ぼくがのんきに秋の花火を見ていた頃
ぼくの知らない所で、ぼくの人生の一部に
ぼくの知らない変化が起きていた。
二十年来の友人が命を落としたのだ。
かつて彼は名の知れたミュージシャンで
ぼくの憧れの存在であった。
二年近く顔を見てなかったのだが
その間、病気療養をしていたらしい。
悪い病気ではあったものの、すぐに死に到る
というようなものではなかったという。
それゆえに家族には突然の出来事だったようだ。
思うに、病気をしていたから病死
というような簡単なものではなく
実は闘病生活の中で起きた
過労死だったのではなかろうか。
そんなわけで、通夜に行ってきたのだが
さすがにミュージシャンの死だ。
そこには一見してそれとわかる人たちが
所狭しと座り、故人を偲んでいた。
年齢とは確実に不釣り合いな長髪
無意味な香水、どこか人と違う服装
そんな浮世離れした世界がそこにあった。
かつてぼくは、そういう世界に憧れ
そういう世界に出入りし
そういう世界で彼と出会ったのだった。
61歳だったという。
まだまだ早いぜ・・・