【視力】
右0,8、左0,7だった。
昨年が左右とも0,7だったので、大した変化はなかった。
視力の検査は、オーソドックな「C」マークで行った。
1から10までの数字の下に、このマークが上下を向き横を向いて並んでいた。
1から順番にマークが小さくなっていく。
係員が「1から順番に言って下さい」と言った。
しかし、ぼくは順番に言っていくのが面倒だったので、目に付いた7から答えることにした。
7はOKだった。
続いて8はイメージで答えた。
結果はOK。
9からはイメージさえわかなかったので、当てずっぽで「下」と答えた。
「はずれです」
「じゃあ、右」
「0,8です。次、左お願いします」
「8は、右」
「違います」
「え?」
よく見ると、それは6の答だった。
「ああ、すいません。6が右です」
「違います」
「ええーっ!?」
「1から言って下さい」
しかたがないので、1から順番に答えることにした。
5まで答えてから、ぼくは6を飛ばし7を答えた。
「7は下」
「はい。6は?」
「6は右です」
「ええーっ!?」
そうか、さっきと同じだった。
係員はしかたないなあという顔をしながら、「0,7」と言った。
【血圧】
聴覚が終わり、続いて血圧を測った。
ぼくは、いつもこの血圧で引っかかっている。
下が高いのだ。
これはおかしいと思って、いろいろな血圧計を試してみたのだが、どれでやっても正常である。
もしかしたら、健康診断用の機械がおかしいのかもしれないと思い、健康診断のたびに何度か測り直してもらっている。
今回も例年通りで、下が100を超えていた。
係員が「血圧が高いですねえ」と言う。
「もう一度やってみて下さい」
2度目は少し下がっていたが、それでも94もある。
「やっぱり少し高いみたいですよ」
「昨日家で測ったら、下は85だったんですよ」
「じゃあ、今度は機械替えて測ってみますね」
今度は旧式の手動のやつを持ってきた。
これで測ると、前日通りの数値が出た。
下は84だった。
「ああ、正常ですね。最初は緊張しとったんかもね」
「緊張なんかしてませんよ」
「無意識のうちに緊張することもあるんですよ」
いいかげんなことを言いやがって。
何が緊張だ。
なぜ機械が悪いと言わないのだろう。
最新式の機械か何か知らないが、手動式の血圧計を用意してあるということは、その機械を信用してないということになるじゃないか。
次からは「手動でやって下さい」と言うことにしよう。
【採血】
採血は下手くそだった。
今までで一番痛かった。
採血後、係員は用意してあった脱脂綿を当て、針を刺した時の痛みがまだ残っている腕を、力いっぱい指で押した。
「このくらいの力で、2,3分押さえておいて下さい。内出血するので、決して揉んではいけませんよ」
「何が『揉むな』だ。あんたの押し方は、指圧じゃないか」
ぼくはそう思いながら、腕を押さえていた。
1時間後、脱脂綿を取ってみると、しっかり内出血していた。
注射の痛みは、夕方まで続いた。
後は、問診、心電図、レントゲンと続き、今年の健康診断は終わった。
採血や心電図・レントゲンの結果は後日になるが、それ以外の異常はなかった。