選挙になると、この道の
両側にはポスターが貼られて
季節の色を隠してしまう。
元々周りのビルが起こす
風でいっぱいになる通りだから、
選挙が終わらないうちにポスターは
ひとりでに剥がれ落ちてしまって
選挙当日は半分位しか残っていない。
だからといって、ポスターが
残った人が当選して、ポスターが
剥がれた人が落選するわけではない。
当選する人はやっぱり当選するし
落選する人はやっぱり落選するし。
「選挙通り、人は通わず
選挙通り、風ばかり吹く」
ぼくはこの道を歩く時、こんな
すかしっ屁みたいな言葉に曲をつけ
口の中で転がしながら歌っている。