学生の頃から
読んできた本がある。
通学や通勤時には
手持ち無沙汰の友となり
車で通勤するようになってからは
渋滞時の友となっていた。
何ということのない本で
とくに大したことが
書いているわけではない。
ただ他の本と違うところは
その本を読んでいる時には
いつも「今この時間は
この本を読むためにあるんだ」
と教えてくれる点にある。
転職した頃だったから
五、六年前になるだろうか
その本はわけあってぼくの
生活から欠場してしまった。
以来その本を開いたことはない。
おそらく今この時間は
その本を読むためにないのだろう。