頑張る40代!

いろんなことに悩む暇があったら、さっさとネタにしてしまおう!

2003年11月

北国の少女(前編)

 君が北国に行くのなら
 風が強く吹きつのる国境の町に
 一人の女性を訪ねてほしい
 彼女はかつて、ぼくの恋人だった人なんだ

 もし吹雪の中を行くのなら
 夏の遠ざかった町で
 彼女が寒い思いをしていないか
 それを見てきてほしい

 長い髪はそのままにしてあるんだろうか
 今でも胸の辺りまで伸ばしているんだろうか
 教えてほしい
 ぼくの知っている彼女かどうか

 ぼくのことを忘れないでいてくれているんだろうか
 いつもぼくは彼女のことを祈っている
 星もない闇夜の中で
 照りつける日差しの中で

 だから君が北国に行くのなら
 風が強く吹きつのる国境の町に
 一人の女性を訪ねてほしい
 彼女はかつて、ぼくの恋人だった人なんだ

 (ボブ・ディラン『北国の少女』)


いつだったか、店内のBGMにいつもビートルズがかかっているのでもう飽きた、と書いたことがある。
現在、それがどうなっているのか。
ぼくが勝手にチャンネルをいじくって、毎日クラシカル・ロックがかかるようにした。
まあ、これで、時折ビートルズはかかるものの、60~70年代の洋楽が中心にかかるようになった。

レッド・ツェッペリン、ディープ・パープル、クリーム、イエス、ザ・バンド…、ぼくが小学校高学年から高校にかけて聞いていた音楽が、毎日ガンガン鳴っているのだ。
おかげで、職場での精神状態は上々である。



ハゼ

会社の裏手に土手がある。
その土手に一本のハゼの木が生えている。
さして大きな木ではない。
ずいぶん前からそこに生えていたのだが、ごく最近までぼくはその存在を意識したことはなかった。

意識しだしたのはこの秋からだった。
Kさんという方が、「ああ、あのハゼの木も色づきだしたね」と言った時、初めてそのハゼの木の存在を意識した。
「そうだった。ハゼも紅葉するんだった。
小学生の頃、裏のハゲ山に一本のハゼの木が生えていたが、そのハゼも秋になると紅葉していた」
そんな記憶が、Kさんの言葉とともに思い出された。
それ以来、ぼくは会社裏のハゼの木を意識するようになった。

確かKさんがハゼのことを口にしたのは11月の頭だった。
徐々に紅くなり始めていったが、「さあこれから」という時に気温が上がった。
そのせいなのか、紅葉はなかなか進まず、今日現在半分程度しか紅葉してない。
このまま紅葉が進むのか、それとも紅葉のまま散ってしまうのか。
この先もこのハゼの木から目が離せない。

ところで、小学生の頃、よく「ハゼ負け」をしたと言っては、白い薬を肌に塗りまくっている子を何人か見かけた。
不思議なことに、ハゼ負けするのはいつも同じ子なのだ。
「そんなにしょっちゅうハゼ負けするくらいなら、ハゼの木に近づかなければいいのに」、とぼくは思っていた。

ずっと後に、当時みんなが「ハゼ負け」と言っていたのは、実はハゼ負けではなくアトピーだということをある人から聞いた。
そういえば、当時ハゼ負けする子の肌は、今でいうアトピーの肌質だった。

その頃、『アトピー』という言葉が一般的ではなかった。
そこで、大人たちは子供の「なぜ、あの人の肌にブツブツがあるのか?」という質問に答えるため、わかりやすく「ハゼ負け」と言っていたのかもしれない。
とはいえ、その頃、その大人たちでさえも『アトピー』という言葉を知らなかったはずだから、本気で『ハゼ負け』と思っていたのかもしれないが。



寝だめ

何ともよく寝た一日だった。
起きていたのが、午前9時~11時と午後8時~12時までの6時間だったから、寝ていたのは18時間ということになる。
途中何度も目が覚めた。
そのたびに起きようとは思ったのだが、若干風邪気味だったため、何もやる気が起きなかった。

