今年の3月、左足の中指と薬指のつけ根部分が突然痛くなったことがある。最初はさほどではなかったのだが、だんだん痛みは酷くなり、歩くのに支障を来すようになった。一日経てば治るだろうと、痛みを一日我慢したが治らない。ということで病院に行くことにした。
病院で患部を見せると、医者はすかさず言った。
「痛風です」
「えっ、痛風なんですか?」
「そう、痛風です。ほら、赤く腫れているでしょ」
確かに赤みがかってはいる。しかし腫れてはいない。それは朝から冷やしたりマッサージをしたせいでなったものだ。とはいえ早く痛みから解放されたかったので、ぼくはその理由を医者に言わず、黙って治療に応じた。
治療は注射を打つだけの簡単なものだったが、痛みは程なくして引き、それ以降患部に痛みが出ることはなくなった。
それから三ヵ月経った6月、今度は右足の甲が痛くなった。そこで同じ病院に行くと、例の医者が言った。
「また痛風が出ましたか」
「今度は右足の甲です」と、靴下を脱いで見せると、
「あれ、おかしいなあ、腫れてはない」
「やっぱり痛風なんですかねえ?」
「うーん。・・・じっとしていても痛いですか?」
「いや、痛いのは歩く時だけです」
「前回もそうだったんですか?」
「はい」
「うーん、腱膜炎かなぁ?・・・しかしまあ、痛風みたいなものだから」と、医者は前回と同じ注射を患部に打った。前回と同じく程なくして痛みは引いた。
ところがその二日後、また痛みが出てきたのだ。そこで、また例の病院に行こうと思ったが、まだ薬はあるし、行ってもまた注射で終わらせるだろう。
ということで、ネットであの医者が言った『腱膜炎』という言葉を入れて検索してみた。すると、そこで『腱膜炎はサポーターをつけると痛みが軽減する』という主旨の記事を見つける。
さっそくぼくはドラッグストアに行き、サポーターを買い求め着けてみたら、効果は覿面だった。
以来、毎日サポーターをつけている。おかげで痛みが出ることはない。おそらく最初に医者が断定した『痛風』というのは誤診で、二度目の時に医者が断定しなかった『腱膜炎』が正しかったのだ。
健康診断で尿酸値やら何やら言われるのは嫌だから、今度あの病院に行く機会があれば、『痛風』を撤回してもらわなければならない。