あの人は今でも魅力ある女性だ。
かわいくて明るくて健康で
さらに理知的で、機転も利いて
昔から何も変わっていない。
ぼくにとっての理想の女性なのだ。
ただ昔に比べるとかなり痩せていて
肌の張りがほとんどなくなっている。
そのへんはぼくもそうなのだが、
その痩せ方に余裕がないというか
すでに皺の域にまで達しているのだ。
とはいうものの、あの人はやっぱり
卒業写真のあの人なのである。
ユーミンの歌のごとく
ぼくの青春そのものなのである。
遠くで叱ってくれる人なのである。
だけど叱る時はあの皺なんだな。
となればちょっと趣が変わってくる。
近所の婆さんに叱られている気分になって
ついヘラヘラ笑ってしまうはずだ。
でも卒業写真のあの人なんだよね。