会社の帰りにスーパーに寄ったら、
見ず知らずの人から、
「納豆はどこですか?」と聞かれた。
「ここの人間ではないですよ」と言うと、
「あっすいません」と言って向こうに行った。
こういうことはよくあることで、
大型の電気専門店で、
アクオスの説明を求められたり、
書店のコミックコーナーで、
宗教書のありかを尋ねられたり、
銀行のATM前で、
機械が壊れていると文句を言われたり、
初めて行ったスナックで、
マスターと呼ばれたり、
通りがかりの葬儀屋の前で、
葬儀の時間を聞かれたりする。
これはきっと、
ぼくの風貌がカメレオンのごとく、
その場に溶け込んでしまうせいだろう。
だが、お役所、税務署、学校などでは、
その能力は発揮されないようで、
一度も声をかけられたことはない。
それはきっと、
そこが自分の興味のない場所だからなのだろう。
しかし、その解釈でいけば、
ぼくは葬儀に興味を持っている、
ということになるわけか。
案外心のどこかにそういうものへの
憧れがあるのかも知れないな。
ちょっと複雑な気分だ。