「眠れない夜」というヤツが
布団の中のぼくを見ている。
ぼくの神経はそれに呼応している。
ヤツはずっとぼくを見ている。
ぼくの神経もずっと呼応している。
時にぼくが思い出したくない過去や
出来れば触れたくない現実や
なるべく避けて通りたい未来を
ヤツはぼくの脳内に投写してくる。
ぼくの神経は異常な昂ぶりを見せる。
こうやってヤツは手を変え品を変え
ぼくに攻撃を仕掛けてくる。
夜明け前になるとヤツも疲れてくるのか
ぼくへの執着は次第に解けてくる。
ヤツが去った後、野鳥の鳴く声が
ぼくに安らぎと心地よさを与えてくれる。
ただ、その時はもう遅い。