吹く風

いろんなことに悩む暇があったら、さっさとネタにしてしまおう!

しんたのブランド その3

その間、ぼくは3本のギターを買っている。
一つはタカミネ物で、メインのギターよりも一回り小さなやつだった。
材質も、メインのものと同じく、ハワイアンコア材を使っていた。
このギターは、その後友人に譲った。

もう一つはモーリスだった。
店で弾くギターが一本欲しかったのである。
店に、長い間売れ残っていたギターがあったので、それを買うことにした。
4万円くらいのギターで、音もそこそこよかった。
当初は暇を見つけては店で弾いていたのだが、その後小倉のスナックで歌うことになり、そこに常駐させることにした。
今も、そのギターは、そのスナックにある。はずだ。

3本目はマーチンである。
中古のD28だった。
10万円かそこらで手に入れたのだが、とにかく音がよかった。
「これぞ、マーチン!」という音である。
しかし、このギターはあまり弾かなかった。
弾き込めばまだまだいい音が出たのかもしれないが、恐れ多くて弾けないのだ。
保管にも気を遣った。
とにかく、散らかったぼくの部屋で管理することは、不可能に近かった。
そういった理由から、ぼくは半年もおかず、このギターを売ることにした。
ほとんど弾いてなかったので、価格もそのままでよかった。

33歳の時、メインで使っていたタカミネのアンプが壊れたため、それと同じ機種を買い、それをメインのギターとした。
またサブギターとして、友人に譲った小ぶりのタカミネと同じ機種を再び購入。

39歳の時、取引先でマーチンを取り扱っているという情報を得た。
カタログを送ってもらい、それを見ていると、以前ぼくが持っていた機種D-28が破格値で出ていた。
「これは買わない手はない」と思ったぼくは、さっそく取引先に電話をかけて注文した。
それと同時に、サブである小ぶりのタカミネを、知り合いに売った。

さて、人生二度目のマーチンである。
店に届いたマーチンを、ぼくはさっそく家に持って帰り、メインの座に据えた。
ところが、今回も恐れ多くて弾けない。
だが、いくら破格値だったとはいえ、前回の中古よりも多額の投資をしている。
恐れ多いながらも、せっかく買ったんだからと、なるべくこのギターを弾くように心がけた。
そのおかげで、マーチンの音を残すことが出来た。
歌のおにいさん」の中の、『ショートホープ・ブルース』のギターの音はマーチンの音である。

ところが購入してから2年が経ったある日、車をぶつけてしまい、修理代が必要になった。
持ち合わせのなかったぼくは、「どうしようか?」と考えたあげく、マーチンを手放すことにした。
よほどぼくはマーチンと縁のない人間なのだろう。

ところで、その時売りに出したマーチンがその後どうなったのかというと、売れることは売れた。
しかし、その代金は振り込まれなかった。
その経緯は2年前の今日の日記に書いているので、興味のある方は、それを見て下さい。

その後ぼくはパソコンにハマってしまい、ギターに関心を抱かなくなった。
現在ぼくの手元にあるギターは、33歳の時に買ったタカミネだけである。
このギターが、ぼくの人生最後のギターとなるかどうかは、まだわからないが、再びギターを買うことがあったとしても、よほどのことがない限り、ぼくはタカミネを選ぶだろう。