吹く風

いろんなことに悩む暇があったら、さっさとネタにしてしまおう!

2019-01-01から1年間の記事一覧

録画予約

13年ぶりに、『結婚できない男(まだ結婚できない男)』の録画予約をした。

夏休みの終わり頃

夏休みの終わり頃、空はいつも雲が覆っていて、少し湿った風が吹いていた。クラゲの出ている海にはもう行けないし、プールも少し肌寒い。夏休みが始まった頃、頻繁にやっていた草野球も、すでに飽きていた。 やることがないのかというとそうではなく、今まで…

住人

幼い頃は手塚さんが描くような、都会のにおいがしてくるマンガが好きだった。『おそ松くん』を読んでからは、当時の貧乏のにおいがしてくるような、生活に密着したマンガが好きになり、『ゲゲゲの鬼太郎』を読んでからは、生い茂った草木のにおいがしてくる…

天職の人

とりあえず色々な人がそこに入っていく。最初のうちは抜け道なんかもあるので、誰もが気楽にやっているわけですが、そこにはいつでもやり直しが利くという感覚もあり、自分でもなかなか見極めがつかないのです。 そこで人生は様々な場面で、一つ一つハシゴを…

架空の履歴

昔、柔道をやっている時に、絞め技で落とされたことがある。仮死状態になったわけだ。 その時、ぼくが見た風景はピンク色で、遠くで子供たちが遊ぶ声が聞こえた。柔らかい日差しの中にぼくはたたずみ、えらく懐かしく優しい気持ちでその時を過ごしていた。 …

もう一つのサイダー

小学生の頃、ぼくの周りでは、サイダーといえば三ツ矢サイダーという認識だった。近くにスーパーマーケットなどなく、駄菓子屋がすべてだった時代、その他のサイダーなんて見たこともなかったし、その存在すら知らなかった。 後年、サイダー分類されていると…

あのミスター・イノウエ

二十数年前のある日、職場に昔のギター仲間T君がという人が遊びに来た。 ずいぶん久しぶりの登場だったのだが、彼は挨拶をすることもなく、突然、 「やる気ありますか?!」 と言った。 「えっ?」 「やる気ありますか、と聞いているんです」 「何のやる気…

腹筋くん

高校時代、ある人から「飯を食わずに運動したら筋肉が付くよ」と聞いて、部活のある日には昼食をとらなかった。そのせいなのか、脂肪が溜まらず、厚みのない皮膚の下にいる腹筋くんが、しっかり顔を出していた。 今、そういう体に戻そうと、昼食を抜いて腹筋…

そろばん

友だちが習っているのを見て、 面白そうだと始めたそろばん。 珠をパチパチ弾きたい、ただ、 それだけだったんだね。結局、 計算だとか指の動きだとかは、 どうでもいいことだったんだ。 その後二年通うことになるが、 実は最初の三日で飽きていた。 だから…

ぼくの歌

ニ十数年前、当時上司だった人と初めて飲みに行った時の話だ。 タイトルは忘れたが、ぼくがカラオケである歌をうたっていると、急に彼が、 「ぼくの歌を取ったらいかんだろう。それはぼくが先輩からもらった歌だ」と憤慨して文句を言った。 『ぼくの歌』って…

日に日に新たに

いつも今日からが楽しいのであって、決して今日までが楽しいのではない。これからのことを考えるとワクワクもするが、これまでのことを考えてもワクワクはしない。 だからいつまでも過去にこだわらずに、今からのことを考えていくんだ。と、毎日毎日同じこと…

口笛

小学生の頃、ぼくは窓際の席になることが多かった。夏は日光をもろに受けるし、冬はすきま風が入ってくるし、けっこう苦労したものだ。 とはいえ、窓際生活も悪いものではなかった。のどかな外の風景が見えるので、退屈な授業でクサクサしている時の気分転換…

われ日にわが身を三省す

きっと若い頃に読んだ論語の影響だろう。変な気癖がついている。「われ日にわが身を三省す」という言葉が心を責めて、いつも反省を促してくるのだ。 そのためにひどく心が疲れてしまう。しなければならぬ反省ならともかくも、しなくてもいい反省までしてしま…

遠い灯りの夢

街からちょっと離れた場所に、えらくキラキラときらめいている平屋の建物がある。普通の体育館の、二倍程の大きさがあり、駐車場も広くとってある。それが何の施設かを、ぼくはまったく知らなかった。 ある晩のこと、そこが何か知りたくて、仕事帰りにぼくは…

ペキーン放送局です

ラジオで深夜放送を聴き始めた頃、ダイヤルを回して選局しているといると、突然大きな音で音楽が流れてきた。独特な旋律で、日本のものではない。「さて、どこの国の放送だろうか」と聴いていたら、程なく音楽は終わり、女性の微妙に訛りのある日本語が始ま…

