以前勤めていた会社は
遅くまで仕事をするのが
美徳だと思っているようなところで、
みな意味もなく人件費と光熱費の
無駄遣いをやっていた。
定時は午後7時だったのだが、
午後9時10時帰りはざらで、
酷い時には11時12時に会社を出ていた。
おかげでその時代にやっていた
プロ野球ニュースより前の時間帯の
テレビ番組をぼくらは知らない。
それではいかんと始まったのが
早帰り運動だった。
週に一度早帰りの日を決めて、
その日は何があろうとも
定時に帰るというものだった。
ところが早帰りの意味を理解できない
ひとりの馬鹿な上司がいて、
「今日の予算も行ってないのに
何が早帰りだ」などと言い出した。
おかげで誰もが帰りづらくなり、
結局週一度の早帰りの日は、
残業をつけない日と成り果てた。
会社は人件費は浮かせたものの、
光熱費は前よりも酷くなった。
その後その馬鹿な上司は
経費削減を叫ぶようになるのだが、
そいつが叫んでも何の説得力もなく、
あげくに会社は潰れてしまった。