こんなに寝たのは何年ぶりだろうか。
おそらくここ十年はなかったような気がする。
おかげで腰が痛い。
なるべく腰に負担をかけないように横を向いて寝ていたのだが、それでも腰に重い痛みが走っている。
運動やってもだめ。横になって休めてもだめ。整体してもだめ。
もう、腰は一生治らないのかもしれない。

そういえば、朝昼と何も食べていない。
寝ている時、何度か空腹感に襲われた。
が、それでも食べなかった。
さすがに夜は食べることにした。
夜はカレーだった。
ぼくはカレーに目がないので、ついつい無茶食いしてしまった。
それがいけなかった。
胃が荒れたのだ。
何かもたれるような感じで、それが長い時間続いたのだ。
以前よく寝ていた頃もよくこういうことがあった。
そのため、その頃は夜を少なめにしていた。
だが、何せ久しぶりの寝だめである。
そういうこともすっかり忘れていた。
次に寝だめする時のために、「夜食は控えめに」ということを忘れないでおこう。

ところでこの日記だが、例のごとく翌朝書いている。
あれだけ寝たのだから、朝はすっきりしているのかと言えば、そうではない。
やはり眠たいのだ。
疲れをとるために疲れを作ったわけだから、それもしかたないか。



潜在意識

休みの前の日は、食事の後に突然何も考えられないようになり、そのまま眠ってしまう。
途中目が覚めるのだが、「ああ、明日は休みか」でまた寝てしまう。
きっとぼくの潜在意識が、このサイトを始めてからずっと続いている、寝不足による疲れを取り除こうとしているのだろう。

その潜在意識に甘えて、今日はここで終わることにしよう。



海馬

最近またマンガを読み始めた。
主に読んでいるのは、数年前に揃えた手塚治虫ものである。
もちろん数年前に買った時も、これらのマンガは読んでいる。
ところが、久しぶりに読んだせいなのか、歳のせいなのかは知らないが、ほとんどの作品の内容を忘れてしまっているのだ。

そういえば、前に読んだ岡崎二郎のマンガに、こういう話が載っていた。
《ある日、銀河宇宙線の量が急激に増加し始め、高エネルギー粒子の雨が、大気や磁気のバリアーを貫き、大地に降り注いだ。
そのため、ほとんどの生物があっという間に絶滅した。

主人公は放射能の嵐を避けるため、たった一人でシェルターの中で暮らしている。
書庫には何千冊もの本がある。
その本で残りの人生を慰めていくはずだった。

ところが、空調のパッキンが腐食していたため、その書庫は放射能に汚染されてしまった。
もちろん、主人公は書庫に入ることが出来ない。

手元には一冊のSFの『ショートショート』という本があるだけだ。
数ヶ月間、主人公はパソコンのゲームをやって過ごした。
『ショートショート』は最後の楽しみとして読まずにおいた。
主人公はゲームにも飽き、だんだんやけになってきた。

ある日、主人公はついに爆発した。
部屋の中で暴れ出したのだ。
ところが、そのせいで床に落ちたウィスキーのボトルにつまずき、主人公は頭を打ってしまった。

主人公が気がつくと、事態はひどくなっていた。
数時間前のことを覚えていないのだ。
どうやら、脳の中の海馬を傷つけたらしい。
ここを傷つけると、昔の記憶には何の影響も与えないが、短期の記憶に関しては右から左に抜けていくという。

ところが、それが幸いした。
それから、主人公は毎日『ショートショート』を読むようになった。
主人公の頭は、うまい具合に『ショートショート』の三話目の話を読み終える頃に、最初のストーリーを完全に忘れているのだ。》

「毎日、新鮮なストーリーを読むことの出来る私は、大変幸せだ…」というオチで、このマンガは終わっている。
手塚マンガを数年ぶりに読んでいるぼくにも、そういう新鮮な感覚がある。
最近物忘れがひどくなったということもあるし、もしかしたら、知らない間に海馬を傷つけたのかもしれない。



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