年が明けて10日が過ぎた。昔の漫才ネタで言うと、「今年も残すところ356日になりました」ということになる。
その残すところ356日の間に、オリンピックがあり、プロ野球ペナントレースがあり、日本シリーズがある。そういうことに一喜一憂しながら、また一年は過ぎていくのだろう。
前にも書いたことがあるのだが、ぼくは一日がかなり長く感じ、そのくせ一年がとても短く感じる。一日が長く感じるのは、睡眠以外に楽しみを持たず、一日を過ごしているからだろうし、一年が短く感じるのは、毎日同じような生活をしているために、記憶がスルーしてしまったからだろう。
おそらく一日が長いなどと考えているのはぼくだけで、他の多くの人は、ぼくとは逆に、一日を非常に短く感じているに違いない。それはきっと、いいにつけ悪いにつけ、充実した日々を送っているということになるのだろう。裏返せば、ぼくは充実した日々を送ってない、ということになる。
『あしたのジョー』の連載が終わりに近づいた頃だったと思うが、作者ちばてつや氏の特集が連載していた少年マガジンで組まれたことがある。そこには、ちばさんの好きな言葉が書かれていた。それは『完全燃焼』だった。
『あしたのジョー』は真っ白な灰、つまりジョーが完全燃焼して終わった。この終わりかたが、あまりにショッキングだったので、いろいろ物議を醸したのだが、ちばさんの特集を読んだ者として、充分に予測できる結末だった。あの時、ちばさん自身が完全燃焼していたのだ。その燃焼ぶりに、ぼくは共感し、そういうふうに生きていきたいと思ったものだった。
あれから五十数年経ったが、今では完全燃焼どころか、一日を持て余している状態である。いったい、どの時点から狂ってきたのだろうか?