(1)息継ぎ
宇宙と呼ばている物体の中に
太陽系という運動が存在する。
地球はその運動の一部であり
人間という存在はその運動の
合間に発生した小さな寄生虫だ。
だから人間はその自覚を持って
生を喜ぶこともせず淡々と
死を悲しむこともせず粛々と
この太陽系という運動の中で
息継ぎしていかなければならぬ。
(2)野犬
雨が降りだした夜の村に
野犬がたくさん貼り付いて
生き物の行く手を阻んでいる。
ぼくは奴らに気づかれないように
息を殺してゆっくりと前に進む。
この薄明かりに触れないように
気配を隠して慌てずに前に進む。
(3)緑
緑が大きくうねっている。
明暗を表しながらゆっくりと
波打つようにうねっている。
その緑の住人である鳥たちは
うねりの外で戸惑っている。
うねりの強さに戸惑っている。