2009-03-13 野次馬 街風景 火事だ アパートの小さな窓口が たくましい火を吐きだしている 火はゴウゴウと声を張り上げ アルミの手すりを溶かしながら上昇していく 窓口はゴジラの肺活量よろしく 息切らすことなく火を吐き続ける このままいけばこのアパートは 十分も持たずに 焼け落ちてしまうだろう このゴジラのような窓口に 野次馬たちは感動にも似た畏れを抱いている ゴジラの腹の中には 悲しいドラマが潜んでいるのだが 野次馬ゆえにそれに気づかないでいる