吹く風

いろんなことに悩む暇があったら、さっさとネタにしてしまおう!

2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧

五十代

人間の平均寿命が百二十歳になったら きっと五十代なんか若造で 先輩諸氏からいつも 怒鳴られていることだろう。 人間の平均寿命が百二十歳になったら きっと五十代の髪は黒々していて 白髪やハゲの人は早熟な人と言って からかわれることだろう。 人間の平…

帰り道

自分のことであれば 茶化すことも出来るけど それが他人のことであれば 茶化すわけにもいかない。 何でまた彼はぼくにあんな 大事なことを話してくるんかな。 内緒にしているわけではない と彼は言っていたけど、 『彼はこんなことになっている』と 他人に語…

寝不足だ

夜中に雨の気配を感じて ぼくは目を覚ました。 車が水を弾いて行く音に 雨が降っているのを確信した。 そして再び目を閉じた。 しばらくするとどこかから 「コンコン」という音が聞えてきた。 パッキンが緩んでいるうちの シャワーから水が「コンコン」と 滴…

快感

まぶたの下をビンビンビンと 痙攣を伴ってように走る快感、 それがたまらなくいいのです。 だからぼくはやめないのです。 実に馬鹿げている生活だって こんなつまらない日記だって そんな中身のない思想だって あんなくだらない音楽だって その快感が得られ…

臭い仲

幼い頃周りの大人たちとは 乳臭い仲だった。 小学生の頃の友だちとは 鉄錆び臭い仲だった。 初恋だった彼女とは 粉ジュース臭い仲だった。 学生時代の友だちとは 整髪料臭い仲だった。 部活の仲間とは 足臭い仲だった。 その頃好きだったあの子とは レモン汁…

午前9時15分

日曜の朝は昔から 新聞に載っている パズルをする 習慣があるので ちょっとだけ 早く起きる。 ちょっとだけ早く とはいうものの ちょっとだけで 済む日もあれば、 ちょっとだけで 済まない日もある。 今日は後者だ。 えらく難しくて まだ解けてない。

日常はネタの宝庫だ

それは遠くにあるのではなく 晴れた日には晴れた日のネタが 雨の日には雨の日のネタが ここに転がっているのだ。 それは学者先生の頭にあるのではなく 暖かい日には暖かい日のネタが 寒い日には寒い日のネタが ここに転がっているのだ。 それはご大層な本の…

我々は宇宙人である

我々は宇宙人である。 我々は宇宙人である。 かつてお前たち地球人の 夢の中にやってきて いまもお前たち地球人の 夢の中に存在している。 我々は宇宙人である。 我々は宇宙人である。 だから見たくても その目では見えないし だから触れたくても 触れられな…

中サイズ

朝になるとぼくはスーパーに 弁当を買いに行っている。そこは 歩いて5分程度の場所にあるから 朝の運動にはちょうどいい。 雨が降る日は好きではない。 とはいえ朝の雨のにおいに 浸るのは嫌いではない。 さて、そのスーパーのレジに時々 アルバイトの中国…

親友

その人には最初から 何かの縁を感じていた。 時間が経つにつれて 生まれ育った境遇が似ていたり、 誕生日が同じであったり、 母親の名前が同じだったり、 そんなことが徐々にわかってきて 親友と呼べる仲になった。その後、 彼は県外の学校に転校していった…

川面

川面はいつも 深い深い緑色 晴れている日も 雨の降る日も 深い深い緑色 来る日も来る日も 変わらない いったい何を 映しているのか いったい何を 怯えているのか 川面はいつも 深い深い緑色

不快な夜

えらく湿度が高いけど 吹いている風はけっこう冷たく 冷房を入れようか入れまいか そのことでずっと悩んでおります。 ドライにすれば寒くはないけど 冷房よりも電気代が高くつくらしい。 そんな受け売り知識が邪魔をして 不快な夜を過ごしております。

流れ

過去を流してきた人は 昨日も流していたのだろうか 今日を流している人たちは 明日も流していくのだろうか 未来もそうしていくのだろうか 過去を信じてきた人は 昨日も信じていたのだろうか 今日を信じている人たちは 明日も信じていくのだろうか 未来もそう…

起き抜け

何ごとも起き抜けにやると 面倒がなくていいからと 最近は朝起きるとすぐに 髭を剃り、顔を洗い、歯を磨き 弁当を用意し、身支度をする。 すべてを一気にやってしまうので 「これをしなくては」という ストレスが溜まらない。 さあ、あとはトイレだ。

空の色

まだ乾かない青に 灰や白をベットリと 塗りつけたような 今朝の空の色

二十代の前半にアルバイトで 関わりを持ったおっさんがいて 半年ばかり一緒に仕事をしたのだが ぼくが就職したことで縁が切れ その後その人と会うことはなくなった。 ところがだ。三十年という年月が ぼくの中からその当時関わりのあった 人たちの記憶を消し…

七世紀の塚

「この塚でクシャミをすれば 七世紀のにおいがする」と 顔を見合わせて笑っている。 この一帯は人以外いまだに 七世紀の時空のままなのだ。 それを遺伝子が教えてくれる。 ここでクシャミをし続ければ もしかしたら後世に隠された 歴史真実も蘇るかもしれな…

朝の雨、雨の朝、朝の雨

あまりに早い時間なので 車道を走る車は少ない。 車の少ない時間なので 行き交う人はほぼいない。 ただいくつかの雀たちが ぼくの後から飛んできて ぼくの前に下りてくる。 朝の雨、雨の朝、朝の雨 左の肩を濡らしながら 雀が案内する狭い歩道を ぼくは窮屈…

訛りのあるウグイス

朝からずっと聞えている 「ピ-、ケケケキョ」 ちょっと訛っているようで 慣れ親しんだ鳴き声とは ちょっと違ってはいるけれど 歌のリズムと息の長さ 紛れもなくこれはウグイスだ。 ずっと一羽で鳴いている。 「ピ-、ケケケキョ」 いったい何を守っているの…

一身上の都合で退職した日

行きつけの食堂で並んでいると ライバル会社の人間が割り込んできたので 注意すると、奴ら逆ギレしやがって こちらに文句つけてきた。 一瞬険悪なムードになったが、先輩から 「あの会社には昔からそういう輩が多いので 相手にするな。馬鹿を見るのはこっち…

人生の誤り

幼い頃からずっと人から 「変わってる、変わってる」 と言われ続けてきたのだが 躍起になって そのことを否定したり 普通の人であろうと 無理して試みてきたのが ぼくの人生の誤りだった。 この歳になってその無理が 一気に祟ってきたようで 自分がわからな…

玄関割れ卵

スーパーなどで買い物して 帰ってきてからいつも困るのが 玄関での卵割れだ。 これがけっこう事件なのだ。 ──あーあ、卵割れちゃった せっかくそこまで慎重に 慎重に運んできたのに 玄関を開けた途端に気が抜けて つい乱雑に置いてしまうのだ。 ──あーあ、卵…

番長様

番長といわれる人種がいる。 すごくわがままな人種で 自分の意のままにならないと 急に不機嫌になって荒れ狂い 時に暴力を振るったりもする。 彼に振り回されるのが嫌なのか 他の人は寄らず触らずで まともに相手をしない。 それがまた番長の機嫌を損なう。 …

朝の音

夜が明けてまず聞えるのが カラスやスズメといった ちょいとやくざな街の鳥の声で ウグイスなどの野鳥の声がするのは それからしばらく経ってからだ。 車の音は夜中からずっとしているのだが それが頻繁になるのは野鳥の少し後からで そこにワンマンバスの声…