HELP

今日は行く場所行く場所で、ビートルズのHELPを聴いた。学生の頃から何度も、何度も、何度も、何度も、何度も聴いた曲なので、ついつい口ずさんでしまう。 ところでビートルズの歌詞のことだが、ぼくは訳を読んだことはあるものの、学校英語が苦手だった…

告白

いまだに引っかかっていることがある。高校時代に好きだった人のことだ。「好きだ」という一言が言えなかったことが、今でも心残りになっているのだ。 確かに今は何とも思っていないから、今さらそんなこと言っても何が始まるわけではないのだが、とにかくそ…

猫の・・・

以前猫の交尾を見たことがある。近くの本屋まで歩いている時のこと、ある民家の庭に何かを感じた。その感じのするほうに目をやると、そこで猫がやってやられてやっていた。 最初猫は気づかなかったようだ。二匹で必死にやってやられてやっていたが、こちらの…

霊感商法

健康診断のアンケートに、「どこか痛い所はありますか?」などという問があると、別段痛くはないけれど、とりあえず『肩』や『関節』などに丸をつけることにしている。どこにも丸をつけなかったりすると、逆に勘ぐられるかもしれないからだ。 では、何で『肩…

こんにちはー

「こんにちはー」 威勢よく親戚の家の玄関を開けると、真っ先に出てくるのはいつも猫だ。小さな子供のいる家に行くと、真っ先に出てくるのがそこの子供というのと同じだ。きっと猫の知能程度は、年を取っても人間の幼児と同じくらいなのだろう。 しかし猫が…

災難は続いた

 四十年位前に住んでいたのが高田馬場。建て付けの悪い下宿屋で、面白くない生活を送っていた。 そこに住んで二年目のことだった。赤い発疹騒ぎから十日ほど経ったある日、ぼくは金銭的な理由から、その前日と前々日の食事を抜いていた。そのせいで腹が減っ…

赤い発疹

四十年位前、ぼくは高田馬場で下宿生活をしていた。 そこは建て付けの悪い下宿屋で、人が歩くだけで揺れる揺れる。しかも大家との関係はすこぶるよくない。友だちを連れ込むことは出来ないし、午後11時を過ぎると締め出しを食らってしまう。そんな面白くない…

遠い灯り

幼い頃から、遠い灯りを見ると、何か惹かれるものがあった。心がウキウキしてきて、夢や希望がふくらんでくるんだ。ところが昼間そこに行ってみると、別に大したところではなく、パチンコ屋のネオンだったり、カラオケ店の看板だったりする。 そういえば人生…

ぼくのアイドル

キャンディーズと同じ時期、ピンクレディが存在した。だが、ぼくはそちらの方は興味がなかった。 その二つのアイドルグループは、当時から色々比較されていた。だけど、「比較するなよ」とぼくは言いたかった。初期の頃はともかくも、ピンクレディがデビュー…

夏の食生活

ビールを飲むと腹が膨れ、茶漬けを流すとさらに膨れ、スイカを食べると限界になる。毎年夏になるとこの繰り返しだ。 四十歳を過ぎて以来、この腹のきつさに耐えられなくなり、こういう食生活はやめようと何度も心に誓った。しかし意志の弱さから何年経っても…

機械音痴

とうとう腹がブーになってしまいましてね、昨晩寝ている時に嫁さんから写真撮られてしまいました。 しかしこういう時、男子は落ち着いて何でもない風を装うものなのです。すると女子は「なーんだ、気にしてないのか」なんて思い、それ以上そのことには触れま…

嫌な奴

仮に嫌な奴がいたとしても、『嫌な奴』と思わなければ、そいつは嫌な奴にはならない。 いくら生理的に受け付けなくても、嫌という言葉を当てはめなければ、それで終わったことになる。 無理して『本当はいい奴』なんて思う必要もない。お笑い系の動物だとか…

されど私の人生

とにかくよく歌う奴らだ。 現在ぼくたちを含めて三組の客がいるのだが、他の二組がカウンターを占領し競い合って歌っている。元々『ママさんと本音で語る』、ということを主にしたような店で、カラオケはたまにしかやってなかった。ところが最近はカラオケス…

S旅館

「お食事にしますか、お風呂にしますか」 のどは渇いていたけれど、とりあえずはこの汗を流したい。それに、夕日が沈むのを鑑賞しながらの露天風呂は格別だ。ぼくたちは、旅の雑誌に載っていた露天風呂の風景を頭に浮かべていた。 「先にお風呂に入ります」 …

『×』を消そう

昨日あることを書こうとして、途中までノートに下書きしておいた。ところが今日になって、そこからの文章が出てこない。あげくの果てに、せっかく書いた文章を『×』で消して、その下に新たな文章を試みた。だけど何も出てこない。きっと今日はそんな日なんだ…