吹く風

いろんなことに悩む暇があったら、さっさとネタにしてしまおう!

Z氏に見る33画

昨日の続きになってしまうが、この33画を持つ人の多くは、とにかく目立つことが好きで、自分が目立つことなら何でもやる。
それが目立つことであれば、ゴマもすれば、嘘もつく。
他人の手柄を自分の手柄にするといったことも平気でやる。
極端に言えば、人殺しでもやる。

ぼくがかつて働いていた会社に、Zという男がいた。
その男が33画の持ち主だった。
入社した当初、彼は画数に導かれるように、華々しい活躍をしていた。
普通の社員が1千万円くらいの予算でヒーヒー言っていた頃、彼はあるコネを利用して億の仕事を取っていたのだ。
当然上からの絶大なる信頼を得ることになり、彼は出世頭となった。

ぼくは一度だけ、このZ氏といっしょの部署になったことがある。
彼は出世頭だったから、ぼくはもちろん彼の下だった。
売り上げの競争をしていた時のことだったが、その頃ぼくは絶好調で、首位争いをやっていた。
一方のZ氏はというと、お得意のコネがうまく絡まずに、苦戦を強いられていた。
Z氏はそれが気に入らなかった。
彼はいつも1番でいたかったのだ。

そこで、彼は姑息な手段を用いた。
売り上げの稼げる土曜日曜に、自分より売り上げのいい人間を、みな工事やクレーム処理にかり出したのだ。
その効果あって、彼は月曜には首位に躍り出た。
もちろん上司は、Z氏を褒め称えた。
逆に外に出ていたぼくたちには、「売り上げの取れる土曜日曜に、おまえたちはいったい何をしていたんだ!?」と叱咤したのだった。

Z氏の評価はうなぎ登り、もう誰も彼の勢いを止めることは出来なかった。
中にはZ氏の悪口を、上司の耳に入れる者もいたのだが、上司は「Z君に限って…」という感じで、まったく聞く耳を持たなかったらしい。

その後、Z氏は異例の昇進のチャンスを得た。
ある店の店長になる内示を受けたのだ。
彼の華々しさはここに極まった。

ところが、ここで彼は重大なミスをおかしてしまったのだ。
目立ちたがり精神のせいで、内示を自分の中に収めておくことが出来なかったのだった。
彼は会う人会う人に、「おれは今度○店の店長になるんだ」と言って回った。
そのことは本社の耳にも入った。

当然、このことは問題になり、さっそく人事の見直しが行われた。
その結果、「秘密を厳守出来ないような人間に、大事なポストを任せるわけにはいかない」ということになり、Z氏の店長昇進は却下されたのだった。
彼の信用は一瞬にして地に落ちてしまったわけだ。
結局彼は閑職に回されることになった。

その後、彼は這い上がろうと必死になり、いろいろ手を尽くしたみたいだが、一度落とした評価はもう元に戻ることはなかった。
今でも彼は、その閑職にいるらしい。