吹く風

いろんなことに悩む暇があったら、さっさとネタにしてしまおう!

野次馬

火事だ

アパートの小さな窓口が

たくましい火を吐きだしている

火はゴウゴウと声を張り上げ

アルミの手すりを溶かしながら上昇していく



窓口はゴジラの肺活量よろしく

息切らすことなく火を吐き続ける

このままいけばこのアパートは

十分も持たずに

焼け落ちてしまうだろう



このゴジラのような窓口に

野次馬たちは感動にも似た畏れを抱いている

ゴジラの腹の中には

悲しいドラマが潜んでいるのだが

野次馬ゆえにそれに気づかないでいる