1,
夕方雨がひとしきり降り
雷が近くで「バシー」と鳴った。
雨がムキになって降り続けた
今年の梅雨も、これで終わりだ。
…相変わらずぼくは
東風と梅雨明けの関係が
確認できないでいる。
2,
「せみ」(1974年作)
レコードにスプレーをかけたあとで
夏を感じ始め、すだれに手を伸ばすと
一匹のせみが鳴きもしないでとまってる
雲は多く増えていくけど
ああ、梅雨は昨日で終わったんだね
きみはこのままどこかへ飛んでいくのかい
今風が吹いて、すだれがブランコのように
このまま鳴くのかい
このまま鳴くことも忘れて
とまっているのかい
疲れ果てて、水の音を聞きながら
気がついたときには、もうそこの風は飛ばされていて
せみもいつか逃げていくのがわかる
今ジェット機は、悔やみもせず
大海へ
つかまえようとしたら、逃げてしまう
かといって、じっとさせているのももったいない
息を吹きかけてみよう
ああ、もう眠ってしまったんだね