この街にあるのは
鬼太郎カラスの輪唱と
電線ムクドリの合唱と
夕闇にはびこる喧噪だ。
こんな殺風景な風景を見て
ぼくたちは心和ませている。
だけどだけど駄目なんだ。
こんな風景で和むようでは
いつまでどこまで経っても
いつまでどこまで待っても
前に進めないに違いない。
だからぼくたちはいつも
次の夜を焦らせている。
我々は夜の静寂という
無粋さを好む生物である。
だから早く、もっと早く
あの赤を絞り出してしまえ。
そして抜け殻と化した夕日を
手に持ったその長い猟銃で
さっさと撃ち落としてしまえ。