吹く風

いろんなことに悩む暇があったら、さっさとネタにしてしまおう!

2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

電車

ゆっくりゆっくり、 電車はホームに入ってきた。 そこで我慢してなかったら、 ぼくはこの電車に 乗ることは出来なかっただろう。 一両目の一番前の指定席。 電車に乗り込んでからは速かった。 これまでの遅れを取り戻すかのように、 電車は一気に発進した。

血液型

結論からいえば 血液型で人を見てしまうことが この国の滑稽さで そういう国民だと 見られていることに気づいていない。 だからそういう思い込みはやめなさい という一部の人たちは異端視される。 だけどその異端児たちも 素直に異端児だと受け入れてしまう…

笑み

故知らず私は何かを期待している。 胸の中がワクワクしている。 心の底がウキウキしている。 自然笑みが出る。 周りの人は不思議な顔をする。 おかしな奴だと軽蔑している。 思い出し笑いして気味の悪い奴だと、 目をそらす者もいる。 だけど故知らず私の胸…

歌のネズミ

歌のネズミが着飾って ブルースを歌ってる 客もまばらなステージで ブルースを歌っている 息も絶え絶えに歌うので 客は聞きづらそうな顔している ギターと歌が合わないので 客は聞きづらそうな顔している それでも少しは拍手もある 薄汚れた倉庫の中で それ…

私という民族

心の扉を開けてごらんなさい。 おそらく無数とも思えるほどの、 私という民族が住んでいるのです。 その中の一人一人が時を得て、 主役として現れては消えていく。 この入れ替わり立ち替わりの繰り返しが、 私という民族の歴史を刻んでいるのです。 やがて私…

うっすらと月が出ている

うっすらと月が出ている。 ひとつふたつの言葉なんか、 簡単に忘れさせる夜だ。 大きな月だ。 大きな月にうっすらと雲がかかって、 今はぼくらの影を映さない。 だけどこの雲もいつかは晴れる時が来る。 ほら、秋から冬にかけての星座群が、 あんなにまぶし…

感情の酒

古い酒樽に無数の割れ目が入り、 感情の酒がこぼれ出している。 かなり前から起きていたのだろう、 酔いはかなり回っているようだ。 足下はふらついているし、 口もうまくまめらない。 いつ吐いてもおかしくない状態で、 ぼくは人生を漂っている。

古宿

この古い家の主は昨日から、 胃けいれんを起こして七転八倒している。 ぼくはこれをチャンスだと思い、 家移りを考えることにした。 家主の大騒ぎが静まるのを待って、 そっと家を抜け出してやるんだ。 笑ってすませられるような家じゃなかったんだから、 黙…

おはようのブルース

朝起きましてね、コーヒーを入れたんです。 わたしゃあまり胃が強くないほうなもんで、 ミルクをたっぷり入れましてね、 逆に砂糖は少なめにしたんです。 ちょっと寝不足もたたってか、 今日はどうもうまくない。 それでもせっかく入れたんだからって、 音を…

おはようのブルース

朝起きましてね、コーヒーを入れたんです。 わたしゃあまり胃が強くないほうなもんで、 ミルクをたっぷり入れましてね、 逆に砂糖は少なめにしたんです。 ちょっと寝不足もたたってか、 今日はどうもうまくない。 それでもせっかく入れたんだからって、 音を…

卒業

雪は残り花は遅れていた。 しかし彼らは知り尽くしていた。 一つの旅が終わったことを。 みんなどこでもいいから吹き飛びたいと言った。 というのも彼らの行くところはなかったから。 一つの旅が終わった時に。 薄暗い空から雨も降り始めていた。 でもちょっ…