本屋に姓名判断の本があったので、自分の名前を占ってみた。ぼくの名前、画数で占えば、ネアカで誰からも好かれるのだそうだが、名前の読みで占えば、明るくてネクラで偏屈な人なのだそうだ。
さて、これをどう捉えたらいいのだろうか。ネアカなネクラと捉えたらいいのか。それとも、時にネアカで時にネクラと捉えたらいいのか。
ところで、暗い人のことを、この占い師のように『ネクラ』と呼ぶ人がいる。
この言葉は80年代、人を明るいと暗いの二極でしか分類することができない、頭の構造の単純な人たちが好んで使っていた言葉だった。当時その言葉に傷ついた人がどれだけいたことか。そういう人の嫌がる言葉を平気で使う人こそ、実はネクラなのだ。
この頭の構造が単純な占い師は、その本で自分の下した判断に例外を認めず、すべてを断定的に書いている。
ということは、ぼくと同じ名前を持つ人間は例外なく、ネアカなネクラ、もしくは時にネアカで時にネクラな人間ということになる。
ぼくと同じ名前を持つ人間はかなり多い。ぼくの周りだけでも十数人はいるが、皆そういう性格なのだから、端から見ると、実に愉快な人間関係に見えていることだろう。