吹く風

いろんなことに悩む暇があったら、さっさとネタにしてしまおう!

幼い日

月の作る影の中に虫が鳴く

虫の鳴く声はススキを揺らし

ススキが揺れると声は止む



声なき夜のしじまの中に

小さな妖怪が潜んでは

時間とともに成長する



長い長い時間の中で

巨大に育った妖怪たちが

じっとこちらを窺っている



今にも襲ってきそうな気配の中

幼いぼくの直感は

必死に涙を呼んでいる



寂しい線路脇の小径だった

遠くかすかに浮かぶ街の灯りだけが

あの夜のぼくの正義の味方だった