吹く風

いろんなことに悩む暇があったら、さっさとネタにしてしまおう!

『イメージの詩』が流れていた

少し遅れてから外に出ると

パラパラと雨が降っていた。

ちょうど公園にさしかかった時

パトカーが止まっているのが見えた。

数年前は学生運動の取り締まりで

いつも数台止まっていたものだが、

今はすっかり暇になって

たった一台しか止まってない。

これも時代の移り変わりなのか。



雨のしたたる公園では

ビデオコンサートをやっていた。

傘をさした数人の人たちが

吉田拓郎かぐや姫などの

フォークライブの模様を見ていた。

やっていた曲は『イメージの詩』

数年前ならたとえ雨が降っていても

この公園を多くの人が埋め尽くし

この曲に歓声を上げたことだろう。



この情景を見た時

ぼくは青春が終わったと思った。

そのとたん涙が出てきた。

別に悲しい涙ではなかった。

決して辛い涙ではなかった。

もちろん悔しい涙でもなかった。

何が何だかわからない涙が

サーッとぼくの頬を伝って消えていった。

『イメージの詩』はまだ流れていた。