ぜひとも希望を叶えたい」 ぼくはそう思っている。 思いは鏡に映るのだから あなたの鏡にぼくの思いが きっと映っているは…