1,
この二月にバレンタインのお返しとして
頼んでいた物がようやく入ってきた。
何でも手作り販売の品物らしく
そうそう数を作れないのだそうだ。
それで一ヶ月以上かかったわけだ。
若い頃ならそんな希少なものを
贈り物やお返しに選ぶことはなく、
例えばバレンタインのお返しなら
近くのデパートやスーパーの特設会場で
売っているような企画物を当てて
ホワイトデーに間に合わせていたのだが、
「そういうのは芸がない」と思うに到り
そういった手間暇かかるものを
選ぶようになったわけだ。
2,
そういえば、十数年前だったか
バレンタインのお返しに
木工細工を選んだことがあった。
これがけっこう好評で
こちらも悦に入っていたのだが、
その中の一人が、ぼくの善意を
ぼくの好意と受けとめてしまい
往生したことがある。
「そういう意味じゃない」
と相手にわからせるのに
わりと時間を要したし
その後その人との関係は
ぎくしゃくしたものになった。
「そういう形に残るものはダメ」
と周りから注意を受けたものだった。
そういうことがあってから
しばらく普通の企画物に戻したのだが、
やはりそれでは面白くない。
ということで、再び芸あるものを
選ぶようになったのだった。