1、
職場の休憩室で水分を補給していた時だった。遠くから、えらく髭モジャの男がやってくるのが見えた。誰だろうと思って見ていると、何と同じ部署の男だった。
「何、その髭。モジャモジャやん」
「カッコいいでしょう。マスクするのは嫌だけど、髭を隠せるから、その点だけはいいですよね。だって、面倒な髭剃りをしなくてすむじゃないですか」
確かにそうだが、それでも遠くから見て、誰だかわからないほど伸ばさなくてもいいと思うが。だって、口が見えないじゃないですか。
2、
新入社員のP君が、
「コロナって後遺症あるんですかねぇ?」と、聞いてきた。
P君はいつもブラブラしていて落ち着きがなく、くだらん質問ばかりしてくるウザイ奴である。そこでぼくは、
「ああ、あるらしい。チ〇コが勃たんようになる(※嘘です)って聞いたよ」と言ってやった。
「えっ、本当ですか?やばいじゃないですか」
「あんたまだ若いんやけ、勃たんようなったら人生面白くなくなるよ。今の彼女と別れんとならなくなるし」
P君は、休みのたびに海や川に飛び込みに行っていると言っていたから、ついでに、
「海とか川とかでもコロナ感染者が出てるらしいから、これからはそういう所に行かんようにせんとね。勃たんようになるよ」
P君は、ぼくが『勃たんようになる』と言うたびに、神妙な顔をしていた。