吹く風

いろんなことに悩む暇があったら、さっさとネタにしてしまおう!

赤い糸

嫁さんと恋愛関係にあった頃、

ぼくたちは何度か別れたことがある。

その別れ際のセリフは決まって、

「ふざけるな!!」だった。

二度とこんな奴と付き合うものか、

そんなことを思いながら、

ぼくは嫁さんとの距離を置いたのだった。

だけど、それで終わることはなかった。

何度別れても、ぼくたちは縒りを戻し、

最終的に結婚まで至ったのだった。

運命の赤い糸なるものがあるらしいが、

おそらくぼくたちはその糸に結ばれていて、

どんな別れ方をしたとしても、

何度別れたとしても、

結局は縒りを戻すことになる。



さて、赤い糸で結ばれた人と出会い、

運命に引きずられるように結婚する。

フィクションでもノンフィクションでも、

語られるのはいつもここまでだ。

ではいったい、

その後の二人はどうなるのだろうか?

人も羨むような幸せな家庭を築くのだろうか?

愛情いっぱいの生活を送るのだろうか?

経験から言わせてもらえば、

決してそんなことはない。

どこにでもあるような家庭を築き、

どこにでもあるような生活をするだけだ。

もし赤い糸の影響があるとするなら、

それは愛情の有無などということではなく、

窮屈ではないということだ。

とにかく、ほどこうにもほどけない糸で

結ばれている二人だから、この先も

今日が終わって明日が来るという生活を

二人で続けていくに違いない。